江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2009年4月15日祈祷会(マルコ13:24-37、終末をどう理解するか)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.弟子たちへのイエスの遺言

・イエスは十字架を前に、残される弟子たちに、これから起こることを語られた。それが13章の終末預言だ。イエスは神殿の崩壊を預言されたが、それから40年後の紀元70年の今、マルコはエルサレムがローマ軍に囲まれて崩壊しようとしているのを見ている(ユダヤ戦争)。マルコは目の前の現実をイエスの言葉で理解しようとしている。
-マルコ13:14「憎むべき破壊者が立ってはならない所に立つのを見たら(読者は悟れ)、そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい」。
・マルコの時代、地上には地震や飢餓が続発し、イスラエルはローマ軍の攻勢の中で滅びようとしていた。信徒たちは信仰のゆえに迫害や艱難の中にあり、世の終わりが近づいていると彼らは思った。しかしマルコはイエスの言葉を引いて、まだ終末ではないと伝える。「終末のしるしは再臨の時だ」とイエスは言われたではないかと。
-マルコ13:24-26「それらの日には、このような苦難の後、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る」。
・終末を考えた時、人は投げやりになる。しかし終末は喜ばしい時なのだ。マルコは迫害に苦しむ信徒に、「迫害はいつまでも続かない。主が来られるから、今は忍びなさい。」と励ます。
-マルコ13:27「そのとき、人の子は天使たちを遣わし、地の果てから天の果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。」
・いちじくの木は冬には葉を落とすが、その中で葉を茂らせ、実を結ぶ準備をする。夏が見えない中でいちじくは収穫の支度を行う。イエスは、いちじくの葉が伸びると夏が近づくのがわかるように、私は必ず来るといわれた。
-マルコ13:28-29「いちじくの木から教えを学びなさい。枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分かる。あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい」。
・マルコは「私たちはイエスの十字架と再臨の中間にいる。今イエスは不在だが帰ってこられる。その時に備えて今を生きよ」とイエスの言葉を伝える。「目を覚ましていなさい」と。
-マルコ13:34-35「それは、ちょうど、家を後に旅に出る人が、僕たちに仕事を割り当てて責任を持たせ、門番には目を覚ましているようにと、言いつけておくようなものだ。だから、目を覚ましていなさい。いつ家の主人が帰って来るのか、夕方か、夜中か、鶏の鳴くころか、明け方か、あなたがたには分からないからである」。

2.終末を待望しながら生きる

・イエスご自身、終末の接近を感じておられた(マルコ9:1)。初代教会の人々もキリストの再臨がすぐにも来ると思っていた。パウロは、自分は生きて主の再臨を迎えると考えていた。
-?テサロニケ4:15-17「合図の号令がかかり、大天使の声が聞こえて、神のラッパが鳴り響くと、主御自身が天から降って来られます。すると、キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し、それから、私たち生き残っている者が、空中で主と出会うために、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられます」。
・しかし再臨はなかった。初代教会の信仰がこの再臨(終末)遅延によって揺らいだことはペテロも証言している。
-?ペテロ3:8-13「ある人たちは、遅いと考えているようですが、主は約束の実現を遅らせておられるのではありません。そうではなく、一人も滅びないで皆が悔い改めるようにと、あなたがたのために忍耐しておられるのです。主の日は盗人のようにやって来ます。・・・その日、天は焼け崩れ、自然界の諸要素は燃え尽き、熔け去ることでしょう。しかし私たちは、義の宿る新しい天と新しい地とを、神の約束に従って待ち望んでいるのです」。
・歴史上、社会が乱れると、「世の終わりが来た」として終末預言がされ、多くの人々が混乱の中に巻き込まれた。しかしその預言はいつもはずれた。終末がいつ来るかは人間の知るものではないからだ。
-マルコ13:32「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。父だけがご存じである」。
・それから2000年の時が流れたが、宇宙は崩壊しなかったし、人の子が再臨することも無かった。今日の教会は再臨信仰をなくしてしまった。しかしイエスはそのような私たちに「目を覚ましていなさい」と警告される。
-マルコ13:36-37「主人が突然帰って来て、あなたがたが眠っているのを見つけるかもしれない。あなたがたに言うことは、すべての人に言うのだ。目を覚ましていなさい」。
・福音はイエス・キリストの十字架と復活において終末が既に到来したことを伝える。終末はいつか来る出来事ではなく、キリストを信じ,キリストに従って生きる者は既に終末の現実を生きているのだ。
-マルコ13:30-31「はっきり言っておく。これらのことがみな起こるまでは、この時代は決して滅びない。天地は滅びるが、私の言葉は決して滅びない」。

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