今週の説教
2024年12月1日説教(マタイ1:1-17、罪びとを受け入れられる神)
1.キリストの系図の中に、四人の女性たちの名がある ・アドベント(待降節)の時を迎えています。今年のクリスマスはマタイ福音書から御言葉を聞きますが、今日はマタイ1章前半にありますイエス・キリストの系図を見ていきます。イエスがどのようにして生まれてこられたかを記す歴史です。冒頭でマタイは記します「アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図」(1:1)。ユダヤ人は救い主(メシア=油注がれた者、ギリシャ語訳キリスト)はダビデの子孫から生まれると信じていました。それ故にマタイは「イエスはダビデの子孫から生まれた」ことを証明するために、この系図を記しています。系図は男性が中核になります。「アブラハムはイサクを、イサクはヤコブを、ヤコブはユダとその兄弟を」という形で、父から子へ、子から孫へ、さらにはその子たちへと系図が展開していきます。その男系の系図の中に、四人の女性の名が出てきます。当時のユダヤは徹底した父系社会であり、系図の中に女性が登場するのはきわめて異例です。そして、ここに登場する四人の女性たちはそれぞれに暗い過去を持ちます。彼女たちは、異邦人出身とか、性的不道徳が批判されかねない ...