1.偽預言者に惑わされるな
・ヨハネの教会では、「イエスが神の子であると信じられない」人々が出て行き、残った人たちは動揺した。理解できないものは信じないのが世だ。しかし、私たちは神の子に直接出会い、言葉を聞いたとヨハネは証言する。
―?ヨハネ1:1-2「初めからあったもの、私たちが聞いたもの、目で見たもの、よく見て、手で触れたものを伝えます。すなわち、命の言について。この命は現れました。御父と共にあったが、私たちに現れたこの永遠の命を、私たちは見て、あなたがたに証しし、伝えるのです」。
・いつの時代でも、人は自分の聞きたいことを聞こうとする。都合の悪い真実は知ろうとしない。だから、偽預言者が出て「信じれば病は治る、苦しみはなくなる」と言えば、その言葉に頼っていく。
―エレミヤ 27:14-16「『バビロンの王に仕えるな』と言っている預言者たちの言葉に従ってはならない。彼らはあなたたちに偽りの預言をしているのだ。主は言われる『私は彼らを派遣していないのに、彼らは私の名を使って偽りの預言をしている。彼らに従うならば、私はあなたたちを追い払い、あなたたちとあなたたちに預言している預言者を滅ぼす。・・・主の神殿の祭具は今すぐにもバビロンから戻って来る、と預言している預言者たちの言葉に聞き従ってはならない。彼らは偽りの預言をしているのだ』」。
・しかし、偽預言者の言葉はやがて真実でないことがわかる。神の霊と悪魔の霊を見分けなさい。
―?ヨハネ4:1-3「愛する者たち、どの霊も信じるのではなく、神から出た霊かどうかを確かめなさい。偽預言者が大勢世に出て来ているからです。イエス・キリストが肉となって来られたということを公に言い表す霊は、すべて神から出たものです。このことによって、あなたがたは神の霊が分かります。イエスのことを公に言い表さない霊はすべて、神から出ていません。これは、反キリストの霊です。かねてあなたがたは、その霊がやって来ると聞いていましたが、今や既に世に来ています」。
・偽預言者は世から出る。彼らは神に頼らず、人に頼る。偽預言者に惑わされるな。
―?ヨハネ4:5-6「偽預言者たちは世に属しており、そのため、世のことを話し、世は彼らに耳を傾けます。私たちは神に属する者です。神を知る人は、私たちに耳を傾けますが、神に属していない者は、私たちに耳を傾けません。これによって、真理の霊と人を惑わす霊とを見分けることができます」。
2.神を愛するものは兄弟を愛する
・偽預言(異端)は人の欲から出る。彼らは隣人の利益ではなく、自己の利益を求める。神は愛だ、神から出る愛は自己より他者を気にかける。そこに愛があるかどうかで真偽を判別しなさい。
―?ヨハネ4:7-8「愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです」。
・私たちが正しい信仰の中にいるかどうかは、私たちが神の愛の中にあるかでわかる。私たちは御子を通して神の愛を知った。だから私たちは兄弟を愛していく。
―?ヨハネ4:9-11「神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、私たちが生きるようになるためです。ここに、神の愛が私たちの内に示されました。私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛して、私たちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。愛する者たち、神がこのように私たちを愛されたのですから、私たちも互いに愛し合うべきです」。
・人は人間関係の中に愛を求めるが、その愛は裏切られる。人は自分のために愛するのであり、相手の状況が変化すれば、その愛は消える。アダムはイブを愛したが、都合が悪くなれば一転してイブを攻撃する。
―創世記3:12「アダムは答えた『あなたが私と共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました』」。
・神の愛は現れるだけでなく、人々を生かし、人々を愛に駆り立てていく。それは好きな人だけを愛する愛ではなく、敵をも包み込む愛だ。愛はエゴを超える。
―マタイ5:46「自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか」。
・ヨハネは繰り返す「神を愛するものは兄弟を愛する。私たちが兄弟を愛さないなら私たちは神の愛の中にいない」。
―?ヨハネ4:20-21「神を愛していると言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です」。