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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2004年8月18日  ヨハネ18:15-27  大祭司の取調べ

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1.大祭司の取調べ

・捕縛されたイエスは、最初に大祭司の舅アンナスの邸に連れて行かれた。
―ヨハネ18:12-13「一隊の兵士と千人隊長、およびユダヤ人の下役たちは、イエスを捕らえて縛り、まず、アンナスのところへ連れて行った。彼が、その年の大祭司カイアファの舅だったからである。」
・アンナスは大祭司を退任していたが、退任後も彼の息子や娘婿達が大祭司職を受け継ぎ、勢力を保っていた。彼らの勢力の背景には、神殿から上がる膨大な神殿税や租税があった。イエスが神殿清めをされたことは、大祭司やその一族の勢力基盤を脅かすものだった(神殿内で売買されるものには高い関税がかかっていた)。
―ヨハネ2:15-16「イエスは縄で鞭を作り、羊や牛をすべて境内から追い出し、両替人の金をまき散らし、その台を倒し、鳩を売る者たちに言われた。『このような物はここから運び出せ。私の父の家を商売の家としてはならない』」。
・イエスは最初にアンナスの邸で、次にカヤパの邸で裁かれたが、ヨハネはこれをあまり描かず、裁判の主をピラトの裁判に置く。大祭司の裁判ではイエスを死刑にすることは既に決まっていたからである。
―ヨハネ11:47-50「祭司長たちとファリサイ派の人々は最高法院を召集して言った。『この男は多くのしるしを行っているが、どうすればよいか。このままにしておけば、皆が彼を信じるようになる。そして、ローマ人が来て、我々の神殿も国民も滅ぼしてしまうだろう』。彼らの中の一人で、その年の大祭司であったカイアファが言った。『あなたがたは何も分かっていない。 一人の人間が民の代わりに死に、国民全体が滅びないで済む方が、あなたがたに好都合だとは考えないのか』」。
・アンナスはイエスを取り調べた後、イエスをカヤパのところに送り、カヤパはこれをピラトに送った。ユダヤ人には死刑の執行権がなかったからである。イエスは捕縛後一晩中、裁きの場に立たれた。
―ヨハネ 18:24「アンナスは、イエスを縛ったまま、大祭司カイアファのもとに送った。」
―ヨハネ18:28「人々は、イエスをカイアファのところから総督官邸に連れて行った。明け方であった。」

2.ペテロの否認

・イエスが捕らえられた後、ペテロとヨハネは、イエスの後を追って、大祭司の邸にまで行ったが、門番の女中はペテロの顔を知っており、あなたもイエスの弟子ではないかと訊ね、ペテロは即座にこれを否認した。
―ヨハネ18:17「門番の女中はペトロに言った。『あなたも、あの人の弟子の一人ではありませんか』。ペトロは、『違う』と言った」。
・邸にいた人々はペテロを見て、「あなたも弟子の一人だ」とペテロに詰め寄ったが、ペテロはこれも否認した。
―ヨハネ18:25「シモン・ペトロは立って火にあたっていた。人々が、『お前もあの男の弟子の一人ではないのか』と言うと、ペトロは打ち消して、『違う』と言った。」
・イエスを捕らえるために園に行った男もいて、「あなたもいた」と問い詰めたが、ペテロは否認を続けた。
―ヨハネ18:26-27「大祭司の僕の一人で、ペトロに片方の耳を切り落とされた人の身内の者が言った。『園であの男と一緒にいるのを、私に見られたではないか』。ペトロは、再び打ち消した。するとすぐ、鶏が鳴いた。」
・ペテロはイエスのためなら命を捨てる覚悟だった(13:37)。追っ手が来た時には、イエスを守るために剣を取った(18:10)。弟子たちが逃げ去った時も、イエスの後に従って来た。このような人間的な勇気は砕かれなければならなかった。福音の光は人間の挫折を通して現れるからだ。ぺテロの涙はバプテスマの水であった。
―マルコ14:72「するとすぐ、鶏が再び鳴いた。ペトロは、『鶏が二度鳴く前に、あなたは三度私を知らないと言うだろう』とイエスが言われた言葉を思い出して、いきなり泣きだした。」
・ペテロは決定的な過ちを犯した。そのような者でも悔い改めれば赦される。ペテロはこの赦しを知った。
―ヨハネ21:17「三度目にイエスは言われた『ヨハネの子シモン、私を愛しているか』。ペトロは、イエスが三度目も『私を愛しているか』と言われたので、悲しくなった。そして言った『主よ、あなたは何もかもご存じです。私があなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます』。イエスは言われた『私の羊を飼いなさい』」。
・ペテロはこの自分の過ちを繰り返し弟子達に語ったのであろう。4福音書全てにこの物語が記載されている。過ちを赦された者は、イエスのために死ねる者となる。後にユダヤ当局に迫害された時、ペテロはこれを喜んだ。
使徒行伝5:40-41「(議員達は)使徒たちを呼び入れて鞭で打ち、イエスの名によって話してはならないと命じたうえ、釈放した。それで使徒たちは、イエスの名のために辱めを受けるほどの者にされたことを喜び、最高法院から出て行った。」

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