江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2012年5月30日祈祷会(詩編144編「私たちを救いだしてください」)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

・143編は苦しみの中の祈りの詩でしたが、144編は勝利と讃美の詩です。
−144:1-2「ダビデの詩。主をたたえよ、わたしの岩を、私の手に闘うすべを、指に戦いするすべを教えてくださる方を、私の支え、私の砦、砦の塔、私の逃れ場、私の盾、避けどころ、諸国の民を私に服従させてくださる方を。」
・地中海からもたらされた雨はイスラエル全体を潤すには足りず、北部は緑豊かで湿潤、南部が乾燥した沙漠になっています。沙漠は砂地ではなく岩地です。岩は偉大、堅固、安定の象徴です。ダビデはその岩を主にたとえ「主は私の岩」と讃えているのです。
・「私の手に闘うすべを、指に戦いするすべを教えてくださる方」は、戦さの指導者しての神を表しています。しかし、戦さは人が武力で闘うとは限りません。葦の海の奇跡で「主はモ−セに言われた。『海に向かって手を差し伸べなさい。水がエジプト軍の上に、戦車、騎兵の上に流れ返るであろう』」(出14:26-31)。これは神がモ−セにファラオの軍勢との戦い方を教えられたのです。モ−セは神の教えに従い、海に向かい手を差し伸べ、エジプト軍に勝利しました。彼は「手に闘うすべを、指に戦いするすべ」を神から教えられ信仰により勝利したのです。
−144:3-4「主よ、人間とは何ものなのでしょう。あなたがこれに親しまれるとは。人の子とは何ものなのでしょう、あなたが思いやってくださるとは。人間は息に似たもの、彼の日々は消え去る影。」
・ダビデの詩「人は永遠に生きようか。墓穴を見ずにすむであろうか。人が見ることは、知恵ある者も死に、無知な者、愚かな者と滅び、財宝を他人に遺さねばならないということ。自分の名を付けた地所を持っていても、その土の底だけが彼らのとこしえの家、代々に、彼らが住まう所。人間は栄華のうちにとどまることはできない。屠られる獣に等しい。」(詩編49:10−13)。肉体としての人間の限界をダビデは悟っていました。
−144:5-6「主よ、天を傾けて降り、山々に触れ、これに煙を上げさせてください。飛び交う稲妻、うなりを上げる矢を放ってください。」
・主がモ−セに顕れたとき、天地を揺るがす稲妻と煙を伴って、シナイ山に降られました。そのような威力ある神の顕現をダビデは望んでいるのです。
−144:7-8「高い天から御手を遣わして私を解き放ち、大水から、異邦人の手から助け出してください。彼らの口はむなしことを語り、彼らの右の手は欺きを行う右の手です。」
・右手は誓約のとき挙げる手です。しかし、異邦人の右手の誓いは偽りで、その語る言葉に真実はありません。そんな異邦人に我々は囲まれています。どうか御手の力で、彼らから解放してくださいと、ダビデは祈るのです。
−144:9-10「神よ、あなたに向かって新しい歌を歌い、十弦の琴を持ってほめ歌をうたいます。あなたは王たちを救い、僕ダビデを災いの剣から解き放ってくださいます。」
・ユダの王ヨシャハトはアモン人、モアブ人、セイルの山の住民の大軍が押し寄せてきたとき、軍の先頭に合唱隊を進ませ「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに。」と歌わせました。その戦いは、主の伏兵により、敵は敗退、勝利しました。(歴下20:20−22)
−144:11「私を解き放ち、異邦人の手から助け出してください。彼らの口はむなしいことを語り、彼らの右の手は欺きを行う右の手です。
・11節は7-8節の詩の繰り返しです。繰り返して元の詩を強調します。
−144:12-14「私たちの息子は皆、幼いときから大事に育てられた苗木。娘は皆、宮殿の飾りにも似た、いろとりどりの彫り物。私たちの倉は、さまざまな穀物で満たされている。羊の群れ野に、幾千幾万を数え、牛はすべて肥えている。私たちの都の広場には、破れも捕囚も叫び声もない。」
・12-14節は勝利に続く平和と繁栄です。ヘブル語のシャロ−ムは平和を意味し、さらに繁栄も意味します。国や民族の繁栄は後継者が育ってこそです。後を継ぐ子供らが育つのが繁栄継続の条件です。さらに幾千幾万の肥えた家畜は彼らの財産で、これが繁栄を支えます。「都の広場に破れも捕囚の叫びもない」は平和を表します。
−144:15「いかに幸いなことか、このような民は、いかに幸いなことか、このような民は、いかに幸いなことか、主を神といただく民は。」
・15節は祝福の歌です。この最後の詩、「いかに幸いなことか、主を神といただく民は。」は人の幸福の真の意味を示唆しています。エレミヤ9:22-23は主を神といただく者の幸いを述べています。「主はこう言われる。知恵ある者はその知恵を誇るな。力ある者は、その力を誇るな。冨ある者は、その冨を誇るな。むしろ、誇る者は、この事を誇るがよい、目覚めて私を知ることを。私こそこの地に慈しみと正義と恵みの業を行う事、その事を私は喜ぶ、と主は言われる。」

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