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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2009年11月26日祈祷会(エレミヤ書1章、エレミヤの召命と派遣)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.エレミヤの召命

・エレミヤの召命はヨシヤ王の13年(前626年)。北イスラエルは既に滅び、南ユダもアッシリアの支配下にあった。しかし、アッシリアも国力を失くし、胎頭してきたバビロンと、南の大国エジプトとの覇権争いの中に新しい秩序が始まる、世界史の転換期であった。エレミヤはその中にあって「神の裁きがユダに来る」と預言し、実際に国の滅亡(バビロン捕囚)を見る。愛する祖国を救うために立たされ、最終的には祖国滅亡を見た悲哀の預言者だ。
-エレミヤ1:1-3「エレミヤの言葉。彼はベニヤミンの地のアナトトの祭司ヒルキヤの子であった。主の言葉が彼に臨んだのは、ユダの王、アモンの子ヨシヤの時代、その治世の第十三年のことであり、更にユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムの時代にも臨み、ユダの王、ヨシヤの子ゼデキヤの治世の第十一年の終わり、すなわち、その年の五月に、エルサレムの住民が捕囚となるまで続いた」。
・預言者は前8世紀と前6世紀に集中的に現れる。前8世紀は北イスラエル王国がアッシリアに滅ぼされた時(前721年)であり、前6世紀は南ユダ王国がバビロンに滅ぼされた時(前587年)だ。国が滅びる時は国が病巣を抱えている時であり、その病巣を告発するために預言者が立つ。しかし病巣が薬を排除するように、預言者は指導者や民から嫌われ、排斥される。イエスご自身も預言者は迫害されると言われた。エレミヤの生涯も迫害の生涯だった。
-マタイ5:11-12「私のためにののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである」。
・エレミヤは召命された時、「自分はそれにふさわしくない」と断った。まだ20代の若者だったからである。
-エレミヤ1:4-6「主の言葉が私に臨んだ『私はあなたを母の胎内に造る前から、あなたを知っていた。母の胎から生まれる前に、私はあなたを聖別し、諸国民の預言者として立てた』。私は言った『ああ、わが主なる神よ、私は語る言葉を知りません。私は若者にすぎませんから』」。
・しかし主はエレミヤに職責を与える。モーセも召命の時に「自分は口が重い」と最初は断っている(出エジプト記4:10)。パウロも弁が立つほうではなかった(?コリ10:10)。主の選びは人の基準とは異なる。
-エレミヤ1:7-8「若者にすぎないと言ってはならない。私があなたを、だれのところへ遣わそうとも、行って、私が命じることをすべて語れ。彼らを恐れるな。私があなたと共にいて、必ず救い出す」。
・主はエレミヤを預言者に任ぜられる。それは、「諸国を壊し、建て、抜き、植える」ためである。再建に先立ってユダは壊されなければならない。エレミヤは自国の滅亡を預言するように命じられる。
-エレミヤ1:9-10「見よ、私はあなたの口に、私の言葉を授ける。見よ、今日、あなたに諸国民、諸王国に対する権威をゆだねる。抜き、壊し、滅ぼし、破壊し、あるいは建て、植えるために」

2.エレミヤに与えられた幻と委託

・亡国の預言者になれとの主の命にエレミヤは苦闘する。そのエレミヤに主は二つの幻を見させる。最初の幻はアーモンドの幻であった。アーモンド=目覚めの木と言われ、春一番に花が咲く。そのように私も目覚めて国の行く末を見守ると主は言われた。
-エレミヤ1:11-12「主の言葉が私に臨んだ『エレミヤよ、何が見えるか』。私は答えた『アーモンド(シャーケード)の枝が見えます』。主は私に言われた『あなたの見るとおりだ。私は、私の言葉を成し遂げようと見張っている(ショーケード)』」。
・二番目は煮えたぎる鍋が北からこちらへ傾く幻であった。不信のユダを裁くための北からの軍勢が押し寄せてくる。それは主の招きによる外国の軍勢であった。この幻はやがてバビロン軍によるエルサレム制圧として実現する。
-エレミヤ1:13-14「主の言葉が再び私に臨んで言われた『何が見えるか』。私は答えた『煮えたぎる鍋が見えます。北からこちらへ傾いています』。主は私に言われた『北から災いが襲いかかる、この地に住む者すべてに。北のすべての民とすべての国に、私は今、呼びかける』と主は言われる」。
・ユダの犯した罪は偶像礼拝だった。アッシリアの支配下で人々は異教の神を拝み、聖所では淫行が行われ、幼児犠牲が捧げられた。偶像崇拝とは人の造った像を拝むことで、それは自分を神とすること、全ての罪はそこから生まれる。現世利益を求める宗教は神を自己の欲望充足の手段とすることであり、偶像礼拝に他ならない。
-エレミヤ1:16「私は、わが民の甚だしい悪に対して、裁きを告げる。彼らは私を捨て、他の神々に香をたき、手で造ったものの前にひれ伏した」。
・エレミヤは指導者や民から迫害されるだろうが、私が守ると主は言われて、エレミヤは預言者として立たされた。
-エレミヤ1:19「彼らはあなたに戦いを挑むが勝つことはできない。私があなたと共にいて救い出すと主は言われた」。

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