江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2008年1月9日祈祷会(列王記上21章、だれが本当の支配者か)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.民を殺して土地を奪った王の罪

・北王国のアハブ王は北部イズレエルに離宮を持っていた。隣には、イズレエル人ナボトのぶどう園があった。アハブ王はエジプト式の菜園を持ちたいと思い、ナボトに土地を売るよう求めるが、ナボトはこれを拒否する。
−?列王記21:1-3「ナボトは、イズレエルにぶどう畑を持っていた。畑はサマリア王アハブの宮殿のそばにあった。アハブはナボトに話を持ちかけた『お前のぶどう畑を譲ってくれ。私の宮殿のすぐ隣にあるので、それを私の菜園にしたい。お前にはもっと良いぶどう畑を与えよう。望むならそれに相当する代金を銀で支払ってもよい』。ナボトはアハブに、『先祖から伝わる嗣業の土地を譲ることなど、主にかけて私にはできません』と言った」。
・イスラエルでは、土地は神のものであり、人はそれを神から貸与される。故に売買は原則禁止されていた。
−レビ記25:23「土地を売らねばならない時にも、土地を買い戻す権利を放棄してはならない。土地は私のものであり、あなたたちは私の土地に寄留し、滞在する者にすぎない」。
・アハブの申し立ては不当なものではない。また、ナボトの拒否もイスラエルでは当然だった。しかし、専制国家フェニキアから来た王妃イゼベルには理解できなかった。彼女は言う「あなたは王ではないか」。
−?列王記21:6-7「彼は妻に語った『イズレエルの人ナボトに、彼のぶどう畑を私に・・・譲ってくれと申し入れたが、畑は譲れないと言うのだ』。妻のイゼベルは王に言った『今イスラエルを支配しているのはあなたです。起きて食事をし、元気を出してください。私がイズレエルの人ナボトのぶどう畑を手に入れてあげましょう』」。
・イゼベルはイズレエルの長老に指示し、「ナボトが神と王を呪った」として、石で打ち殺せと命じる。
−?列王記21:8-10「イゼベルはアハブの名で手紙を書き、アハブの印を押して封をし、その手紙をナボトのいる町に住む長老と貴族に送った・・・『断食を布告し、ナボトを民の最前列に座らせよ。ならず者を二人彼に向かって座らせ、ナボトが神と王とを呪った、と証言させよ。こうしてナボトを引き出し、石で打ち殺せ』」。
・長老たちはイゼベルを恐れ、指示通りナボトを処刑した。こうして、アハブはナボトのぶどう園を手に入れた。
−?列王記21:15-16「イゼベルはナボトが石で打ち殺されたと聞くと、アハブに言った『イズレエルの人ナボトが、銀と引き換えにあなたに譲るのを拒んだあのぶどう畑を、直ちに自分のものにしてください。ナボトはもう生きていません。死んだのです』」。

2.王の罪を告発する預言者

・この不正に神は怒られる。ダビデの罪に対して預言者ナタンが起こされ、罪を糾弾したように、アハブの不正に対しては、預言者エリヤが立てられる。
−?列王記21:17-19「主の言葉がティシュベ人エリヤに臨んだ『直ちに下って行き、サマリアに住むイスラエルの王アハブに会え。彼はナボトのぶどう畑を自分のものにしようと下って来て、そこにいる。彼に告げよ“主はこう言われる。あなたは人を殺したうえに、その人の所有物を自分のものにしようとするのか”。また彼に告げよ“主はこう言われる。犬の群れがナボトの血をなめたその場所で、あなたの血を犬の群れがなめることになる”』」
・エリヤはアハブ王の前に行き、主の怒りを告げる。この呪いはやがて実現する(列王記上22章、下9章)。
−?列王記21:20-24「エリヤは答えた『あなたは自分を売り渡して主の目に悪とされることに身をゆだねた。“見よ、私はあなたに災いをくだし、あなたの子孫を除き去る。イスラエルにおいてアハブに属する男子を・・・すべて絶ち滅ぼす”。主はイゼベルにもこう告げられる“イゼベルはイズレエルの塁壁の中で犬の群れの餌食になる。アハブに属する者は、町で死ねば犬に食われ、野で死ねば空の鳥の餌食になる”』」
・人に犯した罪は、神に犯した罪だ。過ちを犯したダビデも「主よ、あなたに対して罪を犯しました」といって悔改めた。ダビデはウリヤではなく、またバテシバでもなく、神の前に膝まづいた。「この小さき者の一人にしたことは私にしたことである」(マタイ25:40)とイエスも言われた。
−詩篇51:1-6「神よ、私を憐れんでください。御慈しみをもって。深い御憐れみをもって、背きの罪をぬぐってください・・・あなたに背いたことを私は知っています。・・・あなたに、あなたのみに私は罪を犯し、御目に悪事と見られることをしました。あなたの言われることは正しくあなたの裁きに誤りはありません」。
・人が何を信じるかが、その人の生き方を変え、社会構造さえも変える。バアル=偶像神を信じるとは、人間に絶対性を与え、王が神となり、国家は専制化する。神に絶対性を持つ時、王は神の代理人として民に仕える者となる(ローマ13:1−5参照)。民が王を求めた時に、神はサムエルに、「彼らは私を拒否しているのだ」と言われた。
−?サムエル8:7「主はサムエルに言われた『民があなたに言うままに、彼らの声に従うがよい。彼らが退けたのはあなたではない。彼らの上に私が王として君臨することを退けているのだ』」。

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