江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2008年2月27日祈祷会(使徒言行録24章、神と共にある良心)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.ローマ総督の前での弁明〜良心とは何か

・エルサレムでパウロを保護した守備隊長は、パウロ暗殺計画を知り、パウロをカイザリアのローマ総督の元に送った。こうしてローマ総督フェリクスの前で、パウロの裁判が始まる。大祭司はパウロを騒乱罪で告発する。
-使徒言行録24:5-8「実は、この男は疫病のような人間で、世界中のユダヤ人の間に騒動を引き起こしている者、『ナザレ人の分派』の主謀者であります。この男は神殿さえも汚そうとしましたので逮捕いたしました。そして、私どもの律法によって裁こうとしたところ、千人隊長リシアがやって来て、この男を無理やり私どもの手から引き離し、告発人たちには、閣下のところに来るようにと命じました。閣下御自身でこの者をお調べくだされば、私どもの告発したことがすべてお分かりになるかと存じます」。
・大祭司の告発は根拠のないものだった。パウロの弁明は、ローマの法律に反することはしていないという点が中心になっている。使徒言行録は一貫して、キリストの教えが騒乱をもたらすものではないという主張を述べる。
-使徒言行録24:11-19「私が礼拝のためエルサレムに上ってから、まだ十二日しか経っていません。神殿でも会堂でも町の中でも、この私がだれかと論争したり、群衆を扇動したりするのを、だれも見た者はおりません。・・・私は、同胞に救援金を渡すため、また、供え物を献げるために、何年ぶりかで戻って来ました。私が清めの式にあずかってから、神殿で供え物を献げているところを、人に見られたのですが、別に群衆もいませんし、騒動もありませんでした。ただ、アジア州から来た数人のユダヤ人はいました。もし、私を訴えるべき理由があるというのであれば、この人たちこそ閣下のところに出頭して告発すべきだったのです」。
・パウロは自分が助かるために弁明するのではなく、良心に従って弁明する。彼は自己の信仰が伝統的なユダヤ教に立つのではなく、ナザレ派と呼ばれる信仰に立つことを、総督の前に隠さない。弁明とは弁証、伝道なのだ。
-使徒言行録24:14-16「私は、彼らが『分派』と呼んでいるこの道に従って、先祖の神を礼拝し、また、律法に則したことと預言者の書に書いてあることを、ことごとく信じています。更に、正しい者も正しくない者もやがて復活するという希望を、神に対して抱いています。この希望は、この人たち自身も同じように抱いております。こういうわけで私は、神に対しても人に対しても、責められることのない良心を絶えず保つように努めています」。

2.カイザリアでの幽閉と獄中書簡

・この良心はギリシア語συνείδησις、英語ではconscienceとなる。con=共に、science=知ることである。良心とは、自己を超えた者と共に知ることだ。それゆえにこの良心を持つ者は、人の前に恐れることがない。
-マタイ10:18-20「私のために総督や王の前に引き出されて、彼らや異邦人に証しをすることになる。引き渡されたときは、何をどう言おうかと心配してはならない。そのときには、言うべきことは教えられる。実は、話すのはあなたがたではなく、あなたがたの中で語ってくださる、父の霊である」。
・真理も同じだ。真理が人間の考えの中にある時、その真理は人を独善に導くが、神が共におられる時、真理は客観性を持つ。神を信じるかどうかは、私たちの生き方を根本から変える出来事なのだ。
-ヨハネ8:31-32「私の言葉にとどまるならば、あなたたちは本当に私の弟子である。あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする」。
・この良心により、パウロをフェリクスの不倫行為を告発する。フェリクスの妻ドルシラはヘロデ・アグリッパの娘で結婚していたが、フェリクスはドルシラを無理に離婚させ、自分の妻としていた。良心は不正を告発する。
-使徒言行録24:24-25「数日の後、フェリクスはユダヤ人である妻のドルシラと一緒に来て、パウロを呼び出し、キリスト・イエスへの信仰について話を聞いた。しかし、パウロが正義や節制や来るべき裁きについて話すと、フェリクスは恐ろしくなり、『今回はこれで帰ってよろしい。また適当な機会に呼び出すことにする』と言った」。
・バプテスマのヨハネは、ヘロデ・アンティパスが兄弟の妻ヘロデヤを娶ったことを批判しために処刑された(マルコ6:17-19)。パウロもまた総督の不道徳を批判したために、カイザリアで更に2年間幽閉される。
-使徒言行録24:27「さて、二年たって、フェリクスの後任者としてポルキウス・フェストゥスが赴任したが、フェリクスは、ユダヤ人に気に入られようとして、パウロを監禁したままにしておいた」。
・パウロは獄中から、エペソ、ピリピ、コロサイ、ピレモンの四つの書簡を書いている(獄中書簡)。パウロがどこから書いたかは不明だが、カイザリア説も有力である。これまで多忙な伝道生活をしてきたパウロに考察の時があたえられ、パウロはこれを機会として用いたのであろう。投獄さえも信仰者には恵みとなる。
-エペソ4:1「主の囚人である私はあなたがたに勧めます。召されたあなたがたは、その召しにふさわしく歩みなさい」。

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