1.千年王国
・バビロンは滅び、悪魔は裁かれ、1000年の間、牢に閉じ込められるとヨハネは言う。
―黙示録20:1-3「私はまた、一人の天使が、底なしの淵の鍵と大きな鎖とを手にして、天から降って来るのを見た。この天使は、悪魔でもサタンでもある、年を経たあの蛇、つまり竜を取り押さえ、千年の間縛っておき、底なしの淵に投げ入れ、鍵をかけ、その上に封印を施して、千年が終わるまで、もうそれ以上、諸国の民を惑わさないようにした。その後で、竜はしばらくの間、解放されるはずである」。
・その時、殉教者たちが復活し、1000年の間、キリストと共に統治する。
―黙示録20:4-6「私はまた、多くの座を見た。その上には座っている者たちがおり、彼らには裁くことが許されていた。私はまた、イエスの証しと神の言葉のために、首をはねられた者たちの魂を見た。この者たちは、あの獣もその像も拝まず、額や手に獣の刻印を受けなかった。彼らは生き返って、キリストと共に千年の間統治した。その他の死者は、千年たつまで生き返らなかった。これが第一の復活である。第一の復活にあずかる者は、幸いな者、聖なる者である。この者たちに対して、第二の死は何の力もない。彼らは神とキリストの祭司となって、千年の間キリストと共に統治する」。
・千年王国の背景には、激しい迫害の中で、多くの信徒たちが殺されていくという現実があった。神はヨハネに、殉教者たちの死は決して無駄ではないと幻を示された。本当に恐れるべきものは体の死ではなく、魂の死である。
―マタイ10:28「体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい」。
・歴史上、この千年王国の教説は、大飢饉やペスト、戦争、革命等の社会不安の中で読まれてきた。出口のない社会の根本的変革と救済を望むユートピア願望である。アウグスチヌスはこの千年王国は今実現していると教える。
―アウグスチヌス「神の国」=教会の聖徒たちは地上で戦う兵士であり、召天した人々は現在キリストと共に世を支配している。この意味で、私たちは現在、千年王国の只中に生きているのである」
・今日、千年王国の教説を「救いのしるし」として強調するのは、モルモン教、エホバの証人等の教派である。異端としての迫害された歴史の中で、黙示録を読んできたためと思われる。
2.最後の審判
・千年は私たちにとっては長いが、神の目から見れば千年もまた一瞬だ(詩篇90:4、?ペテロ3:8)。千年王国が終わると、サタンが再び解放され、神の軍勢と戦いを挑む。悪の力は世の終わりまで滅びない。ヨハネは冷静だ。
―黙示録20:7-9「この千年が終わると、サタンはその牢から解放され、地上の四方にいる諸国の民、ゴグとマゴグを惑わそうとして出て行き、彼らを集めて戦わせようとする。・・・彼らは地上の広い場所に攻め上って行って、聖なる者たちの陣営と、愛された都とを囲んだ。すると、天から火が下って来て、彼らを焼き尽くした」。
・最後の審きの時が来た。人は全て復活し、神の御前に立たされ、行いに応じて裁かれる。
―黙示録20:11-12「私はまた、大きな白い玉座と、そこに座っておられる方とを見た。天も地も、その御前から逃げて行き、行方が分からなくなった。私はまた、死者たちが、大きな者も小さな者も、玉座の前に立っているのを見た。幾つかの書物が開かれたが、もう一つの書物も開かれた。それは命の書である。死者たちは、これらの書物に書かれていることに基づき、彼らの行いに応じて裁かれた」。
・死者たちは復活し、命の書に名前を記されていない者たちは永遠に滅ぼされる。
―黙示録20:13-14「海は、その中にいた死者を外に出した。死と陰府も、その中にいた死者を出し、彼らはそれぞれ自分の行いに応じて裁かれた。死も陰府も火の池に投げ込まれた。この火の池が第二の死である」。
・最後の審きがどのようなものか、私たちには知ることが許されていない。誰が命の書に名前を記されているかも知らない。ただ、私たちが人生の総決算をここでしなければいけないことは事実である。しかし安心してよい。裁かれるのはキリストである。
―マタイ25:31-33「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、羊を右に、山羊を左に置く。そこで、王は右側にいる人たちに言う『さあ、私の父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。お前たちは、私が飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。・・・私の兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、私にしてくれたことなのである』」。