江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2007年7月4日祈祷会(ヨハネ黙示録13章、国家が悪魔化した時)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.二匹の獣(ローマ皇帝とその追随者)

・キリストの誕生を阻止できなかった竜は、海辺に立ち、配下となる獣を呼び出す。獣には十の角と七つの頭があった。獣はローマ帝国だ。それは地中海を制し、七つの丘を持つローマに立てられた。
―黙示録13:1-2「私はまた、一匹の獣が海の中から上って来るのを見た。これには十本の角と七つの頭があった。それらの角には十の王冠があり、頭には神を冒涜するさまざまの名が記されていた。私が見たこの獣は、豹に似ており、足は熊の足のようで、口は獅子の口のようであった。竜はこの獣に、自分の力と王座と大きな権威とを与えた」。
・ローマ皇帝は自分を「主」、「救い主」と呼ばせた。ローマに権力を与えたのは竜である。獣の頭の一つは傷ついて死んだと思われたが、復活し、人々はその力に驚き、獣を拝んだ。68年に死んだ皇帝ネロの復活伝説が背景にある。
―黙示録13:3-4「この獣の頭の一つが傷つけられて、死んだと思われたが、この致命的な傷も治ってしまった。そこで、全地は驚いてこの獣に服従した。竜が自分の権威をこの獣に与えたので、人々は竜を拝んだ。人々はまた、この獣をも拝んでこう言った「だれが、この獣と肩を並べることができようか。だれが、この獣と戦うことができようか」。
・獣は三年半の間、地上を支配する力が与えられた。地上の人々は獣を拝んだが、神の刻印を刻まれた者は拝むことを拒否し、迫害されていった。
―黙示録13:5-8「獣にはまた、大言と冒涜の言葉を吐く口が与えられ、四十二か月の間、活動する権威が与えられた。そこで、獣は口を開いて神を冒涜し、神の名と神の幕屋、天に住む者たちを冒涜した。獣は聖なる者たちと戦い、これに勝つことが許され、また、あらゆる種族、民族、言葉の違う民、国民を支配する権威が与えられた。地上に住む者で、天地創造の時から、屠られた小羊の命の書にその名が記されていない者たちは皆、この獣を拝むであろう」。
・三年半、キリスト教徒に対する迫害は続くであろう。キリスト教徒は捕らえられ、殺されていくであろう。しかし、それが御心であれば殺されていけ。あなた方の死は無駄にならないとヨハネは教会の群れに呼びかける。
―黙示録13:9-10「耳ある者は、聞け。捕らわれるべき者は、捕らわれて行く。剣で殺されるべき者は、剣で殺される。ここに、聖なる者たちの忍耐と信仰が必要である」。

2.国家と教会

・海から出た獣の後を追って、第二の獣が地中から出てきた。この獣はしるしを行い、第一の獣を拝ませるように、人々を扇動していく。皇帝礼拝の手先となって活動した祭司や預言者を指すのであろう。日本でも、天皇を拝まないものを検察や特高が治安維持法を武器に捕らえ、収監していった。
―黙示録13:11-13「もう一匹の獣が地中から上って来るのを見た。この獣は、小羊の角に似た二本の角があって、竜のようにものを言っていた。この獣は、先の獣が持っていた全ての権力をその獣の前で振るい、地とそこに住む人々に、致命的な傷が治ったあの先の獣を拝ませた。大きなしるしを行って、人々の前で天から地上へ火を降らせた」。
・第二の獣は第一の獣の像を造り、これを拝ませ、拝まない者を殺した。戦前の日本が天皇のご真影を拝むことを強要し、教育勅語への敬礼を求め、各地に護国神社を造営してこれを拝ませたのと酷似している。
―黙示録13:14-15「先の獣の前で行うことを許されたしるしによって、地上に住む人々を惑わせ、また、剣で傷を負ったがなお生きている先の獣の像を造るように、地上に住む人に命じた。第二の獣は、獣の像に息を吹き込むことを許されて、獣の像がものを言うことさえできるようにし、獣の像を拝もうとしない者があれば、皆殺しにさせた」。
・この獣の名前は666といわれる。当時のアルファベットはそれぞれ数字の代用であり、NERON QESAR(皇帝ネロ)をあわせると666になる。ネロとその後継であるローマ皇帝こそ、獣の正体であるとヨハネは言う。
―黙示録13:18「ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である」。
・黙示録13章はローマ13章と並んで、国家と教会を考える手がかりにされてきた。私たちの国家に対する考え方の基本は、パウロが言うように、「国家は神の秩序であり、信仰者はこれに従う」ことが基本である。
―ローマ13:1-2「人は皆、上に立つ権威に従うべきです。神に由来しない権威はなく、今ある権威はすべて神によって立てられたものだからです。従って、権威に逆らう者は、神の定めに背くことになり、背く者は自分の身に裁きを招くでしょう」。
・しかし、黙示録が描くように、国家が悪魔化する時もある。その時は国家のあり方を問いただすべきである。
―使徒言行録5:29「ペトロとほかの使徒たちは答えた『人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません』」。
・今がどういう時代か、その見極めが必要であろう。教会は政治活動はしない。しかし、必要な時もあろう。
―イザヤ1:17「善を行うことを学び、裁きをどこまでも実行して、搾取する者を懲らし、孤児の権利を守り、やもめの訴えを弁護せよ」。

-

Copyright© 日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.