江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2007年12月19日 使徒言行録15章 教会はどのように議論するのか

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1.割礼をめぐる教会内の対立

・アンティオキア教会が中心になって異邦人伝道が為されたが、エルサレム教会は、異邦人は洗礼だけでなく割礼をも受けるべきだと主張し、教会間に対立が生じ、問題を協議するためにパウロたちはエルサレムに上った。
−使徒言行録15:1-2「ある人々がユダヤから下って来て『モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない』と兄弟たちに教えていた。それで、パウロやバルナバとその人たちとの間に、激しい意見の対立と論争が生じた。この件について使徒や長老たちと協議するために、パウロとバルナバ、そのほか数名の者がエルサレムへ上ることに決まった」。
・エルサレム教会は異邦人伝道には賛成していたが、異邦人も割礼を受けないと救われないと言う立場だった(創世記15:9-14)。教会の強硬姿勢はペテロにも無割礼の異邦人とは食事の席を同じくしない等の問題を生んでいた。
−ガラテヤ2:11-12「ケファがアンティオキアに来たとき、非難すべきところがあったので、私は面と向かって反対しました。なぜなら、ケファは、ヤコブのもとからある人々が来るまでは、異邦人と一緒に食事をしていたのに、彼らがやって来ると、割礼を受けている者たちを恐れてしり込みし、身を引こうとしだしたからです」。
・パウロはエルサレムで異邦人伝道の成果について報告したが、保守派の人々はあくまでも割礼にこだわった。
−使徒言行録15: 5「ファリサイ派から信者になった人が数名立って、『異邦人にも割礼を受けさせて、モーセの律法を守るように命じるべきだ』と言った」。
・その時、ペテロが立ち、「私たちも負いきれなかった律法の軛を異邦人に負わせるのはやめよう」とのベる。10年前のローマ軍人コルネリウスの回心・洗礼の出来事を彼は思い出している(使徒言行録10:47参照)。
−使徒言行録15:8-10「人の心をお見通しになる神は、私たちに与えてくださったように異邦人にも聖霊を与えて、彼らをも受け入れられたことを証明なさったのです。また、彼らの心を信仰によって清め、私たちと彼らとの間に何の差別をもなさいませんでした。それなのに、なぜ今あなたがたは、先祖も私たちも負いきれなかった軛を、あの弟子たちの首に懸けて、神を試みようとするのですか」。
・教会の指導者ヤコブもペテロに同調したため、異邦人に割礼を強制しない方向で会議の結論が出た。
−使徒言行録15:19-20「私はこう判断します。神に立ち帰る異邦人を悩ませてはなりません。ただ、偶像に供えて汚れた肉と、みだらな行いと、絞め殺した動物の肉と、血とを避けるようにと、手紙を書くべきです」。

2.問題の解決と教会の一致

・ここに教会はその議論をどのようになすべきかのモデルがある。
−教会内で意見の相違があるのは当然だが、その相違を教会は御言葉と祈りで解決していく。多数決は望ましい解決法ではない。多数決は少数者を分派に追い込み、やがて教会を分裂させる。それは主の御心ではない。
−教会は指導者の声に耳を傾けるべきだ。指導者は管理するためではなく、導くために神により立てられている。
・私たちは律法について考える必要がある。イエスは律法を廃するためではなく完成するために来られた。律法(倫理)そのものは信徒の生きる指針として必要である。ただそれが律法主義となって強制される時、悪になる。
−マタイ23:2-3「律法学者たちやファリサイ派の人々は、モーセの座に着いている。だから、彼らが言うことは、すべて行いまた守りなさい。しかし、彼らの行いは、見倣ってはならない。言うだけで、実行しないからである」。
・ヤコブの提案にそって、今後の異邦人伝道についての指針が手紙に書かれ,アンティオキア教会へ送られた。
−使徒言行録15:30-31「彼ら一同は見送りを受けて出発し、アンティオキアに到着すると、信者全体を集めて手紙を手渡した。彼らはそれを読み、励ましに満ちた決定を知って喜んだ」。
・パウロは使徒会議の結論を伝える手紙を持って、異邦人諸教会を訪問することをバルナバと相談する。しかし、マルコのことで二人の意見は合致せず、両者は別行動をとって宣教旅行に出かけることになった。
使徒言行録15:36-39「数日の後、パウロはバルナバに言った『さあ、前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町へもう一度行って兄弟たちを訪問し、どのようにしているかを見て来ようではないか』。バルナバは、マルコと呼ばれるヨハネも連れて行きたいと思った。しかしパウロは、前にパンフィリア州で自分たちから離れ、宣教に一緒に行かなかったような者は、連れて行くべきでないと考えた。そこで、意見が激しく衝突し、彼らはついに別行動をとるようになって、バルナバはマルコを連れてキプロス島へ向かって船出した」。
・教会の指導者の争いがここにある。しかし私たちは失望することはない。この争いを通じて、一つではなく、二つの宣教が異邦人に向かう。またこのマルコが鍛えられ、やがて最初の福音書記者となっていく。
−創世記50:20「あなたがたは私に悪をたくらみましたが、神はそれを善に変え、多くの民の命を救うために、今日のようにしてくださったのです」。

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