江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2007年10月31日 使徒言行録8章 ピリポの異邦人伝道

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1.ピリポのサマリア伝道

・ステパノの殉教を機に、エルサレム教会に対する迫害が起こり、信徒たちはユダヤ各地やサマリア地方に散らされていった。散らされた人々はその場所で福音を述べ始め、福音がエルサレムの外に押し出されていった。
−使徒言行録 8:1-5「その日、エルサレムの教会に対して大迫害が起こり、使徒たちのほかは皆、ユダヤとサマリアの地方に散って行った。・・・さて、散って行った人々は、福音を告げ知らせながら巡り歩いた。フィリポはサマリアの町に下って、人々にキリストを宣べ伝えた」。
・ピリポはサマリアで人々に福音を伝えた。当時のユダヤ人はサマリア人とは交際しなかった(ヨハネ4:9)が、ピリポは聖霊の働きにより民族の確執を乗り越えた。彼はいやしや不思議な業を通して人々の回心を導き、多くの者がバブテスマを受けた。その中には魔術を売り物にしていたシモンもいた。
−使徒言行録8:9-13「この町に以前からシモンという人がいて、魔術を使ってサマリアの人々を驚かせ、偉大な人物と自称していた。・・・フィリポが神の国とイエス・キリストの名について福音を告げ知らせるのを人々は信じ、男も女も洗礼を受けた。シモン自身も信じて洗礼を受け、いつもフィリポにつき従い、すばらしいしるしと奇跡が行われるのを見て驚いていた」。
・シモンはピリポの業を見て、自分も洗礼を受ければその魔術ができるようになるとの思惑から受洗したのであろう。その後、ペテロがサマリアに来た時、彼はペテロの持っている権能を自分に売ってほしいと願っている。
−使徒言行録8:18「シモンは、使徒たちが手を置くことで、“霊”が与えられるのを見、金を持って来て、言った『私が手を置けば、だれでも聖霊が受けられるように、私にもその力を授けてください』」。
・シモンにとっていやしは生計の手段だった。後日、聖職売買が彼の名をとって「simony」と呼ばれるようになる。教会がお金や名声を求め始めたとき、教会もまたシモン主義になっていく。
−使徒言行録8:20「ペトロは言った『この金は、お前と一緒に滅びてしまうがよい。神の賜物を金で手に入れられると思っているからだ』」。

2.エチオピア人の回心

・ピリポは次に「ガザに下る道に行け」との示しを受ける。そこはさびしい道であったが、ピリポは何も問わずに出かける。どこが伝道の適地かを判断するのは、私たちではなく神である。江戸川区もまた伝道の適地である。
−使徒言行録8:26-27「主の天使はフィリポに『ここをたって南に向かい、エルサレムからガザへ下る道に行け』と言った。そこは寂しい道である。フィリポはすぐ出かけて行った」。
・そこにエルサレム巡礼を終えて、国に帰るエチオピアの高官が通りかかった。彼はイザヤ書を読んでいたが、その内容がわからずにいた。聖書は解き明かしを必要とする書だ。だから、共に読むことを必要とする。
−使徒言行録8:27-31「折から、エチオピアの女王カンダケの高官で、女王の全財産の管理をしていたエチオピア人の宦官が、エルサレムに礼拝に来て、帰る途中であった。彼は、馬車に乗って預言者イザヤの書を朗読していた。・・・ フィリポが走り寄ると、預言者イザヤの書を朗読しているのが聞こえたので、『読んでいることがお分かりになりますか』と言った。宦官は、『手引きしてくれる人がなければ、どうして分かりましょう』と言い、馬車に乗ってそばに座るようにフィリポに頼んだ」。
・彼が朗読していたのはイザヤ53章「主の僕」の記事だった。ピリポはその主の僕こそ、十字架に死なれたイエスであることを解き明かし、高官はそれを信じ、その場でバブテスマを受けた。
−使徒言行録8:34-38「宦官はフィリポに言った『どうぞ教えてください。預言者は、だれについてこう言っているのでしょうか。自分についてですか。だれかほかの人についてですか』。そこで、フィリポは口を開き、聖書のこの個所から説きおこして、イエスについて福音を告げ知らせた。道を進んで行くうちに、彼らは水のある所に来た。宦官は言った『ここに水があります。洗礼を受けるのに、何か妨げがあるでしょうか』。フィリポが、「真心から信じておられるなら、差し支えありません」と言うと、宦官は、「イエス・キリストは神の子であると信じます」と答えた。・・・フィリポと宦官は二人とも水の中に入って行き、フィリポは宦官に洗礼を授けた」。
・何故、このエチオピア人はピリポの説明でこんなにも簡単に信じたのだろうか。彼は宦官であり、ユダヤ教では会衆からは除外されていた(申命記23:2)。その除外に対して「宦官もまた神の愛の中にある」と述べたのはイザヤであった(イザヤ書56:3-5)。だから彼はイザヤ書を熱心に読み、イザヤが指し示す預言者がキリストであることを知り、キリストを救い主として受けいれた。彼は熱心に求めたゆえに与えられたのだ。

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