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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2020年12月31日祈祷会(詩編33編、希望の神への賛歌)

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1.創造し、支配される神への賛歌

 

・詩編33編は天地を創造し、支配される神への賛歌である。偶像礼拝の神々に囲まれた中で、イスラエルの詩人は主を賛美する。主は常に「新しい恵み」を下さるから、「新しい歌」で応答すると詩人は歌う。

-詩編33:1-3「主に従う人よ、主によって喜び歌え。主を賛美することは正しい人にふさわしい。琴を奏でて主に感謝をささげ、十弦の琴を奏でてほめ歌をうたえ。新しい歌を主に向かって歌い、美しい調べと共に喜びの叫びをあげよ」。

・主は言葉によって天地を創造された。「光あれ」といわれると光が創造され、「水を分けよ」といわれると、大海の水はせき止められ、深淵の水も天の倉に納められる。天地は神の言葉によって造られ、かつ保持されている。

-詩編33:4-7「主の御言葉は正しく、御業はすべて真実。主は恵みの業と裁きを愛し、地は主の慈しみに満ちている。御言葉によって天は造られ、主の口の息吹によって天の万象は造られた。主は大海の水をせき止め、深淵の水を倉に納められた」。

・創造の神はまた、歴史を支配される神である。小国イスラエルは常に大国エジプトやアッシリアに支配されてきた。いかなる強国も時が来ると滅ぶが、その中で小国イスラエルのみ数千の歴史を生き残った。

-詩編33:8-12「全地は主を畏れ、世界に住むものは皆、主におののく。主が仰せになると、そのように成り、主が命じられると、そのように立つ。主は国々の計らいを砕き、諸国の民の企てを挫かれる。主の企てはとこしえに立ち、御心の計らいは代々に続く。いかに幸いなことか、主を神とする国、主が嗣業として選ばれた民は」。

・だから詩人は歌う「勝利は兵の数でもなく、馬の数でもない。勝利をもたらされるのは主である」と。

-詩編33:16-17「王の勝利は兵の数によらず、勇士を救うのも力の強さではない。馬は勝利をもたらすものとはならず、兵の数によって救われるのでもない」。

・預言者イザヤも人ではなく、主に拠り頼めと繰り返すが、人は軍備に頼ってその安全を保とうとする。

-イザヤ31:1「災いだ、助けを求めてエジプトに下り、馬を支えとする者は。彼らは戦車の数が多く、騎兵の数がおびただしいことを頼りとし、イスラエルの聖なる方を仰がず、主を尋ね求めようとしない」。

・天地を支配し、歴史を導かれる神の本質をイスラエルが知ったのは、出エジプトの経験を通してであった。聖書古代史を専攻するカトリック司祭・和田幹男氏は述べる。

-「出エジプトの出来事は世界史的には規模の小さい出来事であったが、これを体験したヘブライ人の集団とその子孫にとっては忘れられない大きな出来事であった。人間的には不可能に見えた脱出に成功し、そこに彼らは自分たちの先祖の神、主の特別の御業を見た。この歴史上の実際の体験を通じて、彼らはその神が如何なるものであるかをも知り、全く新しい神認識に至った。出エジプト体験以前には、ヘブライ人たちは、近隣の諸民族がその神々を考えるのと同じように、守護神とか、豊饒多産をもたらす神とか、神話で語られる神々の一つと見ていた。しかし、ヘブライ人は出エジプトという救いの歴史的な出来事を事実として体験し、自分たちの神は実際の歴史的な出来事に関わってくださるお方だという認識を得るにいたった・・・歴史を導く神というイスラエル独特の神の認識がそれ以来始まったのではなかろうか」。

 

2.希望の福音

 

・主は人を一人一人注視され、気に止められる。主は人を外見ではなく、その心で見分けられる。

-詩編33:13-15「主は天から見渡し、人の子らをひとりひとり御覧になり、御座を置かれた所から、地に住むすべての人に目を留められる。人の心をすべて造られた主は、彼らの業をことごとく見分けられる」。

・近年、醜形恐怖症にとらわれる若者が増えているという。「見た目を重視する」風潮(“人は見た目が9割”という本がベストセラーになる)の中で、自分の顔や外形を実際よりも醜いと感じ、見られることを怖れて外出できなくなり、学校や会社を辞めて引きこもり、整形をする人も多いという。外面ではなく、内面の大事さを伝える必要がある。

-サムエル記上16:5-7「サムエルはエッサイとその息子たちを・・・招いた。彼らがやって来ると、サムエルはエリアブに目を留め、彼こそ主の前に油を注がれる者だ、と思った。しかし、主はサムエルに言われた『容姿や背の高さに目を向けるな。私は彼を退ける。人間が見るようには見ない。人は目に映ることを見るが、主は心によって見る』」。

・詩人は、「主が常に御目を注いでくださるから、死も飢えも恐れない」という。

-詩編33:18-19「見よ、主は御目を注がれる、主を畏れる人、主の慈しみを待ち望む人に。彼らの魂を死から救い、飢えから救い、命を得させてくださる」。

・信仰は神との出会いから生まれる。そして信仰者は「神が共にいてくださる」と信じる故に、どのような状況下でも希望を持つことができる。強制収容所を生き残った人々は体力に恵まれた人ではなく、「希望を持ち続けた人々」であったと、自ら収容所を体験したフランクルは述べる。

-フランクル「夜と霧」:「自分の未来をもはや信じることができなくなった者は、収容所内で破綻した。そういう人は未来とともに精神的なよりどころを失い、精神的に自分を見捨て、身体的にも精神的にも破綻していった」。

・現代の日本は「希望喪失社会」だ。年間3万人の人が自殺し、未遂者も含めれば、毎年、30万人の人が自分の命を絶とうとする異常な社会だ。私たちが福音伝道を行うのは、教会の教勢を伸ばしたいためではない。神の言葉には人を絶望から解放する力があることを知るからだ。

-詩篇33:20-22「我らの魂は主を待つ。主は我らの助け、我らの盾。我らの心は喜び、聖なる御名に依り頼む。主よ、あなたの慈しみが、我らの上にあるように、主を待ち望む我らの上に。」。

 

3.災害と自然現象と神の支配

 

・天地は神の言葉によって造られ、かつ保持されている。東北大震災は地球を覆うプレートの変動によって生じた海溝型地震であり、それはおおよそ100年周期で発生する自然現象だ。しかしその自然現象によって多くの方が亡くなられた、その時信仰者は問いかける「神は何をしておられるのか」。

-中野毅「近代化・世俗化・宗教」から「多くの国民は、3.11に東日本をおそった大震災や福島原発事故を、『神の怒り』や『天罰』などとは考えていない。われわれは巨大地震発生の自然的メカニズムを知っており、原爆のみならず原発の有効性とともに、制御不能なほどの危険性も知った・・・そして、それらが招く災害や被害への対策・対処も、経験科学的な知識と技術によってのみ可能であり、祈りや呪術では解決できないことを知っている。それにもかかわらず、『大災害の中で、私は生き残って、あの方は亡くなった。何故なのか、これからどのように生きていけばよいのか』という実存的な問いに応えるものをこの社会は持っていない」(創価大学社会学報、2012.3)。

・しかし3.11は神の故ではなく、人間の罪の故である。福島原発事故が問いかけるのは、「何故津波多発地帯に原子力発電所を造ったのか」、「何故人間には管理できない原子力発電に依存してきたのか」という問題だ。福島では、津波等により、核燃料の冷却ができない状態になり、メルトダウンし、周囲に放射性物質を拡散させた。また使用済み核燃料(核廃棄物)を完全に無害化することは、現代の科学では不可能であることも分かった。それにもかかわらず、日本では原子力発電所再稼働の方向で物事が進む。全ての現象は神の御手の中にあり、人間には限界があることを認めないと、また新たな災害が起きるであろう。

・この1年間私たちを苦しめたコロナウィルス禍も、私たちへの「警告」であるとみる時、新しい意味が見出せる。ヴィヴィアン・リーチ「コロナウィルスからの手紙」は示唆に富む。

-ヴィヴィアン・リーチ「コロナウィルスからの手紙」

「私は生まれました。私はあなたを罰するために生まれたのではありません。私はあなたの目を覚ますために生まれたのです。地球は助けを求めて叫びました。大洪水、でもあなたは耳を傾けなかった。燃え盛る火事、でもあなたは耳を傾けなかった。猛烈なハリケーン、でもあなたは耳を傾けなかった。恐ろしい竜巻、でもあなたは耳を傾けなかった。あなたはただ自分の生活を続けていた。どれだけの憎しみがそこにあろうと、毎日何人が殺されようと、地球があなたに話そうとしていることを気にかけることより、最新のiPhoneを手に入れることの方が大切だった」。

「でも今、私はここにいます。そして、私は世界の軌道を止めました。私はあなたに避難を余儀なくさせました。私はあなたに物質至上の考えをやめさせました。私はあなたに熱を与えました、私はあなたに呼吸障害を与えました、私はあなたに弱さを与えました。私は世界を止めました。そして今、あなたには自分の人生で大切なものは何かを考える時間が出来ました。地球に耳を傾けてください、あなたの魂に耳を傾けてください、地球を汚すことをやめてください、互いに争うことをやめてください、唯物的な気配りをやめてください、そして、あなたの隣人を愛しはじめてください。地球とその生き物すべてに気配りをしはじめてください。創造主を信じはじめてください、なぜなら、この次、私はもっと強力になって帰って来るかもしれませんから」

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