江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2012年5月16日祈祷会(詩編142編「声をあげ主に憐れみを求めよう」)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1、洞窟で祈るダビデ

−詩編142:1−3「マスキ−ル。ダビデの詩。ダビデが洞穴にいたとき。祈り。声をあげ、主に向かって叫び、声をあげ、主に向かって憐れみを求めよう。御前にわたしの悩みを注ぎだし、御前に苦しみを訴えよう」
・「マスキ−ル」は「巧みに教訓を織り込んだ知恵の詩」を意味します。
・「ダビデが洞窟にいたとき」これは、ダビデがサウルの迫害を避けて、初めアトラムの洞窟へ逃れ、2度目はエン・ゲディの洞窟に逃れたときの詩です。ダビデはなぜ洞窟へ逃れねばならなかったのでしょうか。
−サムエル上17:1−58「ダビデとゴリアテ」(P454)を輪読します。
・ダビデはぺリシテ人ゴリアトを倒し、その後、戦では相次ぐ勝利でサウルに貢献したにもかかわらず、サウルに命を狙われます。サウルはダビデの能力に嫉妬、恐れました。
−サムエル上18:6−8「皆が戻り、あのぺリシテ人を討ったダビデが帰ってくると、イスラエルのあらゆる町から女たちが出て来て、太鼓を打ち、喜びの声をあげ、三弦琴を奏で、歌い踊りながらサウル王を迎えた。女たちは樂を奏し、歌い交わした『サウルは千を討ち、ダビデは万を討った』サウルはこれを聞いて激怒し、悔しがって言った『ダビデには万、わたしには千。あとは、王位を与えるだけか。』この日以来、サウルはダビデをねたみの目で見るようになった」
・傍らで竪琴を弾いていたダビデを殺そうと、サウルは突然槍で突きかかりますが、交わされてしまいます。サウルのダビデへの恐れは増してゆくばかりです。
−サムエル上18:12−15「主はダビデと共におられ、サウルを離れ去られたので、サウルはダビデを恐れ、ダビデを遠ざけ、千人隊の長に任命した。ダビデは兵士の先頭に立って出陣し、また帰還した。主は彼と共におられ、彼はどの戦いにおいても勝利を収めた。サウルは、ダビデが勝利を収めるのを見て彼を恐れた。」
・ダビデが隠れた洞窟へサウルが用を足す為入りますが、ダビデは追い詰められながらも、必死の努力で自分を抑え、自らには謀反の心がないことを表そうとします。
−サムエル上24;1−8「エン・ゲディにおけるダビデとサウル」(P468)を輪読します。

2、悔い改めるサウル

・詩編142:2の「声をあげ、主に向かって叫び」は追い詰められ洞窟に隠れたダビデが、神に救いを求める叫びです。この叫びは絶叫となります。信じて精一杯尽した主君サウルの仕打ちはあまりにもひどすぎます。追い詰められたダビデは、なりふり構わず声を振り絞って、神に救いを求めます。戦場で手柄を立てれば立てるほど、サウルの嫉妬と恐れで迫害が増すのですから、こんな道理の合わない、理不尽はありません。
−詩編142:4「わたしの霊がなえ果てているとき、わたしがどのような道に行こうとするか、あなたはご存知です。その道を行けば、そこには罠が仕掛けられています。」
・信じて仕えたサウルからの、理不尽な仕打ちをダビデは理解できません。ダビデの魂は疲れ果て、この先どうすればよいのか、全くわかりません。主に頼る外ありません。
−詩編142;5「目を注いで御覧ください。右に立ってくれる友もなく、逃れ場は失われ、命を助けようとしてくれる人もありません。」
・右は人の利き腕、そして権威を表します。そして右に立つ友は無二の親友です。その友もダビデにはいません。主にすがる以外どこへも逃れられないとダビデは訴えます。
−詩編142:6「主よ、あなたに向かって叫び、申します。『あなたはわたしの避けどころ、命あるものの地で、わたしの分となってくださる方』と。」
・祈りは祈る者の魂を避けどころへ導きます。そして災いの過ぎ去るまで、神の翼の陰が避けどころとなります。
−詩編142:7「わたしの叫びに耳を傾けてください。わたしは甚だしく卑しめられています。迫害する者から助けてください。彼らはわたしよりも強いのです。」
・ダビデは戦場での数々の手柄を認められず、逆にひどい卑しめをうけました。そしてサウルはダビデよりも強い王なのです。
−詩編142:8「わたしの魂を枷から引き出してください。あなたの御名に感謝することができますように。主に従う人々がわたしを冠としますように。あなたがわたしに報いてくださいますように。」
・洞窟を出たサウルの背後から、ダビデが呼びかけ、主従関係回復のきっかけとなります。
−サムエル上24:9−16を輪読します。
・サウルは自らの誤りを認め、声をあげて泣き悔い改め、二人は和解し、前に増す強い結びつきとなります。ダビデの洞窟での必死の祈りは主に聴かれたのです。
−サムエル上24:17−22「ダビデがサウルに対するこれらの言葉を言い終えると、サウルは言った。『わが子ダビデよ、これはお前の声か。』サウルは声をあげて泣き、ダビデに言った。『お前はわたしより正しい。お前はわたしに善意をもって対し、わたしはお前に悪意をもって対した。お前はわたしに善意を尽していたことを今日示してくれた。主がわたしをお前の手に引き渡されたのに、お前はわたしを殺さなかった。自分の敵に出会い、その敵を無事に去らせるものがあろうか。今日のお前のふるまいに対して、主がお前に恵みをもって報いてくださるだろう。今わたしは悟った。お前は必ず王となり、イスラエル王国はお前の手によって確立される。主によってわたしに誓ってくれ。わたしの後に来るわたしの子孫を断つことなく、わたしの名を父の家から消し去ることはない、と。』ダビデはサウルに誓った。」

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