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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2012年5月3日祈祷会(ホセア13章、イスラエルへの最後の警告)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.良き時代は終わったと宣言するホセア

・ホセア13章はイスラエルへの最後通告の書である。かつてイスラエルは栄え、諸国の中で重んじられていた。しかし今イスラエルは亡国を前にしている。裁きは不可避であり、イスラエルの偶像は救う力を持たない。犠牲を捧げて偶像を拝んでも、彼らに救いはなく、彼らは籾殻のように、煙にように消え失せるとホセアは預言する。
−ホセア13:1-3「エフライムが語れば恐れられ、イスラエルの中で重んじられていた。しかし、バアルによって罪を犯したので彼は死ぬ。今も、彼らはその罪に加えて、偶像を鋳て造る。銀を注ぎこみ、技巧を尽くした像を。それらはみな、職人たちの細工だ。彼らは互いに言う『犠牲をささげる者たちよ、子牛に口づけせよ』と。彼らは朝の霧、すぐに消えうせる露のようだ。麦打ち場から舞い上がるもみ殻のように、煙出しから消えて行く煙のようになる」。
・ホセアはその滅びゆくイスラエルに神の最後の言葉を伝える「私はあなた方をエジプトから導き出し、約束の地に導いた。しかしあなた方はその私を忘れた」と。
−ホセア13:4-6「私こそあなたの神、主。エジプトの地からあなたを導き上った。私の他に、神を認めてはならない。私の他に、救いうる者はない。荒れ野で、乾ききった地で、私はあなたを顧みた。養われて、彼らは腹を満たし、満ち足りると、高慢になり、ついには、私を忘れた」。
・忘恩は審判を伴う。かつてイスラエルを愛された主が、今は豹のように、獅子のように、イスラエルに襲いかかり、彼らを食われる。主はイスラエルを荒野に引き摺り出され、アッシリアは無慈悲に彼らを食い尽くすであろうと。
−ホセア13:7-8「そこで私は獅子のように、豹のように道で彼らをねらう。子を奪われた熊のように彼らを襲い、脇腹を引き裂き、その場で獅子のように彼らを食らう。野獣が彼らをかみ裂く」。

2.不可避な裁きを受けよ

・ホセアはこの時には、イスラエルが悔い改め、その結果赦される事に何の希望も持っていない。イスラエルの王たちは民を救うために立てられたが、彼らは自分たち自身の利益を追求するのみで、人々や神のことに無関心であった。民は自分たちにふさわしい王を持った。「今イスラエルは滅びるしかない」とホセアは冷酷に宣言する。
−ホセア13:9-11「イスラエルよ、お前の破滅が来る。私に背いたからだ。お前の助けである私に背いたからだ。どこにいるのか、お前の王は、どこの町でも、お前を救うはずの者、お前を治める者らは『王や高官を私に下さい』とお前は言ったではないか。怒りをもって、私は王を与えた。憤りをもって、これを奪う」。
・矢内原忠雄は中国への侵略をやめない日本軍国主義への神の裁きを見て、それを「国家の理想」(1937年、昭和12年)として月刊誌に公表し、大学教授の職を追われた。敗戦の8年前だ。彼は「日本の理想を生かすために、ひとまずこの国を葬って下さい」と祈った。ホセアと同じ気持ちだったのだろう。
−矢内原忠雄『通信』1937年10月号「アッシリアの罪はユダの罪より大きい・・・今日は、虚偽の世において、我々のかくも愛したる日本の国の理想、あるいは理想を失った日本の葬りの席であります。私は怒ることも怒れません。泣くことも泣けません。どうぞ皆さん、もし私の申したことがおわかりになったならば、日本の理想を生かすために、一先ずこの国を葬ってください」。
・イスラエルは救済に値するだろうか、値しない。彼らは滅ぶことしかないと主は宣告される。しかし14節を見ると主の迷いが感じられる。滅ぼすしかないと決断してもなお彼らを憐れまれる主の姿がここにある。
−ホセア13:12-14「エフライムの咎はとどめておかれ、その罪は蓄えておかれる。産みの苦しみが襲う。彼は知恵のない子で、生まれるべき時なのに、胎から出て来ない。陰府の支配から私は彼らを贖うだろうか。死から彼らを解き放つだろうか。死よ、お前の呪いはどこにあるのか。陰府よ、お前の滅びはどこにあるのか。憐れみは私の目から消え去る」。
・神に対して救いを拒絶する人を、神は救うことは出来ない。東から来る熱風(アッシリア)は彼らを滅ぼしつくし、住民は剣に倒れ、幼子は打ち殺され、妊婦の腹は引き裂かれるだろうとホセアは預言する。
−ホセア13:15-14:1「エフライムは兄弟の中で最も栄えた。しかし熱風が襲う。主の風が荒れ野から吹きつける。水の源は涸れ、泉は干上がり、すべての富、すべての宝は奪い去られる。サマリアは罰せられる。その神に背いたからだ。住民は剣に倒れ、幼子は打ち殺され、妊婦は引き裂かれる」。
・罪を犯した者はその罪を贖わなければいけない。しかし、その贖いが終われば救済が為される。神は人を滅んだままで放置されるのではない。ホセア14章はこの希望を歌い上げる。
−ホセア14:2-4「イスラエルよ、立ち帰れ、あなたの神、主のもとへ。あなたは咎につまずき、悪の中にいる。誓いの言葉を携え、主に立ち帰って言え『すべての悪を取り去り、恵みをお与えください。この唇をもって誓ったことを果たします。アッシリアは私たちの救いではありません。私たちはもはや軍馬に乗りません。自分の手が造ったものを、再び私たちの神とは呼びません。親を失った者はあなたにこそ憐れみを見いだします』」。

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