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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2008年12月18日祈祷会(イザヤ23章、フェニキア滅亡の預言)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.フェニキア(ツロ・シドン)滅亡の預言

・イザヤ23章はティルス(ツロ)、シドンについての預言である。フェニキア人は貿易の民として地中海全体に勢力を誇り、タルシシはフェニキアのスペイン植民地だった。その繁栄したフェニキアが滅ぶとイザヤは預言する。
-イザヤ23:1「ティルスについての託宣。泣き叫べ、タルシシュの船よ。ティルスは破壊され、住む家もなくなった。キティムの地から帰るやいなや、彼らはそのことを知らされた」。
・預言の背景は前705〜701年ごろと言われている。当時パレスチナ諸国は反アッシリア同盟を結成し、フェニキアもこれに関与していた。アッシリアを神の鞭と考えるイザヤは、フェニキアはアッシリアに蹂躙されると預言する。
-イザヤ23:2-5「嘆け、海辺の住人たち、シドンの貿易商たちよ。お前の使者たちは海を渡り、大いなる水を越えて行き・・・お前は国々の行き交う場所であった。うろたえよ、海の砦シドンよ。海がこう言っている『私は産みの苦しみをしない。子を産み、若者を育て、乙女らを、はぐくむことはできない』と」。
・かつてフェニキア王の娘イゼベルはイスラエルにバアル神を持ち込み、偶像礼拝のために北イスラエルは主によって滅ぼされたとイザヤは考えている(列王記下17:7-12)。主は背教のフェニキアを撃たれるとイザヤは言う。
-イザヤ23:11-14「主は御手を海に伸ばして国々を震わせ、カナンに命じて、その砦を破壊される。・・・カルデアの地もそのようだ。それはもはや存在しない民。アッシリアは、彼らを荒野の獣に渡した。人々は見張りの塔を建て、館を建て連ねたが、すべては廃虚に帰している。泣き叫べ、タルシシュの船よ、お前たちの砦は破壊されてしまった」。
・エゼキエルもユダ滅亡時にこれを嘲笑したツロがバビロンに滅ぼされることを預言する。ツロやシドンが最終的に滅ぼされたのは前332年アレクサンドロス王の時だった。
-エゼキエル26:1-7「主なる神はこう言われる『ティルスよ、私がお前に立ち向かう。私は、海が波を巻き起こすように多くの国々をお前に立ち向かわせる。彼らはティルスの城壁を倒し、塔を破壊する・・・私は、王の王であるバビロンの王、ネブカドレツァルを北からティルスに来させる。彼は馬と戦車と騎兵と多くの軍勢を引き連れてくる』」。
・イエスはそのツロに伝道されて、カナンの女の娘を癒されている。滅んだ国の民もまた恵みの中にある。
-マルコ7:24-30「イエスはティルスの地方に行かれた・・・汚れた霊に取りつかれた幼い娘を持つ女が、すぐにイエスのことを聞きつけ、来てその足もとにひれ伏した。女はギリシア人でシリア・フェニキアの生まれであったが、娘から悪霊を追い出してくださいと頼んだ。イエスは言われた『まず、子供たちに十分食べさせなければならない。子供たちのパンを取って、小犬にやってはいけない』。女は答えて言った『主よ、しかし、食卓の下の小犬も、子供のパン屑はいただきます』。・・・女が家に帰ってみると、その子は床の上に寝ており、悪霊は出てしまっていた」。

2.何故イザヤは諸外国の預言を行うのか

・イザヤは13〜23章にわたって諸外国に対する預言を行う。何故だろうか。それはイスラエルが単独では生存できず、諸国との関係の中で民の生活や信仰が形成されるからだ。イスラエルの選びは諸国の救いのためだった。
-創世記12:1-3「主はアブラムに言われた『あなたは生まれ故郷、父の家を離れて、私が示す地に行きなさい。私はあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福し、あなたの名を高める、祝福の源となるように。あなたを祝福する人を私は祝福し、あなたを呪う者を私は呪う。地上の氏族はすべて、あなたによって祝福に入る』」。
・現代はイザヤ時代以上に諸国と連動する。米国経済の減速は国内の自動車や電機メーカーを減産に追込み、非正規労働者は職を奪われる。私たちは何をすべきなのだろう。志を持つことが求められるのではないか。
−聖フランシスの祈り「主よ、私を平和の器とならせて下さい。憎しみがあるところに愛を、争いがあるところに赦しを、分裂があるところに一致を、疑いのあるところに信仰を、誤りがあるところに真理を、絶望があるところに希望を、闇あるところに光を、悲しみあるところに喜びを。ああ主よ、慰められるよりも慰めるものとして下さい。理解されるよりも理解する者に、愛されるよりも愛する者に。それは、私たちが、自ら与えることによって受け、許すことによって赦され、自分の体をささげて死ぬことによって、とこしえの命を得ることができるからです」。
・教会は祭司の役割(民を養う)と共に、預言者としての役割(社会の木鐸)を合せ持つ。今日の教会は預言者機能が弱体化している。バルメン宣言(バルトがナチスに対して起草)は今日においても教会の大事な宣言だ。
−バルメン宣言第5テーゼ「国家は法と平和とのために配慮するという課題を、神の定めによって与えられているということを、聖書は我々に語る。教会は、神の定めの恩恵を、神にたいする感謝と畏敬の中に承認する。教会は、神の国を、神の戒めと義とを想起せしめ、そのことによって統治者と被治者との責任を想起せしめる・・・国家がその特別の委託をこえて、人間生活の唯一にして全体的な秩序となり、教会の使命をも果たすべきであるとか、そのようなことが可能であるとかいうような誤った教えを、我々は退ける。教会がその特別の委託をこえて・・・自ら国家の一機関となるべきであるとか、そのようなことが可能であるとかいうような誤った教えを、我々は退ける」。

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