1.嗣業の土地の配分
・約束の地への侵入を前に、嗣業の土地がイスラエルに示される。
−民数記34:1-2「イスラエルの人々に命じて、こう言いなさい。あなたたちがカナンの土地に入るとき、嗣業としてあなたたちのものになる土地は、それぞれ境で囲まれたカナンの土地であって、それは次のとおりである」。
・南はツインの荒れ野、西は地中海、北はホル山、東はヨルダン川の囲まれた地が嗣業の地として与えられる。
−民数記34:3-12「南側は、エドムと国境を接するツィンの荒れ野に延びる。・・・西境は大海の沿岸である。・・・北境は・・・大海からホル山まで線を引き、更に、ホル山からレボ・ハマトに線を引いて、ツェダドの境に達する。東境は・・・キネレト湖の東斜面を経て、ヨルダン川を下り、塩の海に達する。以上の境界線の内側があなたたちの土地である」。
・土地はくじを引いて公平に分配された。その地は「嗣業の地=相続すべき地」と定められた。
−民数記34:13-14「これは、あなたたちがくじを引いて、嗣業として受け継ぐべき土地である。主はこれを九つの部族と半部族に与えよ、と命じられた。ルベンの子孫の部族とガドの子孫の部族は、それぞれ家系に従って、既に嗣業の土地を受けており、マナセの半部族もそれを受けている」。
・最終分配は征服が終わった時に為された。
−ヨシュア記21:43-45「主が先祖に誓われた土地をことごとくイスラエルに与えられたので、彼らはそこを手に入れ、そこに住んだ。主はまた、先祖に誓われたとおり、彼らの周囲を安らかに住めるようにされたので、彼らに立ちはだかる敵は一人もなくなった。主は敵を一人残らず彼らの手に渡された。主がイスラエルの家に告げられた恵みの約束は何一つたがわず、すべて実現した」。
・それはアブラハムに与えられた約束の成就であった。
−創世記15:18-21「その日、主はアブラムと契約を結んで言われた。『あなたの子孫にこの土地を与える。エジプトの川から大河ユーフラテスに至るまで、カイン人、ケナズ人、カドモニ人、ヘト人、ペリジ人、レファイム人、アモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人の土地を与える』」。
2.約束の成就
・アブラハムに約束が与えられてから、その約束が成就するまでに500年の時が流れている。それは人間の一生の時間をはるかに超えている。約束とは見るものではなく、聞くものであることがわかる。
−ヘブル11:9-13「信仰によって、アブラハムは他国に宿るようにして約束の地に住み、同じ約束されたものを共に受け継ぐ者であるイサク、ヤコブと一緒に幕屋に住みました。アブラハムは、神が設計者であり建設者である堅固な土台を持つ都を待望していたからです。信仰によって、不妊の女サラ自身も、年齢が盛りを過ぎていたのに子をもうける力を得ました。約束をなさった方は真実な方であると、信じていたからです。それで、死んだも同様の一人の人から空の星のように、また海辺の数えきれない砂のように、多くの子孫が生まれたのです。この人たちは皆、信仰を抱いて死にました。約束されたものを手に入れませんでしたが、はるかにそれを見て喜びの声をあげ、自分たちが地上ではよそ者であり、仮住まいの者であることを公に言い表したのです」。
・使徒たちは生きている間に神の国が来ると信じ、待っていたが来なかった。約束は生前には成就しなかった。
−?ペテ3:4-8「『主が来るという約束は、いったいどうなったのだ。父たちが死んでこのかた、世の中のことは、天地創造の初めから何一つ変わらないではないか』。彼らがそのように言うのは、次のことを認めようとしないからです。すなわち、天は大昔から存在し、地は神の言葉によって水を元として、また水によってできたのですが、当時の世界は、その水によって洪水に押し流されて滅んでしまいました。しかし、現在の天と地とは、火で滅ぼされるために、同じ御言葉によって取っておかれ、不信心な者たちが裁かれて滅ぼされる日まで、そのままにしておかれるのです。愛する人たち、このことだけは忘れないでほしい。主のもとでは、一日は千年のようで、千年は一日のようです」。
・現在でも、教会に来る人は約束の成就を求めるが、それは待つものであり、今手に入れるものではない。
−マタイ12:39「よこしまで神に背いた時代の者たちはしるしを欲しがるが、預言者ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない」。
・約束は必ず成就する。しるしとしてキリストの復活が与えられた。私たちは約束の成就を信じて待てば良い。
−ヨハネ20:29 イエスはトマスに言われた『私を見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである』」。