1.イサクの花嫁の条件
・アブラハムはイサクのために嫁を迎えることにしたが、カナンの女性を迎えることは考えもしなかった。
―創世記24:3「あなたは私が今一緒に住んでいるカナン人の中から、娘を私の子の妻にめとってはならない。」
・それは、神を知らない民との婚姻は、信仰の継承を難しくする恐れがあったからである。
―申命記7:3-4「彼らと婚姻をしてはならない。あなたの娘を彼の息子に与えてはならない。彼の娘をあなたの息子にめとってはならない。それは彼らがあなたの息子を惑わして私に従わせず、ほかの神々に仕えさせ、そのため主はあなたがたにむかって怒りを発し、すみやかにあなたがたを滅ぼされることとなるからである。」
・また、イサクを相手の地にやることも考えなかった。「この地にて祝福する」との約束を信じていたからである。
―創世記24:6-8「私の子は決して向こうへ連れ帰ってはならない。天の神、主は私を父の家、親族の地から導き出して私に語り、私に誓って、おまえの子孫にこの地を与えると言われた。主は、み使をあなたの前につかわされるであろう。・・・けれどもその女があなたについて来ることを好まないなら、あなたはこの誓いを解かれる。」
・こうして召使はアブラハムの故郷、メソポタミヤのアラム・ナハライムに嫁を迎えるために旅立った。
2.リベカの選び
・召使は嫁の選びを神に委ねた。その結果、アブラハムの親族ナホルの一族であるリベカに出会った。
―創世記24:12-15「彼は言った、『主人アブラハムの神、主よ、どうか、今日、私に幸せを授け、主人アブラハムに恵みを施してください。私は泉のそばに立っています。町の人々の娘たちが水をくみに出てきたとき、娘に向かって、お願いです、あなたの水がめを傾けて私に飲ませてくださいと言い、娘が答えて、お飲みください。あなたのらくだにも飲ませましょうと言ったなら、その者こそ、あなたが僕イサクの為に定められた者ということにしてください。私はこれによって、あなたが私の主人に恵みを施されることを知りましょう』。彼が言い終らないうちに、アブラハムの兄弟ナホルの妻ミルカの子ベトエルの娘リベカが、水がめを肩に載せて出てきた。」
・リベカの一族は召使の話を聞き、神の業としてリベカが選ばれた事を知り、嫁にやることを承諾する。
―創世記24:50-51「ラバンとベトエルは答えて言った、『この事は主から出たことですから、私どもはあなたに良し悪しを言うことができません。リベカがここにおりますから連れて行って、主が言われたように、あなたの主人の子の妻にしてください』」
・こうして、リベカはイサクの妻となり、やがてエソウとヤコブの二人を生む。神の約束はリベカを通して、ヤコブに継承されていく(旧約において神は「アブラハム・イサク・ヤコブの神」と言われるようになる)。
3.この物語から何を学ぶか
・アブラハムは結婚を信仰の出来事としてとらえている。結婚によって子が生まれ、子が約束を継承して行く。
―私たちにおいても、子の結婚の相手に信仰者を求める、ないし信仰の誓いを求めることは信仰の継承という意味で、大事な事柄である。
・アブラハムは、主に依り頼んで嫁を探し、祝福を受けた。主は依りたのむ者を祝福される。
使徒2:38-39ペテロが答えた、「悔い改めなさい。そして、あなたがた一人一人が罪の赦しを得るために、イエス・キリストの名によって、バプテスマを受けなさい。そうすれば、あなたがたは聖霊の賜物を受けるであろう。この約束は、われらの主なる神の召しにあずかるすべての者、すなわちあなたがたと、あなたがたの子らと、遠くの者一同とに、与えられているものである」
・この神に依り頼んで生きることが信仰なのである。聖書は私たちが学ぶべき多くの信仰者の姿を提示する。
―創世記22:7-8「イサクは言った、『火とたきぎとはありますが、燔祭の小羊はどこにありますか』。アブラハムは言った、『子よ、神みずから燔祭の小羊を備えてくださるであろう』。こうしてふたりは一緒に行った。」―ルカ1:38「マリヤが言った、『わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように』。そして御使は彼女から離れて行った。」
―マタイ19:23-26「『富んでいる者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、もっとやさしい』。弟子たちはこれを聞いて非常に驚いて言った、『では、だれが救われることができるのだろう』。イエスは彼らを見つめて言われた、『人にはそれはできないが、神にはなんでもできない事はない』」