江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2007年6月10日説教(使徒言行録2:37-47、教会の誕生)

投稿日:2007年6月10日 更新日:

1.使徒の教え、相互の交わり、パン裂き、祈りに熱心だった初代教会

・聖霊降臨節第三主日を迎えています。前週に引き続き、今週もペンテコステの出来事を使徒言行録から見ていきます。ペンテコステの日に聖霊が弟子たちに下り、弟子たちは力を受けて語り始めました。聖霊に押し出された言葉は聞く人を動かしました。人々はペテロに訊ねます「兄弟たち、私たちはどうしたらよいですか」。ペテロは答えます「悔い改めなさい。イエス・キリストの名によってバプテスマを受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます」(使徒言行録2:38)。この日、三千人の人がバプテスマを受けたとルカは記述します。ここに教会が、イエス・キリストを頭とする共同体が成立しました。この共同体はそれから何をしたのでしょうか。ルカは書きます「彼らは、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった」(2:42)。今日は、この2章42節の言葉を足がかりに、生まれたばかりの教会が何を行っていったかを学びたいと思います。それは、初代教会につながる存在であります私たちの教会に、何をなすべきかを教えてくれるからです。
・「彼らは、使徒の教えに熱心であった」。ここにある使徒の教えとは使徒たちの説教、具体的には主イエス・キリストの十字架と復活についての証言です。初代教会は、説教を聴くことから教会形成を始めました。この使徒たちの教えがまとめられていったのが使徒信条です。信条は英語でCreedといいますが、元々はラテン語Credo=信じるから来ています。使徒たちの信仰告白を教会は聞いていったのです。次のような内容です。「我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。主は聖霊によりてやどり、おとめマリヤより生まれ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け十字架につけられ、死にて葬られ、陰府(よみ)に下り、三日目に死人の内よりよみがえり、天に上り、全能の父なる神の右に座したまえり。かしこより来たりて生ける者と死にたる者とを審きたまわん。我は聖霊を信ず。聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪のゆるし、体のよみがえり、とこしえの命を信ず。アーメン」。この信仰告白を教会は今も大事にしています。
・このような説教に促されて、私たちは兄弟姉妹への交わりへと入ります。イエスは言われました「私があなた方を愛したように、互いに愛し合いなさい」(ヨハネ15:12)。クリスチャンになることは、互いに愛し合う関係を他者と構築することです。この愛しあいが「相互の交わり」として、表現されています。ギリシア語コイノニアですが、この言葉には交わるという意味の他に、「分かちあう」という意味があります。交わるとは単に親しくなるとか、楽しむことではなく、分かち合うことです。一つのパンが手元にあれば、それを二つに分けて、一緒に食べることです。初代教会ではそれが財産の共有にまで発展しました。44~45節にありますように「信者となった者たちはみないっしょにいて、一切の物を共有にしていた。そして、資産や持ち物を売っては、それぞれの必要に応じて、みなに分配していた」のです。「能力に応じて働き、必要に応じて分配する」という共同体が生まれていったのです。
・交わりの中心になったのがパン裂きです。これは単なる主の晩餐式ではありません。食物を持ち寄って、共に食べるという食卓の交わりです。46~47節は記します「家ごとに集まってパンを裂き、喜びと真心をもって一緒に食事をし、神を賛美していた」。富む人は貧しい人の分まで食料を持ち寄り、分け合って食べたのです。そして「祈ることに熱心であった」、この祈りは個人の祈りというよりは、神殿で捧げる共同の祈り=礼拝です。とりなしの祈りです。

2.私たちはこのような共同体を築きうるのだろうか

・初代教会の人々は毎日集まり、礼拝を捧げ、食卓を共にし、兄弟姉妹へのとりなしを祈りました。このような活動を通して、彼らは一つになっていきました。現代の私たちは忙しくなり、週1日、多くて週2日しか、共に集まることが出来ません。それだけに、主日の礼拝と水曜日の祈祷会を大事にしたいと思います。共に集まって聖書を読み、祈ることこそ、主にある交わりであり、この交わりなしには、信仰の成長はないのです。何故ならば、私たちの信仰は、自分一人が救われて良しとする信仰ではなく、共に救われる信仰だからです。
・初代教会は「使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった」とされています。しかし、時代の変化と共に、教会は変わり始めます。最初の使徒たちがいなくなると、使徒の教えについて、解釈が分かれ、対立が生じて来ました。使徒信条がまとめられたのも、使徒の教えについての争いがあったからです。相互の交わりも次第に変質を始めます。使徒言行録5章にありますアナニヤの話は、全ての持ち物を捧げることを惜しむ人がいたことを示しますし、6章ではギリシア語を話すユダヤ人とヘブル語を話すユダヤ人の間で、日々の食物の分配についての争いが起きたことが書かれています。食卓での交わりも、やがて異邦人が教会に加えられると、一部の人は無割礼の異邦人とは食卓を共に出来ないと言い始めます。信仰と生活が次第に分離していきました。毎日の生活はきれいごとだけでは済まされないのです。
・しかし、教会はその本質を失いませんでした。今でも、私たちの信仰生活の原点はこの初代教会の生き方にあります。初代教会は「能力に応じて働き、必要に応じて分配する」共同体を形成しました。今日の教会でも、この分かち合いが献金という形で生きています。「能力に応じて捧げ、必要に応じて用いる」ことが、献金の原点です。初代教会が、単に説教を聴いて讃美するだけの教会ではなかったゆえに、私たちも社会の動きの中で、何をすべきかを模索します。社会的な差別の中で苦しむ人がいれば、その人のために行動します。初代教会は、病気になっている者、問題を抱えている者、信仰が弱まっている者のために祈りました。この祈りを私たちも続けます。初代教会が示しますように、祈りは行為を伴います。

3.イエスの業を継承する教会

・今日の招詞に、ルカ4:18-19を選びました。次のような言葉です。「主の霊が私の上におられる。貧しい人に福音を告げ知らせるために、主が私に油を注がれたからである。主が私を遣わされたのは、捕らわれている人に解放を、目の見えない人に視力の回復を告げ、圧迫されている人を自由にし、主の恵みの年を告げるためである」。
・イエスが宣教の始めに、故郷ナザレの会堂で話された言葉です。当時、人々は安息日毎に会堂に集まり、聖書日課に従って聖書が読まれ、読んだ人が短い話をするのが慣例でした。イエスは渡されたイザヤ書を朗読され、話されました。当時の人々は食べるのがやっとの貧しい生活を強いられていましたが、その貧しい人々に良い知らせが告げられるとイエスは言われました。税金が払えない人は獄に入れられていましたが、彼らは獄から解放されるとイエスは言われました。病に苦しむ人はその病がいやされ、土地を持たず小作として苦しむ人には土地が与えられるとイエスは話されました。「主の恵みの年」とはヨベルの年を指します。古代イスラエルでは、50年毎に債務が免除され、奴隷は解放される習慣がありました。その時、角笛(ヨベル)が吹かれたため、この名がついたのです。エジプトで奴隷として苦しんでいたあなたを主が救われ、現在の繁栄があるのだから、今苦しんでいる人の債務を赦しなさいという戒めです。その主の恵みの年が来て、債務の返済に苦しむ者に債務免除が告げられるとイエスは言われています。苦しむ人々を解放する為に、父なる神は私に油を注いで聖別し、ここに遣わされたとイエスは宣言されているのです。
・このイエスの業を継承していくのが教会です。それは慈善をするとか、よい行いをすることではありません。生き方が根本から変わる激しさが求められています。出エジプト記では孤児や寡婦を愛せとして次のように述べられています「寄留者を虐待したり、圧迫したりしてはならない。あなたたちはエジプトの国で寄留者であったからである。寡婦や孤児はすべて苦しめてはならない。もし、あなたが彼を苦しめ、彼が私に向かって叫ぶ場合は、私は必ずその叫びを聞く。そして、私の怒りは燃え上がり、あなたたちを剣で殺す。あなたたちの妻は寡婦となり、子供らは、孤児となる」(出エジプト記22:20-23)。キリストは私たちのために命を投げ出してくださった、だから私たちも命を投げ出していくのです。復活のイエスを信じる信仰は内面世界だけでなく、私たちの現実の生活も変えます。寄留者や孤児、寡婦のために出きることをしていくのです。今、私たちの教会にはフィリピンから来た多くの女性たちがつながっています。彼女たちは異国での生活にとまどっています。彼女たちが、私たちの寄留者です。夫を亡くして老人ホームに暮らす教会員の方こそが、私たちの寡婦です。集会場所からの追い立てを受けて困っている舞浜伝道所の人々こそが、私たちの孤児です。彼らのために祈り、献金し、行為することを通して、私たちはイエスの業を継承していくのです。私たちは主の祈りを祈りますが、そこには「御心の天になるごとく、地にもならせたまえ」という祈りがあります。御心が地になるために、私たちは働きますとの祈りです。神は私たちを通して、その働きをなさることを今日は覚えたいと思います。

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