江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2006年6月4日説教資料(使徒行伝2:37-41、招きを受けなさい)

投稿日:2006年6月4日 更新日:

1.ペンテコステの日に

・今日、私たちは、ペンテコステを祝うために、この教会に集められました。ペンテコステとは50という意味のギリシャ語です。イスラエルでは、過ぎ越し祭りの時に、出たばかりの麦の初穂を摘んで神にささげます。それから50日後、麦は収穫期を迎え、収穫祭を祝います。それが五旬節(ペンテコステ)です。イエスが十字架につけて殺され、復活されたのは、過ぎ越し祭りの時ですから、このペンテコステのお祝いの時はまた、イエスの復活から50日目にもあたります。その50日目に、弟子たちに聖霊が下り、それまで隠れるように身を潜めていた弟子たちが、力を与えられて、言葉を語るようになりました。その結果、3000人の人が悔い改め、バプテスマを受けるという出来事が起こりました。ここに教会が生まれました。ペンテコステは教会の誕生日を祝う日です。
・イエスは復活された後、しばらく弟子たちと共におられましたが、40日目に天に昇られました。昇天の前にイエスは弟子たちに約束されました。「エルサレムを離れず、・・・父の約束されたものを待ちなさい。ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によるバプテスマを授けられる」(使徒1:4-5)。そして「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受け・・・地の果てに至るまで、私の証人となる」(1:8)。弟子たちはイエスの約束を信じて、集まり、祈って、待っていました。そして五旬祭の日に、弟子達たちの上に聖霊が下り、彼らは言葉を語り始めます。その様子は、傍から見ると、何かに憑かれているような興奮状態でした。群集は「あの人たちは、新しいぶどう酒に酔っているのだ」と言ってあざけった(2:13)とルカは書いています。その人々にペテロが立って話を始めました。「私たちは酒に酔っているのではなく、預言者ヨエルが言ったように聖霊を受けたのだ。その聖霊が私たちに言葉を語らせているのだ」と(2:15-16)。そのヨエルの預言が17-21節にあります「神は言われる。終わりの時に、私の霊をすべての人に注ぐ。すると、あなたたちの息子と娘は預言し、若者は幻を見、老人は夢を見る。・・・主の名を呼び求める者は皆、救われる」。
・ペテロは続けます「ナザレの人イエスこそ、神から遣わされた方です。神は、イエスを通してあなたがたの間で行われた奇跡と、不思議な業と、しるしとによって、そのことをあなたがたに証明なさいました。・・・このイエスを・・・あなたがたは・・・十字架につけて殺してしまったのです」(2:22-23)。ペテロは舌鋒鋭く人々に迫ります「神はこのイエスを復活させられたのです。私たちは皆、そのことの証人です。それで、イエスは神の右に上げられ、約束された聖霊を御父から受けて注いでくださいました。あなたがたは、今このことを見聞きしているのです。・・・だから、イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです」(2:32-36)。神が歴史に介入された、神の子が来られた、その神の子をあなた方は殺したのだとペテロは主張しています。
・ペテロの説教には説得力がありました。何故ならば、語る出来事を彼自身が経験していたからです。イエスが捕えられた時、ペテロはイエスを見捨てて逃げました。十字架でイエスが死なれた時、ペテロはイエスに従ってきたこれまでの年月が、全て無駄であったと絶望しました。しかし、そのペテロに復活のイエスが現れ、残された人々を彼に委ねられました。そしてペテロは今、説教者として立たされています。まさにペテロ自身が一度死に、その死から復活した存在です。イエスの十字架と復活は、まさにペテロ自身が経験した出来事でした。だから、彼の説教は力に満ち、民衆はその説教に心を動かされました。

2.バプテスマを受けなさい。

・心を打たれた人々はペテロに聞きました「私たちはどうしたらよいですか」(2:37)。ペテロは終わりの時は来た、そのしるしとして自分たちは聖霊を受けたのだと主張しました。終わりの時は来たというペテロの言葉を、私たちはどのように聴くのでしょうか。私たちは世の終わりがいつ来るかは知りません。しかし、私たち個人は遅かれ早かれ終末を、死を迎えることは知っています。私たちが必ず死ぬと言うことは、私たちは死刑が宣告され、死刑囚監房に入れられた囚人だということです。いつ死刑が執行されるか、不安におびえている存在なのです。ただ、それに気づいていない、あるいは見ようとしていないだけなのです。
・私たちは死の縄目に捕えられています。私たちにとって、今はまさに終末の時なのです。ペテロの説教を聞いた人々は尋ねました「私たちはどうしたらよいですか」。自分たちは神の子を殺すという取り返しのつかないことをしてしまった、どうしよう、このような自分たちは滅びるしかないのだろうか、真剣な問いかけがペテロになされました。私たちも同じ状況にあります。ですから、同じように真剣に尋ねるべき時なのです。「主よ、私たちはどうすればよいですか。どうすればこの死の縄目から自由になることが出来るのですか」。ペテロは答えました「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によってバプテスマを受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。」(2:38)。

3.自由になりなさい

・今日の招詞にルカ4:18-19を選びました。次のような言葉です。「主の霊が私の上におられる。貧しい人に福音を告げ知らせるために、主が私に油を注がれたからである。主が私を遣わされたのは、捕らわれている人に解放を、目の見えない人に視力の回復を告げ、圧迫されている人を自由にし、主の恵みの年を告げるためである」。
・この言葉は、イエスが故郷ナザレで伝道を始められた時に話されたものです。イエスは苦しむ人、悲しむ人に、解放と自由を与えるために自分は派遣されたと宣言されています。その解放がイエスの十字架を通して為され、恵みの約束が復活を通して証明されました。
・私たちが気づいているにせよ、気づかないでいるにせよ、死の縄目が私たちの人生を束縛しています。死を前にすれば私たちには二つの選択肢しかありません。どうせ死ぬのだから今を楽しもうという享楽的な生き方をするか、あるいはどうせ死ぬのだから何をしても意味がないという悲観的な生き方になるかです。しかし、死の縄目から解放された時、生き方が変わります。死が終わりではありませんから、時間を超えた生き方が可能になります。自分の代に出来なくとも、次の世代に望みを置きますから、この世での業績をあせる必要はなくなります。死の縄目から解放された人には、失敗した人生や徒労の人生はなくなります。何故なら、人生は死で終わらないのですから。
・また、死の縄目からの解放は、この世の縄目からの解放をもたらします。地上の成功や幸福は一時的なものであり、全て過ぎ去ることに気づかされます。私たちがこの世的に成功してお金や地位を得ても、あるいは幸福な家族を形成しても、それらは過ぎ去るものであり、それに人生を賭けると必ず失望することを私たちに教えます。現在幸福な人でさえ、その幸福がいつ終わるかと不安の中にいます。イエスは「今笑っている人々は不幸だ、やがて悲しみ泣くようなるからだ」と言われましたが(ルカ6:25)、まさにその通りです。この世のお金や地位や幸福から自由にされた時、私たちは平安を得ます。
・聖霊をいただく、キリストを自分の人生に迎え入れることによって、死から、またこの世の束縛から自由になります。だからイエスは私たちを招かれます。「疲れた者、重荷を負う者は、誰でも私の元に来なさい。休ませてあげよう。私は柔和で謙遜な者だから、私の軛を負い、私に学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。私の軛は負いやすく、私の荷は軽いからである」(マタイ11:28-30)。そして、ペテロは招きます「悔い改めてバプテスマを受けなさい。そうすれば罪が赦され、聖霊の賜物を受けます。そして、自由になりなさい」。
・ペテロの説教の中核にあるものはイエスの復活です。復活がなかったならば、ペテロは説教しなかったでしょうし、その説教で人々が悔い改めるという出来事もなかったでしょう。復活がなかったならば、キリストの教会はこの世に存在しなかった。今、キリストの教会が世界中に立てられているという事実こそ、復活があったことのしるしです。そして、復活があったということは、「苦しみや悲しみが喜びに変わる日が必ず来る」ことのしるしです。だから、私たちはどのような状況においても希望を持ち、希望を持つ故に平安でいられるのです。この平安をいただきなさい、バプテスマを受けて、罪の赦しと聖霊をいただきなさいとペテロは呼びかけます。
・イエスが天に昇られた今、そのイエスの業を弟子たちが継承します。そのための力として、弟子たちに聖霊が与えられました。それがペンテコステの出来事です。そして、ペンテコステの出来事は2000年前に起こった一回限りの出来事ではなく、今も続いている出来事です。ペテロの呼びかけは今も教会で為されています。多くの教会で毎日曜日に為される説教を通して、悔い改めが起こり、バプテスマ決心者が与えられるという出来事が起こっています。これが聖霊の働きであり、聖霊は今も働いておられます。そして、私たちの教会でも、招きが語られます「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によってバプテスマを受け、罪を赦していただきなさい。賜物として聖霊を受けなさい」。

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