江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2022年5月4日祈祷会(ルカ6:27—49、敵を愛しなさい)

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1.敵を愛しなさい

 

・レビ19:17は「敵を憎んではならない」と教えているが、イエスはさらに進んで「敵を愛せよ」と教える。イエスの語るアガペーの教えは、エロス(男女の愛)やフィレオ(友への愛)等の感情ではなく、意思の力を必要とする。何故ならば「相手は自分に害を加える敵」なのである。

-ルカ6:27-31「私の言葉を聞いているあなたがたに言っておく。敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい。あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬を向けなさい。上着を奪い取る者には、下着をも拒んではならない。求める者には、だれにでも与えなさい。あなたの持ち物を奪う者から取り返そうとしてはならない。人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい」。

・世の教えは「自分にしてほしくないことを他人にするな」(ストア派)であり、この否定形の教えを守ることは難しくはない。何もしなければ良いのだ。しかし「自分にしてほしいことを他人にせよ」とのイエスの教えは難しい。それは積極的行動を求めている。敵を愛するという意思を必要とする教えだ。

-ルカ6:32-34「自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな恵みがあろうか。罪人でも、愛してくれる人を愛している。また、自分に良くしてくれる人に善いことをしたところで、どんな恵みがあろうか。罪人でも同じことをしている。返してもらうことを当てにして貸したところで、どんな恵みがあろうか。罪人さえ、同じものを返してもらおうとして、罪人に貸すのである」。

・人は憎しみには憎しみを、愛には愛で返す。イエスはその感情を超えよと語られる。「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい」、それが神の支配の下に生きる者の生き方だと語られる。

-ルカ6:35-36「あなたがたは敵を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。いと高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。』」

・マルテイン・ルーサー・キングは、1963年に「汝の敵を愛せよ」という説教を行った。当時、キングはアトランタ・エベニーザ教会の牧師で、黒人差別撤廃運動の指導者として投獄されたり、教会に爆弾が投げ込まれたり、子供たちがリンチにあったりしていた。そのような中でなされた説教だ。

-キング「汝の敵を愛せよ」から「イエスは汝の敵を愛せよと言われたが、どのようにして私たちは敵を愛することが出来るようになるのか。イエスは敵を好きになれとは言われなかった。我々の子供たちを脅かし、我々の家に爆弾を投げてくるような人をどうして好きになることが出来よう。しかし、好きになれなくても私たちは敵を愛そう。何故ならば、敵を憎んでもそこには何の前進も生まれない・・・自分たちのためにも憎しみを捨てよう。愛は贖罪の力を持つ。愛が敵を友に変えることの出来る唯一の力なのだ」。

・「敵を愛せ」というイエスの教えの中で、今回のロシアによるウクライナ侵略をどう考えるべきなのか。国際法上、自衛のための戦争は赦されるし、日本国憲法9条でも「急迫不正の侵害があった場合の防衛はできる」と解釈されている。しかし「右のほほを打たれたら左のほほを出せ」、「剣を取る者は皆、剣で滅びる」と言われたイエスはこの事態に何をせよ言われるのだろうか。答えが見いだせない。

-ニック・マンスフィールド(イギリス・哲学者)「戦争は社会関係を破壊し、人間の身体を粉々にし、人権を蹂躙するので、我々は当然のように拒否する。しかし我々は社会を維持し、脅かされた生命を保護し、権利を拡大するために、戦争に頼ることもある。戦争は人を殺すが、それと同時に人を救うものなのだ」。

-マタイ26:52「そこで、イエスは言われた。『剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる』」。

 

2.人を裁くな

 

・「人を裁くな」の教えは、他者を裁き続ける人間の欠点を鋭く衝いている。イエスの戒めを聞いて、初めて自分の身勝手に気づく人がどこにでもいるはずだ。

-ルカ6:37-38「人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。人を罪人だと決めるな。そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。押し入れ、揺すり入れ、あふれるほどに量りをよくして、ふところに入れてもらえる。あなたがたは自分の量る秤で量り返されるからである」。

・イエスは独善的裁きを行う者を偽善者と呼ぶ。人間は他人の欠点は見えるが、自分の欠点は見えない。他人を批判しながら、自分の誤りに気付こうともしない人々に、イエスは「おが屑と丸太の教え」を説く。

-ルカ6:41-42「あなたは兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中にある丸太に気付かないのか。自分の目にある丸太を見ないで、兄弟に向かって、『さあ、あなたの目にあるおが屑を取らせてください』と、どうして言えるだろうか。偽善者よ。まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。」

 

3.実によって木を知る

 

・イエスは外見ではなく、「実を見て木を知れ」と教えておられる。良い実は生命を養う食べ物になるが、悪い実は生命を損なう。

-ルカ6:43-45「『悪い実を結ぶ良い木はなく、また、良い実を結ぶ悪い木はない。木は、それぞれ、結ぶ実にとって分かる。茨からいちじくは採れないし、野ばらからぶどうは集められない。善い人は良いものを入れた心の倉から良いものを出し、悪い人は悪いものを入れた倉から悪いものを出す。人の口は心からあふれ出ることを語るのである。』」

・「人の口は心からあふれ出ることを語る」、人は他人の悪口が好きであり、そのことが多くの人の心を引き裂く。私たちは自分の舌を制御できない存在であることを認めるべきだ。

-ヤコブ3:8-10「舌を制御できる人は一人もいません。舌は、疲れを知らない悪で、死をもたらす毒に満ちています。私たちは舌で、父である主を賛美し、また、舌で、神にかたどって造られた人間を呪います。同じ口から賛美と呪いが出て来るのです。私の兄弟たち、このようなことがあってはなりません」。

 

4.家と土台

 

・イスラエル南部の荒野では、河床は雨季には水が溢れるが、乾季は干上がり平らになっている。平らだから家を建てやすいが、雨季には水没するから、そこに家を建ててはいけない。

-ルカ6:46-49「『私を「主よ、主よ」と呼びながら、なぜ私の言うことを行わないのか。私のもとに来て、私の言葉を聞き、それを行う人が皆、どんな人に似ているかを示そう。それは、地面を深く掘り下げ、岩の上に土台を置いて家を建てた人に似ている。洪水になって川の水がその家に押し寄せたが、しっかり建ててあったので揺り動かすことができなかった。しかし、聞いても行わない者は、土台なしで地面に家を建てた人に似ている。川の水が押し寄せると、家はたちまち倒れ、その壊れ方がひどかった。』」

・風雨で家が倒れるか倒れないかは、土台の良し悪しで決まる。信と行が一致する人は、岩の上に家を建てた賢い人と言えるが、信と行が矛盾する人は、砂の上に家を建てた愚かな人だと言われている。イエスの言葉を信じて行う人は、人生の風雨を耐え抜ける。形だけ信じてもそのような信仰は崩れる。

-マタイ7:24-27「私のこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。私のこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった。」

・「種まきの譬え」は、種の落ちた地の良し悪しによって、収穫が大きく異なることを示唆する。

-マタイ13:4-9「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。ほかの種は、石だらけの土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。ほかの種は茨の間に落ち、茨が伸びてそれをふさいでしまった。ところが、ほかの種は、良い土地に落ち、実を結んで、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍にもなった。耳のあるものは聞きなさい。」

・私たちは伝道の成果が実らない時、その人は悪い地だったとあきらめる。しかし、イエスは無駄になる種があっても気にされなかった。良い種は芽を出し、成長し、豊かに実をつけることを知っておられたからだ。だから、失われていく種があっても平気であり、むしろ豊かな収穫を予期しながら、希望に満ちて種を蒔かれた。教会建設にはこのイエスの楽観論が必要だ。何故なら、私たちは、福音の種は力を持ち、豊かな収穫をもたらすことを知るからだ。神は私たちの小さな群れに、この地に信仰共同体を建設することも許された。維持のために教会堂も与えられた。初代の弟子たちが困難の中でイエスに従って行った素晴らしい体験を、現代の私たちも辿るのである。

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