江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2020年3月4日祈祷会(第一ペテロ2章、異教社会の中での証しの生活)

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1.聖なる祭司となれ

 

・ペテロの手紙は、ペテロが弟子シルワノに口述筆記させて、アジア州に住む異邦人改宗者にあてて書いた手紙と言われる。アジア州の異邦人改宗者たちは迫害の中にあって苦しんでいた。ペテロは、彼らに、「キリストに出会って新しくされたのだから、古い過去を捨て、霊の乳を飲んで育ちなさい」と勧める。

-第一ペテロ2:1-2「悪意、偽り、偽善、ねたみ、悪口をみな捨て去って、生まれたばかりの乳飲み子のように、混じりけのない霊の乳を慕い求めなさい。これを飲んで成長し、救われるようになるためです」。

・それは「御言葉に養われ、キリストを土台として、キリストの祭司になる」ことだとペテロは語る。

-第一ペテロ2:3-5「主のもとに来なさい。主は、人々からは見捨てられたのですが、神にとっては選ばれた、尊い、生きた石なのです。あなたがた自身も生きた石として用いられ、霊的な家に造り上げられるようにしなさい。そして聖なる祭司となって神に喜ばれる霊的な生贄を、イエス・キリストを通して献げなさい」。

・人はキリストを救い主と受け入れる時、霊の家である教会の交わりの中に入れられ、人々のための祭司とさせられる。すべての信徒が祭司となる(万人祭司)。祭司は己の救いだけでなく、隣人の救いをも執り成す。

-第一ペテロ2:9-10「あなたがたは、選ばれた民、王の系統を引く祭司、聖なる国民、神のものとなった民です。それは、あなたがたを暗闇の中から驚くべき光の中へと招き入れてくださった方の力ある業を、あなたがたが広く伝えるためなのです。あなたがたは、かつては神の民ではなかったが、今は神の民であり、憐れみを受けなかったが、今は憐れみを受けているのです」。

・祭司は霊の生贄を神に捧げる。それは「自分自身の生活」を捧げることだ。

-ヘブル13:15-16「イエスを通して賛美のいけにえ、すなわち御名をたたえる唇の実を、絶えず神に献げましょう。善い行いと施しを忘れないでください。このような生贄こそ、神はお喜びになるのです」

 

2.この世でのキリスト者の生き方

 

・手紙の読者たちは異教社会の中で信徒となり、周囲から、嘲られ、誤解され、迫害された。ペテロは言う「私たちは旅人であり、仮住まいの身」だと。

-第一ペテロ2:11-12「愛する人たち、あなたがたに勧めます。いわば旅人であり、仮住まいの身なのですから、魂に戦いを挑む肉の欲を避けなさい。異教徒の間で立派に生活しなさい。そうすれば、彼らはあなたがたを悪人呼ばわりしてはいても、あなたがたの立派な行いをよく見て、訪れの日に神をあがめるようになります」。

・私たちがキリスト者になるとは「この世では旅人になり、仮住まいの身になる」ことであれば、私たちがこの世の生活に満足し、この世を定住の場と考えているならば、信仰のあり方が間違っているのかもしれない。ではどのような生き方をするのか。それは「良き市民としての義務を果たしていく」ことだとペテロは言う。

-第一ペテロ2:13-14「主のために、すべて人間の立てた制度に従いなさい。それが、統治者としての皇帝であろうと、あるいは、悪を行う者を処罰し善を行う者をほめるために、皇帝が派遣した総督であろうと、服従しなさい」。

・世の秩序もまた神の定めたもうものであり、支配者は神の代務者として地上を支配する。だから「神を畏れ皇帝を敬いなさい」。

-第一ペテロ2:15-17「善を行って、愚かな者たちの無知な発言を封じることが、神の御心だからです。自由な人として生活しなさい。しかし、その自由を、悪事を覆い隠す手だてとせず、神の僕として行動しなさい。すべての人を敬い、兄弟を愛し、神を畏れ、皇帝を敬いなさい」。

・ここで「神を畏れなさい」とまず言われ、次に「皇帝を敬いなさい」と言われている。神と皇帝を区分し、「神は畏れるが皇帝は敬う」。「神のものは神に、皇帝のものは皇帝へ」とイエスが言われた言葉をペテロもまた継承している。だから皇帝が神の委託を超えて専制化した時には、「神に従うが皇帝には従わない」。

-使徒言行録5:29「ペトロと他の使徒たちは答えた“人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません”」。

・ペテロは次に奴隷について言及する。「奴隷である者は、奴隷であると言う現実を受け入れ、その現実の中で信仰者として生きなさい」。

-第一ペテロ2:18-19「召し使いたち、心からおそれ敬って主人に従いなさい。善良で寛大な主人にだけでなく、無慈悲な主人にもそうしなさい。不当な苦しみを受けることになっても、神がそうお望みだとわきまえて苦痛を耐えるなら、それは御心に適うことなのです」。

・当時の地中海世界は奴隷社会であり、教会の中に多くの奴隷たちがいた。その中には無慈悲な主人たちもいたが、「彼らにも従え」とペテロは語る。何故ならば、「キリストもあなたがたのために苦しみを受け、その足跡に続くようにと、模範を残されたからだ」。ペテロは奴隷たちに、奴隷であると言う現実を受け入れ、その現実の中で信仰者として生きよと勧める。「キリストは十字架を負われた。あなたが奴隷として受ける不当な苦難こそ、あなたの負うべき十字架だ」と。

-第一ペテロ2:20-21「罪を犯して打ちたたかれ、それを耐え忍んでも、何の誉れになるでしょう。しかし、善を行って苦しみを受け、それを耐え忍ぶなら、これこそ神の御心に適うことです。あなたがたが召されたのはこのためです。というのは、キリストもあなたがたのために苦しみを受け、その足跡に続くようにと、模範を残されたからです」。

・奴隷への呼びかけの後に、ペテロは妻たちへ呼びかける。当時の妻たちは、夫の所有物であり、奴隷のような存在だった。ペテロは教会の中にいる妻たちに、「夫に従うように」と勧める

-第一ペテロ3:1-2「妻たちよ、自分の夫に従いなさい。夫が御言葉を信じない人であっても、妻の無言の行いによって信仰に導かれるようになるためです。神を畏れるあなたがたの純真な生活を見るからです」。

・キリストの死によりあなたはいやされた。だから今度はあなたが他の人をいやしていく。救いを自分だけにとどめてはいけない。あなたは祭司にさせられたのだ。

-第一ペテロ2:22-25「この方は、罪を犯したことがなく、その口には偽りがなかった。ののしられてもののしり返さず、苦しめられても人を脅さず、正しくお裁きになる方にお任せになりました。そして、十字架にかかって、自らその身に私たちの罪を担ってくださいました。私たちが、罪に対して死んで、義によって生きるようになるためです。そのお受けになった傷によって、あなたがたはいやされました。あなたがたは羊のようにさまよっていましたが、今は、魂の牧者であり、監督者である方のところへ戻って来たのです」。

 

3.第一ペテロ2章の黙想(社会の矛盾の中でどう生きるか)

 

・教会は人々に教えた「洗礼を受けてキリストに結ばれたあなたがたは皆、キリストを着ているからです。そこではもはや、ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女もありません。あなたがたは皆、キリスト・イエスにおいて一つだからです」(ガラテヤ3:27-28)。この教えを聞いて、社会的差別の中にあった奴隷や婦人たちが教会に集まってきた。しかし、社会の現実は教会の教えとは異なっていた。その現実の中で、ペテロは奴隷や妻たちに「従いなさい」と命じる。

・それは、「キリストが私たちのために十字架を負って下さったから、私たちも与えられた十字架を負っていく。その時、無慈悲な主人や夫を愛していく生きかたが生まれる」からである。それは「あきらめの教え」、「忍従の教え」ではなく、「積極的従属」と呼ばれる教えである。主にある従属を選び取る行為であり、この積極的従属こそ、ペテロが、異教社会の中で生きる人々に求めるものである。

-第一ペテロ3:9「悪をもって悪に、侮辱をもって侮辱に報いてはなりません。かえって祝福を祈りなさい。祝福を受け継ぐためにあなたがたは召されたのです」。

・キリスト者としての生き方を理解してくれる人は多くないだろう。それでも良いではないか。積極的従属を通して、「キリストに出会った者がどのような生き方をするのか」を世に示しなさいとペテロは語る。与えられた環境が変えることのできるものなら、変えていく努力をする。しかし、それが難しいのであれば、与えられた環境を神からいただいたものとして受け入れていく。その時、あなたがたとえ、奴隷であり、妻であり、臣下であっても、全くの自由人になる。キリスト者の自由とは、「主に在って人に仕える自由」なのだ。神を畏れ、人を敬う生活を行うことによって、あなた方は主の証し人になるのだ。

-ライオンホルド・ニーバーの祈り「神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えて下さい。変えるべきものを変える勇気を、そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えて下さい。一日一日を生き、この時をつねに喜びをもって受け入れ、困難は平穏への道として受け入れさせて下さい。これまでの私の考え方を捨て、イエス・キリストがされたように、この罪深い世界をそのままに受け入れさせて下さい。あなたのご計画にこの身を委ねれば、あなたが全てを正しくされることを信じています。そして、この人生が小さくとも幸福なものとなり、天国のあなたのもとで永遠の幸福を得ると知っています。アーメン」。

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