江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2008年4月2日祈祷会(ルカ1章、洗礼者ヨハネと救世主イエス)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.ヨハネの誕生

・64年のローマ大火を契機に起こったキリスト教徒迫害の中で、キリスト教信仰をローマ社会に対して擁護する2冊の本が書かれ、ローマの高官に捧げられた。それがルカ福音書と使徒言行録である。
−ルカ1:1-4「私たちの間で実現した事柄について、最初から目撃して御言葉のために働いた人々が私たちに伝えたとおりに、物語を書き連ねようと、多くの人々が既に手を着けています。そこで、敬愛するテオフィロさま、 私もすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。お受けになった教えが確実なものであることを、よく分かっていただきたいのであります」。
・ルカはまず洗礼者ヨハネの誕生から筆をとる。ヨハネがメシアの先駆者エリヤだと信じた故である。
−マラキ3:23-24「見よ、私は大いなる恐るべき主の日が来る前に、預言者エリヤをあなたたちに遣わす。彼は父の心を子に、子の心を父に向けさせる。私が来て、破滅をもって、この地を撃つことがないように」。
・ヨハネの父ザカリアはヨハネが生まれた時、主を賛美して歌った。ベネディクトスと呼ばれる賛歌である。
−ルカ1:76-79「幼子よ、お前はいと高き方の預言者と呼ばれる。主に先立って行き、その道を整え、主の民に罪の赦しによる救いを知らせるからである。これは我らの神の憐れみの心による。この憐れみによって、高い所からあけぼのの光が我らを訪れ、暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、我らの歩みを平和の道に導く。」
・ルカは身重のマリアがヨハネの母エリサベトを訪問した時、エリサベトの腹の子ヨハネが主に出会って踊ったと伝える。しかし、これは伝承であり、実際はイエスとヨハネは旧知の間柄ではなかった。
−ルカ7:18-19「ヨハネは弟子の中から二人を呼んで、主のもとに送り、こう言わせた『来るべき方は、あなたでしょうか。それとも、ほかの方を待たなければなりませんか』」。
・おそらくはヨハネ伝の伝えるように、ヨハネが神の国運動を始めた時、イエスはヨハネの下に行って洗礼を受け、そこからイエスの宣教活動が始まったのであろう。洗礼者ヨハネは次のように証言する。
−ヨハネ1:32-34「私はこの方を知らなかった。しかし、水で洗礼を授けるために私をお遣わしになった方が、 “霊”が降って、ある人にとどまるのを見たら、その人が、聖霊によって洗礼を授ける人であると私に言われた。私はそれを見た。だから、この方こそ神の子であると証ししたのである。」

2.イエス誕生の預言

・ルカはイエスが生まれる前に、マリアに天使からの受胎告知があったと記す。
−ルカ1:26-33「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」
・マリアは何故自分に神の子が宿るのかはわからなかったが、わからないままにそれを受入れたとルカは記す。
−ルカ1:34-38「マリアは天使に言った『どうして、そのようなことがありえましょうか。私は男の人を知りませんのに』。天使は答えた『聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。・・・ 神にできないことは何一つない』。マリアは言った『私は主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように』」。
・私たちは、マリアの処女懐胎が歴史的事実なのか、伝承なのか、知らない。初代教会もこのことには関心を示していない(マルコ、ヨハネ、パウロには記述がない)。ルカは旧約の預言の成就として処女懐胎を表現した。
−イザヤ7:14「それゆえ、私の主が御自らあなたたちにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み、その名をインマヌエルと呼ぶ」。
・大事な事は神の行為として、イエスが生まれられたことだ。信仰の中核は十字架と復活であり、イエスの神性も無罪性も処女降誕には依存しない。この問題は信仰の本質を形成する事柄ではない。
−ヨハネ1:14「言は肉となって、私たちの間に宿られた。私たちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた」。
・マリアの賛歌(マグニフィカット)もルカが自分の信仰をマリアに語らせたものであろう。サムエル記2章ハンナの歌を基底にした歌であり、旧約の伝承に立つ歌だ。その内容はルカ6章の「平野の祝福」に繰り返される。
−ルカ1:51-54「主はその腕で力を振るい、思い上がる者を打ち散らし、権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、飢えた人を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます。その僕イスラエルを受入れて、憐れみをお忘れになりません」。

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