江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2008年3月19日祈祷会(使徒言行録27章、嵐の中をローマへ)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.パウロの乗った船を襲う嵐

・パウロは裁判を受けるためにローマへ護送されることになり、百人隊長ユリウスに身柄を預けられ、船でローマへ向かう。カイザリアを出港した船は陸地沿いに航行し、クレタ島までは順調な航海だった。
−使徒言行録27:3-8「キプロス島の陰を航行し、キリキア州とパンフィリア州の沖を過ぎて、リキア州のミラに着いた。・・・ 幾日もの間、船足ははかどらず、ようやくクニドス港に近づいた。ところが、風に行く手を阻まれたので、サルモネ岬を回ってクレタ島の陰を航行し・・・ラサヤの町に近い「良い港」と呼ばれる所に着いた」。
・クレタ島に着いたときは10月の終わりだった。地中海では11〜3月の冬季は冬風が強いため航行できない。パウロは危険だから、「良い港」で冬を越すように提言するが、百人隊長は船長たちの助言に従い、出航を強行する。
−使徒言行録27:9-12「既に断食日も過ぎていたので、航海はもう危険であった。それで、パウロは人々に忠告した・・・しかし、百人隊長は、パウロの言ったことよりも、船長や船主の方を信用した」。
・パウロが懸念した嵐が船を襲う。人々は積荷を捨てたが、ついには船具も捨てて、船は漂流する。太陽も星も見えず、嵐に翻弄された人々は助かる望みも消えうせようとしていた。
−使徒言行録27:14-20「間もなく「エウラキロン」と呼ばれる暴風が、島の方から吹き降ろして来た。船はそれに巻き込まれ、風に逆らって進むことができなかったので、私たちは流されるにまかせた。・・・ひどい暴風に悩まされたので、翌日には人々は積荷を海に捨て始め、三日目には自分たちの手で船具を投げ捨ててしまった。幾日もの間太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶので、ついに助かる望みは全く消えうせようとしていた」。
・その中でパウロは人々に元気を出すように励ます。神が私に、「あなたはローマに行かなければいけないので、ここでは死なない。同乗している人々の命も安全だ」と言われたとして、希望を捨てないように説いた。
−使徒言行録27:22-26「元気を出しなさい。船は失うが、皆さんのうちだれ一人として命を失う者はないのです。私が仕え、礼拝している神からの天使が昨夜私のそばに立って、こう言われました『パウロ、恐れるな。あなたは皇帝の前に出頭しなければならない。神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せてくださったのだ』。・・・私は神を信じています。私に告げられたことは、そのとおりになります」。

2.嵐の中をローマへ

・そこは暗礁の多い危険地帯だった。船員たちは船から逃げ出そうとしたが、パウロはそれを防止する。嵐の中でパウロは人々に、食事を取って体力を回復することを勧める。人々は共に食事を取り、元気を取り戻した。
−使徒言行録27:33-38「夜が明けかけたころ、パウロは一同に食事をするように勧めた『今日で十四日もの間、皆さんは不安のうちに全く何も食べずに、過ごしてきました。だから、どうぞ何か食べてください。生き延びるために必要だからです。あなたがたの頭から髪の毛一本もなくなることはありません』。パウロは、一同の前でパンを取って神に感謝の祈りをささげてから、それを裂いて食べ始めた。そこで、一同も元気づいて食事をした」。
・やがて陸地が見えてきた。人々は船を砂地に乗り入れて、泳いで陸地に向かった。全員が無事に上陸した。
−使徒言行録27:39-44「朝になって、どこの陸地であるか分からなかったが、砂浜のある入り江を見つけたので、できることなら、そこへ船を乗り入れようということになった。そこで、錨を切り離して海に捨て、同時に舵の綱を解き、風に船首の帆を上げて、砂浜に向かって進んだ。・・・泳げる者がまず飛び込んで陸に上がり、残りの者は板切れや船の乗組員につかまって泳いで行くように命令した。このようにして、全員が無事に上陸した」。
・パウロは嵐の中でも平静を失わず、絶望する人々を励まし、ついには命を助けた。パウロの安心の根拠になったのは、「私はいつも共にいる」という主の言葉だった。
−使徒言行録23:11「その夜、主はパウロのそばに立って言われた『勇気を出せ。エルサレムで私のことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない』」。
・嵐あるいは極限の危険は人々を回心に導く。「Amazing grace」の作者ジョン・ニュートンもその経験をした。*父が地中海航路の船長だったジョン・ニュートンは11歳から船に乗るようになり、やがて黒人奴隷を運ぶ船長となった。1748年、彼の船がアフリカからアメリカに向かっていた時、船は大嵐に遭遇した。もう助かるまいと観念する程の命の危険にさらされた時、ジョンは初めて「神様、助けてください。」と叫んだ。この嵐もおさまった時、ジョンは母が残してくれた形見の聖書を取り出して読み始めた。神は、恐ろしい罪にまみれているジョンの姿を、はっきりと示された。奴隷商人として生きてきたこれまでの人生を彼は悔いた。「神様、こんな私でも救われますか」と彼は思わずひざまずいていた。「子よ。しっかりしなさい。あなたの罪は赦された」。その声を聞いて、ジョンはイエス・キリストを自分の救い主と信じ、まったく新しい人に変えられた。だから彼は書く「Amazing grace! How sweet the sound. That saved a wretch like me. Once was lost, but now am found. Was blind, but now I see.」

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