江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2008年8月13日祈祷会(ルカ19章、エルサレムに急がれる主)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.ザアカイの物語とムナの例え

・イエスはエルサレムに向かわれる途上のエリコでザアカイと出会われた。ザアカイはローマ帝国の徴税請負人で金持ちだったが、異邦人のために働く者として、また不正を行う者として社会から疎外されていた。
−ルカ19:1-4「イエスはエリコに入り、町を通っておられた。そこにザアカイという人がいた。この人は徴税人の頭で、金持ちであった。イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った」。
・今までザアカイに声をかけたラビはいなかった。徴税人は罪人であり、交わると汚れるとされていた。しかしイエスは偏見から自由であり、ザアカイに心を開かれた。このイエスの心の開きがザアカイを変えた。
−ルカ19:5-8「イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた『ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい』。ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。・・・ザアカイは立ち上がって、主に言った『主よ、私は財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します』」。
・律法を守っている金持ちの青年は捨てて従うことは出来なかったが(18章)、ザアカイは捨てた。自分の罪を知っていたからだ。自分を正しいと思っている者は悔い改めることが出来ない。
−ルカ19:9-10「イエスは言われた『今日、救いがこの家を訪れた。この人もアブラハムの子なのだから。人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである』」。
・イエスは人々にムナの例えを話された。イエスはエルサレムで王位を受けられるが、戴冠(神の国の実現)までには忍耐が必要なことを教えるためであった。この例えは実話を基礎にしている。ヘロデの子アケラオはユダヤ王の認証を受けるためにローマ皇帝の下に行くが、ユダヤ国民は王の即位に反対する使節をローマに送った。
−ルカ19:11-14「イエスは更に一つのたとえを話された。エルサレムに近づいておられ、それに、人々が神の国はすぐにも現れるものと思っていたからである。イエスは言われた『ある立派な家柄の人が、王の位を受けて帰るために、遠い国へ旅立つことになった。・・・しかし、国民は彼を憎んでいたので、後から使者を送り、我々はこの人を王にいただきたくないと言わせた』」。
・元来のイエスの話はマタイ25章のように、タラントを生かして用いよというものであっただろうが、ルカは「イエスがすぐにも再臨される」と期待して、なすべき宣教を怠っていた教会への警告として編集している。
−ルカ19:22-23「主人は言った『悪い僕だ。その言葉のゆえにお前を裁こう。私が預けなかったものも取り立て、蒔かなかったものも刈り取る厳しい人間だと知っていたのか。ではなぜ、私の金を銀行に預けなかったのか。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きでそれを受け取れたのに』」。

2.エルサレムへの入城

・イエスはろばに乗ってエルサレムに入城される。民衆は政治的解放者を求めていたが、イエスの王冠は平和のためのものであることを人々に示すためであった。
−ゼカリヤ9:9-10「見よ、あなたの王が来る。彼は神に従い、勝利を与えられた者。高ぶることなく、ろばに乗って来る、雌ろばの子であるろばに乗って。私はエフライムから戦車を、エルサレムから軍馬を絶つ。戦いの弓は絶たれ、諸国の民に平和が告げられる。彼の支配は海から海へ、大河から地の果てにまで及ぶ」。
・しかし民衆は理解しない。彼らは熱狂してイエスを迎えるが、イエスが政治的解放者でないことを知れば、十字架につけろと叫びだすであろう。ルカは紀元70年のエルサレム滅亡の原因をそこに見ている。
−ルカ19:41-44「エルサレムに近づき、都が見えたとき、イエスはその都のために泣いて、言われた『もしこの日に、お前も平和への道をわきまえていたなら・・・。しかし今は、それがお前には見えない。やがて時が来て、敵が周りに堡塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ、お前とそこにいるお前の子らを地にたたきつけ、お前の中の石を残らず崩してしまうだろう。それは、神の訪れてくださる時をわきまえなかったからである』」。
・エルサレムに入られたイエスは宮清めをされる。神殿の中庭でなされていた両替や犠牲動物の売買は、大祭司一族の財源になっていた。神に仕える者がその職務を通して利得行為を行っていた。清めざるを得ない。
−ルカ19:45-46「イエスは神殿の境内に入り、そこで商売をしていた人々を追い出し始めて、彼らに言われた『こう書いてある。私の家は、祈りの家でなければならない。ところが、あなたたちはそれを強盗の巣にした』」。
・それが支配者たちの憎しみを招くことをイエスは承知しておられる。既に死ぬことを前提に行為されている。
−ルカ19:47-48「毎日、イエスは境内で教えておられた。祭司長、律法学者、民の指導者たちは、イエスを殺そうと謀ったが、どうすることもできなかった。民衆が皆、夢中になってイエスの話に聞き入っていたからである」。

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