１．死から救われた者たちへ
･パウロは神に出会う前のあなたがたは罪過と罪の中に死んでいたと言う。以前はこの世を支配するサタンの奴隷として、肉の欲望のままに生活し、その果てには滅亡しかない人生だった。
−エペソ2:1-3「あなたがたは、以前は自分の過ちと罪のために死んでいたのです。この世を支配する者、かの空中に勢力を持つ者、すなわち、不従順な者たちの内に今も働く霊に従い、過ちと罪を犯して歩んでいました。私たちも皆、こういう者たちの中にいて、以前は肉の欲望の赴くままに生活し、肉や心の欲するままに行動していたのであり、ほかの人々と同じように、生まれながら神の怒りを受けるべき者でした」。
･神を知らない人は自分たちを神とし、自分たちの利益のために争いあう。そこにおいて生きる事は相手への貪りとなり、貪りは争いを生み、争いは平安を壊し、私たち自身もその中で滅ぼされてしまう。
−ガラテヤ5:19-21「肉の業は明らかです。それは、姦淫、わいせつ、好色、偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、怒り、利己心、不和、仲間争い、ねたみ、泥酔、酒宴、その他このたぐいのものです。・・・このようなことを行う者は、神の国を受け継ぐことはできません」。
･神はキリストの十字架を通して、私たちと和解して下さった。キリストが死から復活され召天された出来事は私たちの上にも起こった。私たちは単に罪が赦されたのではなく、新しい命が付与されたのだ。
−エペソ2:4-6「神は、私たちをこの上なく愛してくださり、その愛によって、罪のために死んでいた私たちをキリストと共に生かし・・・キリスト・イエスによって共に復活させ、共に天の王座に着かせて下さいました」。
･神が私たちを救われたのは、私たちを通して神の恵みを伝えるためだ。個人の幸福、救いを超えた出来事として、私たちは召されている。神との正しい関係に入った時、私たちは良い業を行い、その業を通して神を証しする。
−エペソ2:8-10「あなたがたは、恵みにより、信仰によって救われました。このことは、自らの力によるのではなく、神の賜物です・・・何故なら、私たちは神に造られたものであり、しかも、神が前もって準備してくださった善い業のために、キリスト・イエスにおいて造られたからです。私たちは、その善い業を行って歩むのです」。
２．キリストにおける一致
･あなたがたは、かつては異邦人、割礼のないものであり、神を知らず、救いの望みもなかった。
−エペソ2:11-12「あなたがたは以前には肉によれば異邦人であり、いわゆる手による割礼を身に受けている人々からは、割礼のない者と呼ばれていました。また、そのころは、キリストとかかわりなく、イスラエルの民に属さず、約束を含む契約と関係なく、この世の中で希望を持たず、神を知らずに生きていました」。
・キリストの十字架により、あなたがたも約束の民とされた。ギリシア人ユダヤ人はお互いに相手を蔑視し交わろうとしなかった。しかし、キリストの死によって、異邦人とユダヤ人にあった隔ての壁は取払われてしまった。
−エペソ2:14-16「キリストは私たちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました」。
･神と和解した人は他者とも和解する。こうして十字架の和解はギリシア人とユダヤ人の和解をもたらした。
−ガラテヤ3:27-28「洗礼を受けてキリストに結ばれたあなたがたは皆、キリストを着ているからです。そこではもはや、ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女もありません。あなたがたは皆、キリスト・イエスにおいて一つだからです」。
･神との和解は人との和解をもたらす。もし、私たちが人と不和にあるならば、それは神との和解がないからだ。
−?ヨハネ4:20「神を愛していると言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません」。
･こうして私たちは一つの家族、神の家族になっていく。教会は家族共同体であるから、お互いを兄弟姉妹と呼ぶ。
−エペソ2:19-21「あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族であり、使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります」。
･民族と民族が、人と人がいがみ合い、ののしりあう世界の中で、私たちは教会を形成する。キリストにおいて一つになることは互いの特性を捨てるのではない。違ったままで一つになるのだ。教会はそれが可能になる場所だ。
-キリストにある男、キリストにある女、キリストと言う共通点を持ちながら、男であり女である。