江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2024年3月7日祈祷会(申命記11章、祝福と呪い)

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1.主に従え

 

・モーセは民に語る「あなたたちはこれから約束の地に入る。あなたたちの子供たちはエジプトと荒野で為された神の業を知らない。しかし、あなたたちは神の力をその目で見た。だから子にも教えよ」と。

-申命記11:2-7「あなたたちは、あなたたちの神、主の訓練を知ることも見ることもない子孫とは違うことを、今日知らねばならない。その大いなる御業、強い御手と伸ばされた御腕、エジプトの中でエジプトの王ファラオとその全土に対してなさったしるしと御業、エジプト軍、その馬と戦車に対して為さったこと・・・あなたたちがここに来るまで主が荒れ野で為さったこと・・・ダタンとアビラムに為さったこと、大地が口を開けて、彼らとその家、その天幕、および全イスラエルの中で彼らと行を共にした者を皆、呑み込んだことなど、主の為さった大いなる御業をすべて、あなたたちは自分の目で見てきた」。

・だからあなたたちは、私の言葉を心に留め、子ども達にも繰り返し教えよ。

-申命記11:18-21「あなたたちはこれらの私の言葉を心に留め、魂に刻み、これをしるしとして手に結び、覚えとして額に付け、子供たちにもそれを教え、家に座っている時も道を歩く時も、寝ている時も起きている時も、語り聞かせ、あなたの家の戸口の柱にも門にも書き記しなさい」。

・「あなたたちは私に従え、そうすれば約束の地での豊かな生活が祝福として与えられるだろう。そこはエジプトのように、水をやるために灌漑設備を作る必要などない、天からの雨で潤された地なのだ」。

-申命記11:8-12「あなたたちは、私が今日命じるすべての戒めを守りなさい。こうして、あなたたちは勇ましくなり、川を渡って、得ようとしている土地に首尾よく入り、それを得ることができる・・・あなたが入って行って得ようとしている土地は、あなたたちが出て来たエジプトの土地とは違う。そこでは種を蒔くと、野菜畑のように、自分の足で水をやる必要があった。あなたたちが渡って行って得ようとする土地は、山も谷もある土地で、天から降る雨で潤されている。それは、あなたの神、主が御心にかけ、あなたの神、主が年の初めから年の終わりまで、常に目を注いでおられる土地である」。

 

2.祝福と呪いと

 

・「従うならば祝福が与えられる」、土地の永続的保有は主への従順が条件である。しかし、「もし従わないならば、主は天を閉ざされ、雨は降らず、あなた方は飢える」。

-申命記11:16-17「あなたたちは、心変わりして主を離れ、他の神々に仕え、それにひれ伏さぬよう、注意しなさい。さもないと、主の怒りがあなたたちに向かって燃え上がり、天を閉ざされるであろう。雨は降らず、大地は実りをもたらさず、あなたたちは主が与えられる良い土地から直ちに滅び去る」。

・生きるためには主に従わざるを得ない厳しい世界がある。荒野の出来事を体験した第一世代はそれを知る故に主に従う。しかし、次の世代はこの富は自分が築いたとして、主を忘れるだろう。主を忘れた結果、今はバビロンで捕囚にされている申命記記者は、大いなる悔いをもって同胞の民に語っている。

-申命記6:10-12「あなたの神、主が先祖アブラハム、イサク、ヤコブに対して、あなたに与えると誓われた土地にあなたを導き入れ、あなたが自ら建てたのではない、大きな美しい町々、自ら満たしたのではない、あらゆる財産で満ちた家、自ら掘ったのではない貯水池、自ら植えたのではないぶどう畑とオリーブ畑を得、食べて満足する時、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出された主を決して忘れないよう注意しなさい」。

・今、あなたたちの前に祝福と呪い、命と滅びが置かれる。選ぶのはあなたたちだ。

-申命記11:26-28「見よ、私は今日、あなたたちの前に祝福と呪いを置く。あなたたちは、今日、私が命じるあなたたちの神、主の戒めに聞き従うならば祝福を、もし、あなたたちの神、主の戒めに聞き従わず、今日、私が命じる道をそれて、あなたたちとは無縁であった他の神々に従うならば呪いを受ける」。

・福音宣教もそうだ。福音を受け入れない人は必ずいる。その人々には、福音(キリストの香り)は呪い、滅びの香りになる。

-第二コリ2:14-16「神は、私たちをいつもキリストの勝利の行進に連ならせ、私たちを通じて至るところに、キリストを知るという知識の香りを漂わせてくださいます。救いの道をたどる者にとっても、滅びの道をたどる者にとっても、私たちはキリストによって神に献げられる良い香りです。滅びる者には死から死に至らせる香りであり、救われる者には命から命に至らせる香りです」。

・私たちは福音を伝える。人が受け入れるかどうかは、私たちにはわからない。しかし受け入れない者には滅びしかないと福音書は語る。

-ルカ9:5「だれもあなたがたを迎え入れないなら、その町を出ていく時、彼らへの証しとして足についた埃を払い落としなさい。十二人は出かけて行き、村から村へと巡り歩きながら、至るところで福音を告げ知らせた」。

 

3.福音を受け入れない人々に私たちはどう対応するのか

 

・今日でも多くの人々は福音を受けいれない。東方敬信は「教会を通り過ぎていく人たち」を翻訳した。その本は、「現代の米国を代表する説教者ウィリアム・ウィリモンと神学者スタンリー・ハワーワスによる対話であり、ウィリモンの10編の説教を、聴き手であるハワーワスが批評する形で構成されている。教会や大学の礼拝に出席することはあっても根付くことのない人たち、つまり「教会を通り過ぎていく人たち」にどうやって福音を伝えていくか。日本の教会やキリスト教主義大学でも大きな課題である。

・ウィリモンはデューク大学チャペルの主任牧師であり、毎週日曜日、同チャペルには満杯になるほどの人が集まるという。しかしその多くは「通り過ぎていく人々(ストレンジャー)」である。彼らに説教をすることは、共通の伝統を持たない人々に説教をすることを意味するとハワーワスは言う。そこが、洗礼を受けた会衆が集う普通の教会との違いだが、ハワーワスは、今日の教会のほとんどの説教が「通り過ぎていく人々」に対してなされていると指摘する。ウィリモンも、福音伝道の説教は、キリストの名において寄留者(ストレンジャー)たちへのもてなしを提供する説教だと述べている。「通り過ぎていく人々」への説教は、聴き手に迎合することではない。聴き手にも、語られていることを聴き取る「耳」が必要なのだ。説教は説教者にも聴き手にも変革を要求して来るのである。

・人々は教会に来て、自分の希望が満たされ、不幸が取り除かれることを求め、それを語る者を好む。しかしそのような預言は役に立たない。真実ではないからだ。その時、宗教は麻薬になる。カール・バルトは「人々を満足させる牧師」という説教を通して、聴衆の聞きたがる言葉を語る偽預言者を批判した。

-カール・バルト説教選集6巻より「偽りの預言者とは、人々に満足を与える牧師のことである。彼は福音の説教者、牧会者、奉仕者と呼ばれるが、しかし彼は人間たちの被用者にすぎない。彼は自分が神の名において語っていると夢想しているが、彼は世論の名において、立派な人々の名において語っているに過ぎない。キリスト教はあなた方にとって好ましく重要なものである。あなた方は生活の美しい飾りとしてそれを好む。しかし、神の霊とこの世の霊との間には平和はない。神の意志と人間の意志との間の平和を説教し、現在の生と新しい生を穏やかに賢く結び付け、民が築く隙間の多い壁に宗教と言う漆喰を上塗りし、人々を満足させようとする、そのようなことには何の意味もない」。

・2500年前に語られた偽預言への警告は、今日では、宗教を商売にする牧師たちに向かって語られる。E.H.ピーターソンはその著「牧会者の神学」の中で、神の言葉を取次ごうとしない牧師たちに警告する。

-牧会者の神学から「アメリカの牧師たちは企業経営者の一群に変容してしまった・・・それは『宗教という商店経営』であって、商店経営という点においては他の商売となんら変わることはない。目覚めている時、これらの企業家たちの心を占めていることはファーストフード店の経営戦略と同じような関心である。眠っている時、彼らが夢見ていることはジャーナリストの注目を集めるような成功である」。

・日本人の親たちは子供たちをミッションスクールに入れるのに熱心だ。多くのキリスト教系学校の偏差値は高く、英語を学べるし、しつけも厳しい。しかし、親たちは子供たちがクリスチャンになることは好まず、あくまでも教養としてのキリスト教を求める。また多くの若者たちは教会での結婚式を希望するが、それはロマンチックで異国情緒があるからであり、神の前で結婚の誓約には無関心だ。そこにあるのは「文化としてのキリスト教」だ。しかし私たちが伝えたいのは「福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力だ」(1:16)というメッセージである。ミッションスクールで学ぶ子供たちとその親が「受洗したい」と願うような伝道をしたい。

・預言者は真実を語る故に迫害される。しかし、真実は語らなければいけない。

-ルカ6:22-26「人々に憎まれる時、また、人の子のために追い出され、ののしられ、汚名を着せられるとき、あなたがたは幸いである・・・この人々の先祖も、預言者たちに同じことをしたのである・・・すべての人にほめられる時、あなたがたは不幸である。この人々の先祖も、偽預言者たちに同じことをしたのである」。

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