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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2020年3月12日祈祷会(列王記下14-15章、諸王の歴代史と北イスラエルの衰退)

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1.ユダ王アマツヤの治世

 

・ユダ王ヨアシュは祖母アタルヤの殺戮から逃れ、7歳で王位につき、40年間を治めたが、最後は家臣の反逆によって殺されていった。その後に、ヨアシュの子アマツヤが王として立てられた。

-列王記下14:1-4「ユダの王ヨアシュの子アマツヤが王となった。彼は二十五歳で王となり、二十九年間エルサレムで王位にあった・・・彼は父祖ダビデほどではなかったが、父ヨアシュが行ったように、主の目にかなう正しいことをことごとく行った」。

・アマツヤは父を殺した家臣たちの子を殺さなかった。そこに列王記記者はアマツヤ王の正しさを見る。

-列王記下14:5-6「彼は・・・殺害者の子供たちは殺さなかった。主がこう命じておられるからである『父は子の故に死に定められず、子は父の故に死に定められない。人はそれぞれ自分の罪の故に死に定められる』」。

・そのアマツヤもエドム征服を機に増長し、奢り高ぶってイスラエル王国に戦いを挑み、敗れる。

-列王記下14:11-14「イスラエルの王ヨアシュは上って来て、ユダのベト・シェメシュでユダの王アマツヤと戦いを交えた。ユダはイスラエルに惨敗し、兵はその天幕に逃げ帰ってしまった。イスラエルの王ヨアシュは・・・主の神殿と王宮の宝物庫にあるすべての金と銀、祭具および人質を取って、サマリアに凱旋した」。

・アマツヤは部下の謀反により、父と同じく殺されていく。ユダ王国も平和ではなかった。

-列王記下14:17-19「ユダの王、ヨアシュの子アマツヤ・・・に対する謀反がエルサレムで企てられたため、彼はラキシュに逃れたが、ラキシュに送られた追っ手によって殺された」。

 

2.イスラエル王ヤロブアム2世の治世

 

・14章後半は北イスラエル・ヤロブアム2世時代を描く。歴史的には北イスラエルはヤロブアム2世時代の41年間に、前代未聞の繁栄を享受した。しかし、列王記記者はそれを全く評価しない。

-列王記下14:23-24「ユダの王、ヨアシュの子アマツヤの治世第十五年に、イスラエルの王、ヨアシュの子ヤロブアムがサマリアで王となり、四十一年間王位にあった。彼は主の目に悪とされることを行い、イスラエルに罪を犯させたネバトの子ヤロブアムの罪を全く離れなかった」。

・彼はハマトの入り口(レバノン国境)から、アラバの海(死海)までの領域に渡る支配を確立した。それはソロモン王の時代にも匹敵する領土だった。そのヤロブアム2世時代にアモスとホセアが預言活動を始めている。国は栄えたが、道徳的には腐敗した時代でもあった。

-アモス2:6-8「彼らが正しい者を金で、貧しい者を靴一足の値で売った。彼らは弱い者の頭を地の塵に踏みつけ、悩む者の道を曲げている。父も子も同じ女のもとに通い私の聖なる名を汚している。祭壇のあるところでは、その傍らに質にとった衣を広げ、科料として取り立てたぶどう酒を、神殿の中で飲んでいる」。

-ホセア1:1-2「イスラエルの王ヨアシュの子ヤロブアムの時代に、ベエリの子ホセアに臨んだ主の言葉。主がホセアに語られたことの初め。主はホセアに言われた『行け、淫行の女をめとり、淫行による子らを受け入れよ。この国は主から離れ、淫行にふけっているからだ』」。*淫行=姦淫=偶像礼拝を指す。

 

3.北イスラエル王国の最後の日々

 

・ユダではアマツヤの子アザルヤ(ウジヤ)が即位し、52年間の繁栄の時を過ごした。アザルヤは歴代誌ではウジヤと呼ばれる。彼の時代に領土は広がり、国は繁栄した。

-歴代史下26:6-8「ウジヤは出て行ってペリシテ人と戦い、ガトの城壁、ヤブネの城壁、アシュドドの城壁を破壊し、アシュドドをはじめペリシテ人の地方に幾つかの町を建てた。神は彼を助け、ペリシテ人のみならずグル・バアルに住むアラブ人やメウニム人にも立ち向かわせられた。アンモン人もウジヤに貢ぎ物を献上した。ウジヤの勢いはこの上もなく増大し、その名声はエジプトに近い地方にまで届いた」。

・そのウジヤ王は晩年らい病に冒され、子のヨタムが治世を取り仕切った。ウジヤ王の死の年(前759年)に、預言者イザヤが召命を受けた。

-イザヤ6:1-8「ウジヤ王が死んだ年のことである。私は、高く天にある御座に主が座しておられるのを見た・・・ そのとき、私は主の御声を聞いた『誰を遣わすべきか。誰が我々に代わって行くだろうか』。私は言った『私がここにおります。私を遣わしてください』」。

・イスラエルではヤロブアムの子ゼカルヤが王位につくが、6ヵ月後には謀反を起こしたシャルムに殺され、イエフ王朝は滅んだ。預言の通りである(列王記下10:30)。

-列王記下15:8-10「ヤロブアムの子ゼカルヤがサマリアでイスラエルの王となり、六か月間王位にあった。彼は・・・イスラエルに罪を犯させたネバトの子ヤロブアムの罪を離れなかった。ヤベシュの子シャルムが謀反を起こし、民の前でゼカルヤを打ち殺し、代わって王となった」。

・ゼカルヤに代わって王となったシャルムは1ヵ月後にはメナヘムに殺された。前747年には三人の王が次々に代わっていった(ゼカルヤ~シャルム~メナヘム)。イスラエルは罪の故に自壊し始めていた。

-列王記下15:13-14「ユダの王ウジヤの治世第三十九年に、ヤベシュの子シャルムが王となり、一か月間サマリアで王位にあった。ガディの子メナヘムは、ティルツァからサマリアに上って来て、そのサマリアでヤベシュの子シャルムを打ち殺し、代わって王となった」。

・王国の混乱の中にアッシリアの影が延び始める。メナヘムは10年間王位にあり、子のペカフヤが王につくが彼もペカの反乱により殺される。ペカ時代にイスラエルはアッシリアに攻められ、領土の多くを失う。

-列王記下15:29「イスラエルの王ペカの時代に、アッシリアの王ティグラト・ピレセルが攻めて来て、イヨン、アベル・ベト・マアカ、ヤノア、ケデシュ、ハツォル、ギレアド、ガリラヤ、およびナフタリの全地方を占領し、その住民を捕囚としてアッシリアに連れ去った」。

・この出来事がマタイ福音書の記事の中に反映されている。

-マタイ4:12-16「(イエスは)ナザレを離れ、ゼブルンとナフタリの地方にある町、カフアルナウムに来て住まわれた。それは預言者イザヤを通して言われていたことが実現するためであった。『ゼブルンの地とナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダン川の彼方の地、異邦人のガリラヤ、暗闇に住む民は大きな光を見、死の陰の地に者に光が射し込んだ』」。

・ペカはアッシリアの支援を受けたホシュアに殺される(前731年)。

-列王記下15:30「エラの子ホシェアはレマルヤの子ペカに対して謀反を起こし、彼を打ち殺し、代わって王位についた。それはウジヤの子ヨタムの治世第二十年のことであった」。

・このホシェアの時代にイスラエルは滅ぶ。

-列王記下17:4-6「アッシリアの王は、ホシェアが謀反を企てて、エジプトの王ソに使節を派遣し、アッシリアの王に年ごとの貢ぎ物を納めなくなったのを知るに至り、彼を捕らえて牢につないだ。アッシリアの王はこの国のすべての地に攻め上って来た。彼はサマリアに攻め上って来て、三年間これを包囲し、ホシェアの治世第九年にサマリアを占領した。彼はイスラエル人を捕らえてアッシリアに連れて行き、ヘラ、ハボル、ゴザン川、メディアの町々に住ませた」。

・イスラエルを滅ぼしたのはアッシリアではなく、神であったと旧約の預言者たちは理解する。彼らは罪により自壊した。主は預言者を起こして彼らの悔い改めを求められたが、彼らは聞こうとしなかった。

-アモス7:8-9「見よ、私はわが民イスラエルの真ん中に下げ振りを下ろす。もはや、見過ごしにすることはできない。イサクの塚は荒らされイスラエルの聖なる高台は廃虚になる。私は剣をもってヤロブアムの家に立ち向かう」。

-ホセア14:1「サマリアは罰せられる。その神に背いたからだ。住民は剣に倒れ、幼子は打ち殺され、妊婦は引き裂かれる」。

 

4.列王記を読む視点としての預言者の役割

 

・申命記史家は、ダンとベテルに金の子牛の像が建てられたことがおぞましい偶像礼拝であり、ヤハウェ信仰からの逸脱だとして、「このことは罪の源となった」と非難している(王上12:30)。また、後の王の罪に対しても、「イスラエルに罪を犯させたネバトの子ヤロブアムの罪を離れなかった」という表現で繰り返し非難している(王上15:34,16:26,22:53,王下3:3,10:29,14:24,18:24等)。

・その時代に活躍したのがエリヤ、エリシャ等の初期預言者たちで、彼らは王国成立前のヤハウェ主義の伝統を大事にした。紀元前9世紀のエリヤの出現は、まさにオムリ王朝(アハブ、イゼベル)によるヤハウェ宗教そのものが弾圧された危機の時代である(王上17-18章)。また、エリヤがナボトのぶどう畑事件の時に、アハブ王の前に出現したのは、ヤハウェの法(十戒のむさぼり、偽証、殺人)が踏みにじられるという危機の時である(王上21章)。

・後の北王国におけるイエフ革命や南王国ヨシュアの宗教改革の背後には、このようなヤハウェ主義者の働きがあったであろう。イスラエルの初期預言者たちは、このような部族連合時代からのヤハウェ主義の伝統を守るグループの承認と支持のもとに、特にカナン化の影響で部族連合時代の法がないがしろにされた現実に対して、ヤハウェの使者としての自覚を持って、「罪の告発」と「裁きの宣告」をなしていったのである。このころからイザヤやエレミヤが預言を始める。

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