2019年11月21日祈祷会(列王記上22章、聞きたくないことを聞く勇気)

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  • 偽預言者の言葉を求めるアハブ王

 

・イスラエルはアラムとの戦いに勝利し、アラムがイスラエルから奪い取った国境の町ラモト・ギレアドの返還を約束させたが(20:34)、3年たっても町は返還されず、アハブ王は町を取り戻すために、アラムを撃つことを決意する。

-列王記上22:1-3「三年間、アラムとイスラエルの間には戦いがなかった。三年目になって、ユダの王ヨシャファトがイスラエルの王のところに下って来た。イスラエルの王は家臣たちに、『お前たちはラモト・ギレアドが我々のものであることを知っているであろう。我々は何もせずにいて、アラムの王の手からそれを奪い返せないままでいる』と言った」。

・アハブ王は戦力増強のためにユダ王ヨシャファトに援軍を求める。ヨシャファトは同意するが、それが「主の御心かどうかを尋ねるように」アハブに求め、アハブは宮廷預言者たちを招集する。

-列王記上22:5-6「ヨシャファトはイスラエルの王に『まず主の言葉を求めてください』と言った。イスラエルの王は、約四百人の預言者を召集し『私はラモト・ギレアドに行って戦いを挑むべきか、それとも控えるべきか』と問うた。彼らは『攻め上ってください。主は、王の手にこれをお渡しになります』と答えた」。

・宮廷預言者は宮廷の主人の喜ぶことを預言する。彼らは主に向かってではなく、人間に向かって言葉を聞いている。

-列王記上22:11-12「ケナアナの子ツィドキヤが数本の鉄の角を作って、『主はこう言われる。これをもってアラムを突き、殲滅せよ』と言うと、他の預言者たちも皆同様に預言して、『ラモト・ギレアドに攻め上って勝利を得てください。主は敵を王の手にお渡しになります』と言った」。

・ユダ王ヨシャファトは雇われ預言者たちの言葉を疑う。彼らは「主の言葉ではなく、王の言葉を聞いている」と疑ったからだ。彼はアハブに、雇われではない、主の預言者の言葉をも聞くことを求める。

-列王記上22:7-8「ヨシャファトが『ここには、このほかに我々が尋ねることのできる主の預言者はいないのですか』と問うと、イスラエルの王はヨシャファトに答えた『もう一人、主の御旨を尋ねることのできる者がいます。しかし、彼は私に幸運を預言することがなく、災いばかり預言するので、私は彼を憎んでいます。イムラの子ミカヤという者です』」。

・こうして、預言者ミカヤが呼ばれる。ミカヤは「主が私に言われる事を私は告げる」と語り、偽預言者の預言を否定した。

-列王記上22:13-23「ミカヤを呼びに行った使いの者は、ミカヤにこう言い含めた。『いいですか。預言者たちは口をそろえて、王に幸運を告げています。どうかあなたも、彼らと同じように語り、幸運を告げてください』。ミカヤは、『主は生きておられる。主が私に言われる事を私は告げる」と言った・・・『今御覧のとおり、主がこのあなたのすべての預言者の口に偽りを言う霊を置かれました。主はあなたに災いを告げておられるのです』」。

・ミカヤの預言は王を怒らせ、同時に宮廷預言者の偽りを明らかにした。王は不機嫌になり、宮廷預言者たちは怒ってミカヤを殴る。それでもミカヤは、「出陣すれば王は殺され、民は散らされる」と預言する。

-列王記上22:24-28「ケナアナの子ツィドキヤがミカヤに近づいて頬をなぐり『主の霊はどのように私を離れ去って、お前に語ったというのか』と言った。『あなたが身を隠そうと部屋から部屋へと移る日にそれが分かる』とミカヤは答えた。イスラエルの王は命じた『ミカヤを捕らえ、町の長アモンと王子ヨアシュのもとに引いて行って・・・この男を獄につなぎ、私が無事に帰って来るまで、わずかな食べ物とわずかな飲み物しか与えるな』。ミカヤは王に、『もしあなたが無事に帰って来ることができるなら、主は私を通して語られなかったはずです』と言い、『すべての民よ、あなたたちも聞いておくがよい』と言った。」。

 

2.聞きたくないことを聞く勇気を持て

 

・アハブ王はミカヤの預言に耳を傾けず、出陣する。預言通り、敵の矢を受け、戦死する。

-列王記上22:34-38「一人の兵が何気なく弓を引き、イスラエル王の鎧の胸当てと草摺りの間を射貫いた。王は御者に言った『手綱を返して敵陣から脱出させてくれ。傷を負ってしまった』。その日、戦いがますます激しくなったため、王はアラム軍を前にして戦車の中で支えられていたが、夕方になって息絶えた。傷口から血が戦車の床に流れ出ていた。日の沈むころ『おのおの自分の町、自分の国へ帰れ』という叫びが陣営の中を行き巡った。王は死んでサマリアに運ばれた。人々は王をサマリアに葬った。サマリアの池で戦車を洗うと、主が告げられた言葉のとおり、犬の群れが彼の血をなめ、遊女たちがそこで身を洗った」。

・アハブ王は死に、子のアハズヤが王位を継承したが、彼は事故で死に(列王記下1:17)、もう一人の子ヨラムは謀反で殺された(列王記下9:24)。主の預言通りの事が起こった。

-列王記上21:19-21「主はこう言われる『あなたは人を殺したうえに、その人の所有物を自分のものにしようとするのか・・・犬の群れがナボトの血をなめたその場所で、あなたの血を犬の群れがなめることになる・・・見よ、私はあなたに災いをくだし、あなたの子孫を除き去る。イスラエルにおいてアハブに属する男子を、つながれている者も解き放たれている者もすべて絶ち滅ぼす』」。

 

3.偽預言者とはだれか

 

・歴史の中では、王や民の聞きたいことを語る偽預言者が現れる。バビロン捕囚時に、「捕囚はまもなく終わる」と預言したハナンヤに対し、エレミヤは「それはあなたの願望であって、主の言葉ではない」と迫った。

-エレミヤ28:6-9「ユダ王ゼデキヤの治世の初め・・・ハナンヤが、祭司とすべての民の前で私に言った『イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。私はバビロンの王の軛を打ち砕く』・・・預言者エレミヤは言った。『アーメン、どうか主がその通りにしてくださるように。どうか主があなたの預言の言葉を実現し、主の神殿の祭具と捕囚の民すべてをバビロンからこの場所に戻してくださるように。だが・・・先立つ昔の預言者たちは、多くの国、強大な王国に対して、戦争や災害や疫病を預言した。平和を預言する者は、その言葉が成就するとき初めて、まことに主が遣わされた預言者であることが分かる』」。

・偽預言は欺瞞であるが、その代償に快適な生活が与えられる。イスラエルの宮廷には王に仕える預言者たちがいたが、彼らは王に逆らう預言はしない。ビリー・グラハムは大衆伝道者として著名であるが、子のフランクリン・グラハムは同時多発テロ直後に「大統領の祈祷者チーム」を立ち上げ、イスラム教を「邪悪な宗教」と呼んで、報復戦争に加担して行った。彼は真の預言者なのか、それとも偽預言者なのか。歴史を後者を指す。

-エゼキエル13:8-9「主なる神はこう言われる。お前たちはむなしいことを語り、欺きの幻を見ているので、私はお前たちに立ち向かう・・・私の手は、むなしい幻を見る預言者たちと、欺きを占う占い師たちに向けられる。彼らは私の民の集いに加えられず、イスラエルの家の記録にも記されず、イスラエルの土地に入ることもできない。その時、お前たちは私が主なる神であることを知るようになる」。

・偽預言者には必ず耳を傾ける聴衆がいる。人々は自分の希望が満たされ、不幸が取り除かれることを求め、それを語る者を好むからだ。しかし偽預言は結局役に立たない。真実ではないからだ。その時、宗教は麻薬になる。カール・バルトは「人々を満足させる牧師」という説教を通して偽りの預言者を批判した。

-カール・バルト説教選集6巻より「偽りの預言者とは、人々に満足を与える牧師のことである。彼は福音の説教者、牧会者、奉仕者と呼ばれるが、しかし彼は人間たちの被用者にすぎない。彼は自分が神の名において語っていると夢想しているが、彼は世論の名において、立派な人々の名において語っているに過ぎない。キリスト教はあなた方にとって好ましく重要なものである。あなた方は生活の美しい飾りとしてそれを好む。しかし、神の霊とこの世の霊との間には平和はない。神の意志と人間の意志との間の平和を説教し、現在の生と新しい生を穏やかに賢く結び付け、民が築く隙間の多い壁に宗教と言う漆喰を上塗りし、人々を満足させようとする、そのようなことには何の意味もない」。

・2500年前に語られた偽預言者への警告は、今日では、宗教を商売にする牧師たちに向かって語られる。E.H.ピーターソンはその著「牧会者の神学」の中で、神の言葉を取次ごうとしない牧師たちに警告する。

-牧会者の神学から「アメリカの牧師たちは企業経営者の一群に変容してしまった・・・それは『宗教という商店経営』であって、商店経営という点においては他の商売となんら変わることはない。目覚めている時、これらの企業家たちの心を占めていることはファーストフード店の経営戦略と同じような関心である。眠っている時、彼らが夢見ていることはジャーナリストの注目を集めるようなたぐいの成功である」。

・預言者は真実を語る故に迫害される。しかし、真実は語らなければいけない。

-ルカ6:22-26「人々に憎まれる時、また、人の子のために追い出され、ののしられ、汚名を着せられるとき、あなたがたは幸いである・・・この人々の先祖も、預言者たちに同じことをしたのである・・・すべての人にほめられる時、あなたがたは不幸である。この人々の先祖も、偽預言者たちに同じことをしたのである」。

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