江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2016年3月10日祈祷会(創世記31章、ヤコブの帰郷)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.ヤコブのハランからの逃走

・ヤコブは二人の妻のために義父ラバンの下で14年間の無償労働を行い、期限が満ちた時、独立して故郷に帰ることを義父ラバンに申し出た。
−創世記30:25-26「ラケルがヨセフを産んだころ、ヤコブはラバンに言った『私を独り立ちさせて、生まれ故郷へ帰らせて下さい。私は今まで、妻を得るためにあなたのところで働いてきたのですから、妻子と共に帰らせてください。あなたのために、私がどんなに尽くしてきたか、よくご存じのはずです』」。
・ラバンは狼狽した。働き者のヤコブを失うことを財産の損失と考え、留まるように説得し、ふさわしい報酬を払うことを約束する。
−創世記30:27-28「『もし、お前さえ良ければ、もっといてほしいのだが。実は占いで、私はお前のお陰で、主から祝福をいただいていることが分かったのだ』とラバンは言い、更に続けて『お前の望む報酬をはっきり言いなさい。必ず支払うから』と言った」。
・ヤコブは黒い羊とぶちやまだらの山羊が生まれたらそれを報酬としてほしいと申し出、ラバンは了解する。当時、羊の大半は白く、ぶちやまだらの山羊も少なかった。しかしヤコブは牧畜の知恵を働かせ、黒い羊とぶちやまだらの山羊を増やす。ヤコブの財産が増えるのを見たラバンの一族は不機嫌になった。
―創世記31:1-2「ヤコブは、ラバンの息子たちが『ヤコブは我々の父のものを全部奪ってしまった。父のものをごまかして、あの富を築き上げたのだ』と言っているのを耳にした。また、ラバンの態度を見ると、確かに以前とは変わっていた」。
・ヤコブにしてみれば6年間の努力の結果が財産形成となっている。しかしラバンたちはそう見ない。ヤコブはいよいよラバンと別れ、父の家に帰る時が来たことを悟る。
―創世記31:3「主はヤコブに言われた『あなたは、あなたの故郷である先祖の土地に帰りなさい。私はあなたと共にいる』」。
・ヤコブはラバンの娘である妻たちに帰国の意思を伝える。娘たちは父ラバンのやり方が公平ではないことを知っていたので、ヤコブに従ってこの地を離れることに同意する。
―創世記31:14-16「ラケルとレアはヤコブに答えた『父の家に、私たちへの嗣業の割り当て分がまだあるでしょうか。私たちはもう、父にとって他人と同じではありませんか。父は私たちを売って、しかもそのお金を使い果たしてしまったのです。神様が父から取り上げられた財産は、確かに全部私たちと子供たちのものです。ですから、どうか今すぐ、神様があなたに告げられたとおりになさってください』」。
・出発の時、ラケルは父の家の守り神(テラフィム)を盗んだ。父の家の幸福を運ぶ為である。
―創世記31:17-21「ヤコブは直ちに、子供たちと妻たちをらくだに乗せ、パダン・アラムで得たすべての財産である家畜を駆り立てて、父イサクのいるカナン地方へ向かって出発した。その時・・・ラケルは父の家の守り神の像を盗んだ。ヤコブもアラム人ラバンを欺いて、自分が逃げ去ることを悟られないようにした。ヤコブはこうしてすべての財産を持って逃げ出し、川を渡りギレアドの山地へ向かった」。

2.ラバンとヤコブの会見

・ヤコブが逃げたことを知ったラバンは、ヤコブを追ってギレアドで追いつき、ヤコブを非難する。
―創世記31:22-23「ヤコブが逃げたことがラバンに知れたのは、三日目であった。ラバンは一族を率いて、七日の道のりを追いかけて行き、ギレアドの山地でヤコブに追いついた」。
・ラバンはヤコブを害しようとはしなかった。しかし守り神は取り戻そうと探したが、見つからなかった。
―創世記31:29-30「私はお前たちをひどい目に遭わせることもできるが、夕べ、お前たちの父の神が『ヤコブを一切非難せぬよう、よく心に留めておきなさい』と私にお告げになった。父の家が恋しくて去るのなら、去ってもよい。しかし、なぜ私の守り神を盗んだのか」。
・守り神は見つからず、ラバンとヤコブの立場は逆転し、ヤコブは20年間のラバンの仕打ちを非難する。
―創世記31:41-42「この二十年間というもの、私はあなたの家で過ごしましたが、そのうち十四年はあなたの二人の娘のため、六年はあなたの家畜の群れのために働きました。しかも、あなたは私の報酬を十回も変えました。もし、私の父の神、アブラハムの神、イサクの畏れ敬う方が私の味方でなかったなら、あなたはきっと何も持たせずに私を追い出したことでしょう。神は、私の労苦と悩みを目に留められ、昨夜、あなたを諭されたのです」。
・ラバンの本音では、娘たちや孫たちや財産はすべて自分のものであり、それを取り戻すために彼は追跡してきた。しかし、神がヤコブと共におられることを改めて思い、ヤコブに和解を申し出る。
−創世記31:43-44「ラバンは、ヤコブに答えた『この娘たちは私の娘だ。この孫たちも私の孫だ。この家畜の群れも私の群れ、いや、お前の目の前にあるものはみな私のものだ。しかし、娘たちや娘たちが産んだ孫たちのために、もはや、手出しをしようとは思わない。さあ、これから、お前と私は契約を結ぼうではないか。そして、お前と私の間に何か証拠となるものを立てよう』」。
・ラバンはヤコブに和解を申し出、二人の間に相互不可侵の契約が結ばれる。家の偶像はラケルが隠していたが、ヤコブはやがてその偶像を捨てる。生ける神を知るヤコブには偶像の神は必要ではなかった。
−創世記31:45-50「ヤコブは一つの石を取り、それを記念碑として立て、一族の者に『石を集めてきてくれ』と言った。彼らは石を取ってきて石塚を築き、その石塚の傍らで食事を共にした・・・ラバンはまた『この石塚(ガル)は、今日からお前と私の間の証拠(エド)となる』とも言った。そこで、その名はガルエドと呼ばれるようになった。そこはまた、ミツパ(見張り所)とも呼ばれた『我々が互いに離れているときも、主がお前と私の間を見張ってくださるように。もし、お前が私の娘たちを苦しめたり、私の娘たち以外にほかの女性をめとったりするなら、たとえ、ほかにだれもいなくても、神御自身がお前と私の証人であることを忘れるな』とラバンが言ったからである」。

3.和解とは何か

・これが和解である。お互いに言い分はあっても譲歩し、平和を保つために協定を結ぶ。そして結んだ協定は守る。それが古来からの人間の智恵であった。
−創世記31:51-53「ラバンは更に、ヤコブに言った『ここに石塚がある。またここに、私がお前との間に立てた記念碑がある。この石塚は証拠であり、記念碑は証人だ。敵意をもって、私がこの石塚を越えてお前の方に侵入したり、お前がこの石塚とこの記念碑を越えて私の方に侵入したりすることがないようにしよう。どうか、アブラハムの神とナホルの神、彼らの先祖の神が我々の間を正しく裁いてくださいますように』。ヤコブも、父イサクの畏れ敬う方にかけて誓った」。
・和解とは双方が問題解決のために譲歩することだ。今回、名護市辺野古への基地建設を巡って、国と沖縄県が和解した。しかし和解の目的は参議院選の前に争いを一時中断させることにあり、紛争の解決を目指していない。国家としての誠実さがそこにない。不誠実な和解と言わざるを得ない。
−2016年3月5日朝日新聞社説から「米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐる訴訟で、政府と県の和解が成立した。これにより、政府は埋め立て工事を中止する。政府と県はすべての訴訟を取り下げ、円満解決に向けて協議を進めることでも合意した・・・ただ、対立がこれで解消したわけでもない。最大の問題は、安倍首相が『辺野古が唯一の選択肢』との姿勢を崩していないことだ。その前提にたつ限り、『辺野古移設NO』の民意に支えられた翁長県政との真の和解は成り立ちえない・・・政府の狙いは6月の沖縄県議選、夏の参院選に向けて、問題をいったん沈静化させることではないか、との懸念の声もある・・・政府がいま、なすべきことははっきりしている。首相が県に約束した普天間の『5年以内の運用停止』の実現に全力を尽くすことである。福岡高裁那覇支部が示した和解勧告文には、こうある『本来あるべき姿としては、沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべきである。そうなれば、米国としても、大幅な改革を含めて積極的に協力をしようという契機となりうる』・・・政府と県だけでなく、本土の自治体とも話し合い、米国との協議に臨むべきである。『辺野古が唯一の選択肢』という思考停止を脱し、県との真の和解をめざす。そのための一歩を踏み出すべきときだ」。

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