江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2009年4月23日祈祷会(イザヤ41章、歴史を導かれる主)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.ペルシャ王クロスは解放者、メシアなのか

・イザヤ書は40章から第二イザヤの預言を伝える。アッシリアと対峙したイザヤの時代から150年が経ち、イスラエルはバビロニアに国を滅ぼされ、指導者たちが捕囚となって50年が過ぎた。不滅と思われたバビロニア帝国はネブカドネザル王の死と共に衰退し、東に起こったペルシャが諸国を併合し、新しい支配者としてバビロンに迫っていた。預言者はペルシャ王キュロスが「主の使い」としてイスラエルを解放してくれると期待を寄せる。
-イザヤ45:1「主が油を注がれた人キュロスについて、主はこう言われる。私は彼の右の手を固く取り、国々を彼に従わせ、王たちの武装を解かせる。扉は彼の前に開かれ、どの城門も閉ざされることはない」。
・40-48章はキュロスに期待を寄せる捕囚解放前の預言だ。だが後半49章から預言は一変し、「主の僕」の歌が主になる。前539年キュロスはバビロニアを滅ぼしたが、彼が最初にしたのはバビロニアの主神マルドゥクの前に跪くことだった。預言者はキュロスに失望し、民族の祖国帰還と復興に望みを託すが、反対派の策謀により不遇のうちに死んだとされる(イザヤ53章「苦難の僕の歌」は、第二イザヤの弟子たちが死んだ師を称える歌とされる)。
-イザヤ49:4-6「私は思った。私はいたずらに骨折り、うつろに、空しく、力を使い果たした、と。しかし、私を裁いてくださるのは主であり、働きに報いてくださるのも私の神である・・・今や、主は言われる・・・私はあなたを僕としてヤコブの諸部族を立ち上がらせ、イスラエルの残りの者を連れ帰らせる。だがそれにもまして、私はあなたを国々の光とし、私の救いを地の果てまで、もたらす者とする」。
・41章はキュロスの目覚しい躍進の中に神の働きを見る預言者の神賛美だ。
-イザヤ41:2-4「東からふさわしい人を奮い立たせ、足もとに招き、国々を彼に渡して、王たちを従わせたのは誰か・・・彼は敵を追い、安全に道を進み、彼の足をとどめるものはない。この事を起こし、成し遂げたのは誰か。それは、主なる私。初めから代々の人を呼び出すもの、初めであり、後の代と共にいるもの」。
・主はキュロスを用いてあなたを捕囚の身から解放してくださる。だからイスラエルよ、立て、恐れるなと預言者は呼びかける。イスラエルの味わった亡国と捕囚の辱めこそ、主の愛の鞭だったのだと。
-イザヤ41:8-10「私の僕イスラエルよ。私の選んだヤコブよ。私の愛する友アブラハムの末よ。私はあなたを固くとらえ、地の果て、その隅々から呼び出して言った。あなたは私の僕、私はあなたを選び、決して見捨てない。恐れることはない、私はあなたと共にいる神。たじろぐな、私はあなたの神。勢いを与えてあなたを助け、私の救いの右の手であなたを支える」。

2.歴史を導かれる主

・イスラエルは小さな者、虫と呼ばれる。古代において小国は世界帝国の動きの中で翻弄され、弾圧されてきた。ペルシャもまたバビロニアと同じ圧制者なのか。違う、キュロスこそ主の器であり、あなた方を解放する。
-イザヤ41:13-14「私は主、あなたの神。あなたの右の手を固く取って言う。恐れるな、私はあなたを助ける、と。あなたを贖う方、イスラエルの聖なる神、主は言われる。恐れるな、虫けらのようなヤコブよ、イスラエルの人々よ、私はあなたを助ける」。
・神はイスラエルを打穀機としてエルサレムへの帰還の道を整えられる。山は削られ、谷は埋められ、荒野は緑の野に変わる。
-イザヤ41:15-20「見よ、私はあなたを打穀機とする。新しく、鋭く、多くの刃をつけた打穀機と。あなたは山々を踏み砕き、丘をもみ殻とする・・・私は不毛の高原に大河を開き、谷あいの野に泉を湧き出させる・・・荒れ野に杉やアカシヤを・・・荒れ地に糸杉、樅、つげの木を共に茂らせる。彼らはこれを見て、悟り、互いに気づかせ、目覚めさせる。主の御手がこれを成し遂げ、イスラエルの聖なる神がこれを創造されたことを」。
・偶像の神は、これまでに起きた出来事(ペルシャがリディアやメディアを征服した)の意味がわからないし、これから起こる出来事(バビロニアの滅亡)も予見できない。彼らは像であって神ではないからだ。
-イザヤ41:21-24「訴え出て争うがよい、と主は言われる・・・起こるべきことを私たちに示し、告げてみよ。初めにあったことを告げてみよ・・・お前たちは無に等しく、働きは空しい。お前たちを選ぶ者は忌むべき者だ」。
・キュロスの戦いは民をエルサレムに連れ帰るための主の戦いなのだと預言者は結論する。
-イザヤ41:27「見よ、シオンに初めから告げられていたことはここに実現した」。
・今日で言えばアメリカがバビロニアでありペルシャだ。アメリカが世界を支配し、周辺国はアメリカの動きに一喜一憂する。しかしアメリカを支配しているのは誰か。傲慢な指導者か、私かと主は問われる。
-イザヤ41:25「私は北から人を奮い立たせ、彼は来る。彼は日の昇るところから私の名を呼ぶ。陶工が粘土を踏むように、彼は支配者たちを土くれとして踏みにじる」。

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