江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2008年8月21日祈祷会(イザヤ6章、イザヤの召命)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.国家危機の中でのイザヤ召命

・イザヤはウジヤ王の死んだ年、紀元前742年に召命された。アッシリアが世界帝国の道を歩み始めた時である。ウジヤの時代ユダ王国は繁栄を謳歌していたが、ウジヤが死ぬと情勢は流動化し、次のアハズ王の時には、シリア・北イスラエル連合軍がユダ王国に侵攻し、アハズはイザヤの反対を押し切ってアッシリアの救援を求める。
−?列王記16:5-7「アラムの王レツィンとイスラエルの王、レマルヤの子ペカがエルサレムを攻めようとして上って来た・・・ アハズはアッシリアの王ティグラト・ピレセルに使者を遣わして言わせた『私はあなたの僕、あなたの子です。どうか上って来て、私に立ち向かうアラムの王とイスラエルの王の手から、私を救い出してください。』
・アッシリアは直ちに行動し、シリアを滅ぼし、北イスラエルを制圧し、ユダもまたアッシリアの支配下に置かれ、アハズはダマスコでアッシリア王に臣下の礼を取る。アハズがアッシリア救援以外を選択したら、どうなっていたか。ユダはシリア・北イスラエル連合軍にあるいはアッシリアに滅ぼされたのか。イザヤはそう思わない。
−イザヤ10:24-27「アッシリアを恐れるな。たとえ、エジプトがしたように、彼らがあなたを鞭で打ち、杖を振り上げても。やがて、私の憤りの尽きるときが来る。私の怒りは彼らの滅びに向けられる。万軍の主は、彼らに対して鞭を振るわれる。・・・その日が来ればあなたの肩から重荷は取り去られ、首に置かれた軛は砕かれる」。
・そのような国家の非常時に、祭司イザヤは神殿礼拝に参加して、そこで神の召しを受ける。
−イザヤ6:1-4「私は、高く天にある御座に主が座しておられるのを見た。衣の裾は神殿いっぱいに広がっていた。上の方にはセラフィムがいて・・・彼らは互いに呼び交わし、唱えた『聖なる、聖なる、聖なる万軍の主。主の栄光は、地をすべて覆う』。この呼び交わす声によって、神殿の入り口の敷居は揺れ動き、神殿は煙に満たされた。
・衣のすそは神殿の中で炊かれる香の煙、讃美は神殿で歌われる讃美であろう。その礼拝の中でイザヤは臨在の主と出会い、怖れた。しかし、主はそのイザヤに怖れるなと言われた。
-イザヤ6:6-7「セラフィムの一人が、私のところに飛んで来た。その手には祭壇から火鋏で取った炭火があった。彼は私の口に火を触れさせて言った『見よ、これがあなたの唇に触れたので、あなたの咎は取り去られ、罪は赦された』」。

2.「滅びを語れ」と命じられる主

・イザヤに語れと命じられたのは「滅びの預言」であった。誰も滅びの預言など聞かない。イザヤは主の言葉を語れれば語るほど、民に憎まれ、迫害されるだろう。
-イザヤ6:9-10「主は言われた『行け、この民に言うがよい。よく聞け、しかし理解するな。よく見よ、しかし悟るな、と。この民の心をかたくなにし、耳を鈍く、目を暗くせよ。目で見ることなく、耳で聞くことなく、その心で理解することなく、悔い改めていやされることのないために。』
・何故滅びの言葉が語られても民は聞かないのか。それは自分たちが滅ぼされるべき罪人と認識しないからだ。
-マタイ24:38-39「洪水になる前は、ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていた。そして、洪水が襲って来て一人残らずさらうまで、何も気がつかなかった」。
・トルストイは「イワン・イリッチの死」で、死が目前に迫るまで、地上的な喜びにのみ生きがいを感じる主人公の死を描く。死に直面して、彼が知ったのは、見たくないものを避けて生きてきた自分の半生だ。
−イワン・イリッチの死から「過去現在においてお前の生活を形づくっていたものは、なにもかもみんな虚偽だ、お前の目から生死を隠していた機関(からくり)にほかならない。」
・「民が聞かないのに何故遣わすのですか」とイザヤは尋ねる。主は「国が滅びた後に民は聞く」と答えられる。
−イザヤ6:11-12「私は言った『主よ、いつまででしょうか』。主は答えられた『町々が崩れ去って、住む者もなく、家々には人影もなく、大地が荒廃して崩れ去るときまで』。主は人を遠くへ移される」。
・預言者の言葉は国が滅びた時に、初めて聴かれる。滅びるまで人は自分の罪を知ることが出来ないからだ。バビロン捕囚の民は流刑の地でイザヤの言葉を聴きなおし、悔い改めた。主は彼らから新しい国を造られる。
−イザヤ6:13「なお、そこに十分の一が残るが、それも焼き尽くされる。切り倒されたテレビンの木、樫の木のように。しかし、それでも切り株が残る。その切り株とは聖なる種子である」。
・人が満足している時、神の言葉は聞こえない。神の言葉は人が「限界状況」に面した時に、初めて響いてくる。
−ヨブ記36:15-17「神は貧しい人をその貧苦を通して救い出し、苦悩の中で耳を開いてくださる。神はあなたにも苦難の中から出ようとする気持を与え、苦難に代えて広い所でくつろがせ、あなたのために食卓を整え、豊かな食べ物を備えてくださるのだ。あなたが罪人の受ける刑に服するなら、裁きの正しさが保たれるだろう」。

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