１．パロのかたくなさの予言（7：1−7）
・神はモーセとアロンを再び遣わされるが、エジプト王はかたくなであり、信じないであろうことを告げられる。
―出エジプト7:3-4「私はファラオの心をかたくなにするので、私がエジプトの国でしるしや奇跡を繰り返したとしても、ファラオはあなたたちの言うことを聞かない。」
・人々は神の言葉に従う自由も、拒絶する自由も与えられている。民が従わないとき、そこには破滅がある。しかし神は破滅を通しても人々を救おうとされる。だから、たとえ聞かなくとも語りつづけよ。
―エゼキエル2:4-7「恥知らずで強情な人々のもとに、私はあなたを遣わす。彼らに言いなさい、主なる神はこう言われると。彼らが聞き入れようと、また、反逆の家なのだから拒もうとも、彼らは自分たちの間に預言者がいたことを知るであろう。・・彼らが聞き入れようと拒もうと、あなたは私の言葉を語らなければならない。」
・語りつづけることによって、彼らは誰が主であるかを知るようになる。だから、語りつづけよ。
―出エジプト7：4−5「私はエジプトに手を下し、大いなる審判によって、私の部隊、私の民をイスラエルの人々をエジプトの国から導き出す。私がエジプトに対して手を伸ばし、イスラエルの人々をその中から導き出すとき、エジプト人は、私が主であることを知るようになる。」
２．しるしを示される神
・神がエジプト人を屈服させるために取られたのは、繰り返し、しるしを見せて、神の力を見せる方法であった。最初に杖が蛇に変えられた。しかし、エジプトの魔術師も同じことを行ったので、エジプト王は信じなかった。
―出エジプト7:10-13「モーセとアロンはファラオのもとに行き、主の命じられたとおりに行った。アロンが自分の杖をファラオとその家臣たちの前に投げると、杖は蛇になった。そこでファラオも賢者や呪術師を召し出した。エジプトの魔術師もまた、秘術を用いて同じことを行った。・・・ファラオの心はかたくなになり、彼らの言うことを聞かなかった。主が仰せになったとおりである。」
・二つ目のしるしはナイルの水を血に変えることであった。しかし、エジプト王は動かされなかった。
―出エジプト7:20-22「モーセとアロンは、主の命じられたとおりにした。彼は杖を振り上げて、ファラオとその家臣の前でナイル川の水を打った。川の水はことごとく血に変わり、川の魚は死に、川は悪臭を放ち、エジプト人はナイル川の水を飲めなくなった。こうして、エジプトの国中が血に浸った。ところが、エジプトの魔術師も秘術を用いて同じことを行ったのでファラオの心はかたくなになり、二人の言うことを聞かなかった。」
・三つ目のしるしは蛙の災いだった。エジプトの魔術師も同じことを行えたが、王の心はゆらいだ。エジプトの魔術師は災いを増やすことは出来ても、取り除くことは出来なかったからである。
―出エジプト8:2-4「アロンがエジプトの水の上に手を差し伸べると、蛙が這い上がってきてエジプトの国を覆った。ところが、魔術師も秘術を用いて同じことをし、蛙をエジプトの国に這い上がらせた。ファラオはモーセとアロンを呼んで、「主に祈願して、蛙がわたしとわたしの民のもとから退くようにしてもらいたい。そうすれば、民を去らせ、主に犠牲をささげさせよう」。
３．かたくなな心
・ファラオの心はかたくなだった。それは彼がすべては自分の支配下にあると思い込んでいたからだ。
―エゼキエル 29:2-3「人の子よ、あなたの顔をエジプトの王ファラオに向けて、王とエジプトの全土に対して預言し、語って言いなさい。主なる神はこう言われる。エジプトの王、ファラオよ／わたしはお前に立ち向かう。・・・お前は言う。『ナイル川はわたしのもの／わたしが自分のために造ったものだ』と。」
・そうでないことがわかるまで、すなわち「神は神であり、人は人である」と人が知るまで、闘争は続く。
―エゼキエル29:8-9「それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしはお前に剣を臨ませ、お前の中から人も獣も絶ち滅ぼす。エジプトの地は荒野に変わり、廃虚となる。そのとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。お前が、『ナイル川はわたしのもの、わたしが造ったものだ』と言ったからだ。」
・しかし、それはエジプトを滅ぼすためではない。彼らが被造物としての本来の自己に戻るためだ。
―エゼキエル29:13-14「四十年が終わると、私は散らされていた諸国民の間からエジプト人を集める。 私はエジプトの繁栄を回復する。私は彼らを出身地である上エジプト人の地に帰らせる。」