1.バビロンの滅亡
・ヨハネは別の天使が天から降り、「大バビロンが倒れた」と叫ぶ声を聞いた。神に逆らう者に神の怒りの杯が投げられた。驕り高ぶる者は倒された。
―黙示録18:1-3「私は、大きな権威を持っている別の天使が、天から降って来るのを見た。地上はその栄光によって輝いた。天使は力強い声で叫んだ『倒れた。大バビロンが倒れた。そして、そこは悪霊どもの住みか、あらゆる汚れた霊の巣窟、あらゆる汚れた鳥の巣窟、あらゆる汚れた忌まわしい獣の巣窟となった。すべての国の民は、怒りを招く彼女のみだらな行いのぶどう酒を飲み、地上の王たちは、彼女とみだらなことをし、地上の商人たちは、彼女の豪勢なぜいたくによって富を築いたからである。」
・地上にいる神の民にはローマから出るように勧められる。ローマは火で焼かれる、あなた方はその災禍から逃れよと言われる。共に滅びないためである。
―黙示録18:4-8「私はまた、天から別の声がこう言うのを聞いた『私の民よ、彼女から離れ去れ。その罪に加わったり、その災いに巻き込まれたりしないようにせよ。彼女の罪は積み重なって天にまで届き、神はその不義を覚えておられるからである。・・・一日のうちに、さまざまの災いが、死と悲しみと飢えとが彼女を襲う。また、彼女は火で焼かれる。彼女を裁く神は、力ある主だからである』」。
・私たちもこの世とは一線を画して生きるべきだ。この世は邪悪であり、私たちは世に倣ってはいけない。
―使徒言行録2:40-41「ペトロは・・・力強く証しをし、『邪悪なこの時代から救われなさい』と勧めていた。ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼を受け、その日に三千人ほどが仲間に加わった」。
―ヨハネ17:14-16「私は彼らに御言葉を伝えましたが、世は彼らを憎みました。私が世に属していないように、彼らも世に属していないからです。私がお願いするのは、彼らを世から取り去ることではなく、悪い者から守ってくださることです。私が世に属していないように、彼らも世に属していないのです」。
2.バビロン滅亡を悲しむ者たち
・ヨハネ黙示録ではバビロンの滅亡の様は直接的には啓示されず、バビロンとの交易で利益を得ていた王や商人や船乗りたちの嘆きの声として表現される。
―黙示録18:9-10「彼女とみだらなことをし、ぜいたくに暮らした地上の王たちは、彼女が焼かれる煙を見て、そのために泣き悲しみ、彼女の苦しみを見て恐れ、遠くに立ってこう言う『不幸だ、不幸だ、大いなる都、強大な都バビロン、お前は、ひとときの間に裁かれた』」。
―黙示録18:11-17「地上の商人たちは、彼女のために泣き悲しむ。もはやだれも彼らの商品を買う者がないからである。・・・このような商品を扱って、彼女から富を得ていた商人たちは、彼女の苦しみを見て恐れ、遠くに立って、泣き悲しんで、こう言う『不幸だ、不幸だ、大いなる都、麻の布、また、紫の布や赤い布をまとい、金と宝石と真珠の飾りを着けた都。あれほどの富が、ひとときの間に、みな荒れ果ててしまうとは』」。
―黙示録18:17-18「すべての船長、沿岸を航海するすべての者、船乗りたち、海で働いているすべての者たちは、遠くに立ち、彼女が焼かれる煙を見て『これほど大きい都がほかにあっただろうか』と叫んだ」。
・「全ての道はローマに通じる」と言われ、空前の軍事的・経済的繁栄を誇っていたローマが倒され、ローマの追随者たちは嘆く。今日のローマはアメリカかもしれない。アメリカの武力が世界を支配し、多くの国々はアメリカに追随しその繁栄を享受している。神の目から見てこれでよいのかという視点が必要であろう。
―イザヤ31:1-3「災いだ、助けを求めてエジプトに下り、馬を支えとする者は。彼らは戦車の数が多く、騎兵の数がおびただしいことを頼りとし、イスラエルの聖なる方を仰がず、主を尋ね求めようとしない。しかし、主は知恵に富む方。災いをもたらし、御言葉を無に帰されることはない。立って、災いをもたらす者の家、悪を行う者に味方する者を攻められる。エジプト人は人であって、神ではない。その馬は肉なるものにすぎず、霊ではない。主が御手を伸ばされると、助けを与える者はつまずき、助けを受けている者は倒れ、皆共に滅びる」。
・地上ではバビロンの滅びを嘆く声が響き渡るが、天では正しい審きが為されたことを喜ぶ声がこだまする。バビロンは滅び、ローマも滅びた。主は驕り高ぶるものを滅ぼされる。
―黙示録18:20-21「天よ、この都のゆえに喜べ。聖なる者たち、使徒たち、預言者たちよ、喜べ。神は、あなたがたのために、この都を裁かれたからである。・・・天使が、大きいひき臼のような石を取り上げ、それを海に投げ込んで、こう言った『大いなる都、バビロンは、このように荒々しく投げ出され、もはや決して見られない』」。