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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2020年9月30日祈祷会(ヨハネ黙示録17章、大淫婦ローマへの審き)

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1.大淫婦ローマ

・17章全体の見出しは、「大淫婦が裁かれる」である。旧約の預言者はしばしば都を女性に喩えている。イザヤは、エルサレムを「シオンの娘」と呼び、この都が神の戒めに背いて信仰的・道徳的に堕落したときは、「どうして、遊女になってしまったのか、忠実であった町が」(イザヤ1:21)と嘆いた。ヨハネもこの章の最後で「大淫婦」とは、「地上の王たちを支配しているあの大きな都のことである」(17:18)、つまりローマを指している。

・鉢を持った七人の天使の一人が、ローマの真実の姿をヨハネに見せる。彼女は獣=サタンにまたがる大淫婦であった。ローマは、皇帝を神と呼んで礼拝することを求め(神への姦淫)、諸国の王はこれに従っていた。皇帝も市民もローマで爛熟した物質文明の中にどっぷり漬かっていた。
-黙示録17:1-3「七つの鉢を持つ七人の天使の一人が来て、私に語りかけた『ここへ来なさい。多くの水の上に座っている大淫婦に対する裁きを見せよう。地上の王たちは、この女とみだらなことをし、地上に住む人々は、この女のみだらな行いのぶどう酒に酔ってしまった』。そして、この天使は"霊"に満たされた私を荒れ野に連れて行った。私は、赤い獣にまたがっている一人の女を見た。この獣は、全身至るところ神を冒涜する数々の名で覆われており、七つの頭と十本の角があった」。
・女は高価な布で身をまとい、宝石で飾り、汚れに満ちた金の杯を持ち、聖徒たちの血に酔いしれていた。
-黙示録17:4-6「女は紫と赤の衣を着て、金と宝石と真珠で身を飾り、忌まわしいものや、自分のみだらな行いの汚れで満ちた金の杯を手に持っていた。その額には、秘められた意味の名が記されていたが、それは『大バビロン、みだらな女たちや、地上の忌まわしい者たちの母』という名である。私は、この女が聖なる者たちの血と、イエスの証人たちの血に酔いしれているのを見た」。
・当時のローマ帝国は繁栄の絶頂にあり、地上の人々はローマ皇帝を拝した。しかし、そのローマも神の目から見れば、サタンに身を売り渡した淫婦に過ぎない。
-黙示録17:7-11「天使が私にこう言った『なぜ驚くのか。私は、この女の秘められた意味と、女を乗せた獣、七つの頭と十本の角がある獣の秘められた意味とを知らせよう。あなたが見た獣は以前はいたが、今はいない。やがて底なしの淵から上って来るが、ついには滅びてしまう。地上に住む者で、天地創造の時から命の書にその名が記されていない者たちは、以前いて今はいないこの獣が、やがて来るのを見て驚くであろう。七つの頭とは、この女が座っている七つの丘のことである。そして、ここに七人の王がいる。五人は既に倒れたが、一人は今王の位についている。他の一人は、まだ現れていないが、この王が現れても、位にとどまるのはごく短い期間だけである。以前いて、今はいない獣は、第八の者で、またそれは先の七人の中の一人なのだが、やがて滅びる』」。

・歴代皇帝の当初はまともだったが、次第に堕落し、カリグラ、ネロ、ドミテイアヌスなど、多くは道徳的退廃と理不尽なキリスト教徒迫害をしたことで知られている。彼らの多くは暗殺されるか、自殺している。神の審きは始まっているのだ。ネロが復活して再び帝位につくとのうわさもあるが(第八の者)、彼もやがて滅びる。このような者たちを何故恐れるのか。ローマの歴代皇帝は下記8人である。
-アウグストゥス帝(前27-後14年)=初代皇帝、ローマの平和を確立した。ティベリウス帝(14-37年)=彼の時代にイエスは処刑された。カリグラ帝(37-41年)=悪行の限りを尽くしたが、部下に殺される。クラウデイス帝(41-54年)=妻に毒を盛られて死ぬ。ネロ帝(54-68年)=放蕩に身を持ち崩し、キリスト教徒弾圧を行った。自殺。ウェスバシアヌス帝(69-79年)=ネロ後の混乱を収める。天寿を全うした。テトス帝(79-81年)=マラリヤで急死する。ドミティアヌス帝(81-96年)=皇帝礼拝を強要した、ヨハネ黙示録が書かれた当時の皇帝、部下に殺される。

・しかし彼らは小羊により滅ぼされるとヨハネは預言する。

-黙示録17:14「この者どもは小羊と戦うが、小羊は主の主、王の王だから、彼らに打ち勝つ。小羊と共にいる者、召された者、選ばれた者、忠実な者たちもまた、勝利を収める」。

2.裁きを待つ

・大淫婦ローマは地上の王たちを支配しているが、やがてその王たちの反逆によって滅ぼされるであろうと預言される。ローマ帝国は395年に東西に分裂し、西ローマ帝国は476年にゲルマン人の侵攻により滅ぼされた。
-黙示録17:15-16「天使はまた、私に言った『あなたが見た水、あの淫婦が座っている所は、さまざまの民族、群衆、国民、言葉の違う民である。また、あなたが見た十本の角とあの獣は、この淫婦を憎み、身に着けた物をはぎ取って裸にし、その肉を食い、火で焼き尽くすであろう』」。
・不正が正され、最後の裁きが行われるまで、地上の支配権は獣=サタンに与えられている。しかし、それは“しばらくの間=3年半”であり、その間にも天上の準備は進んでいる。だから、待てと命じられる。
-黙示録17:17-18「神の言葉が成就する時まで、神は彼らの心を動かして御心を行わせ、彼らが心を一つにして、自分たちの支配権を獣に与えるようにされたからである。あなたが見た女とは、地上の王たちを支配しているあの大きな都のことである」。

・卓越した経済力と軍事力によって当時の全世界を一極支配した大帝国、華やかな物質文明が次第に爛熟して行く中で贅沢をほしいままにしていたこの大帝国、皇帝を神として礼拝することを求め、自己絶対化の中で誇り高ぶっていたこの大帝国といえども、小羊(キリスト)には勝てない。これは、長く続いた迫害の後で事実となった。第四世紀前半コンスタンティヌス帝のとき、この帝国は「奴隷の宗教」といわれたキリスト教に屈服する。コンスタンティヌスはキリスト教に改宗、やがてローマはキリスト教を国教とするに至るのである。神の審判の御手は歴史の中に働き続け、進展し続けている。キリスト者の血を流した者は、その報復を受ける。だからあなたは報復するな、審きは神に委ねよと命じられる。
-ローマ12:19-21「愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。『復讐は私のすること、私が報復する』と主は言われると書いてあります。『あなたの敵が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる』。悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい」。

3.黙示録17章をどう現代に読むか(村上伸。ヨハネ黙示録講解から)

 

・現代聖書研究会で、私は旧約聖書に出て来る巨大な海中の怪物「レビアタン」について話した。17世紀の英国の政治思想家トマス・ホッブズが近代国家の在り方を説明するためにこれを持ち出したことは知られている。彼は「リヴァイアサン」という本でこう述べた。「人間は自然のまま放っておくと、“万人が万人と戦う”という状態になってしまう。これを避けるためには、個々人が自分の権利を放棄して主権者(王)に委ねるのがよい。主権者が『リヴァイアサン』にも比べられるような大きな力を持つことによってのみ社会の秩序は守られる、というのである。

・最近「リヴァイアサン」に言及した人がいる。米国の思想家R・ケーガン氏は論文「強さと弱さ」の中で語る。「カントの『永久平和論』のような、人間理性の進歩によって戦争は廃絶できるという理想論は現代ではもう通用しない。人間の自然状態は「万人が万人と戦う」(ホッブズ)ことであり、これを克服することができるのは、「リヴァイアサン」のような「怪物的な権力による恐怖と暴力だけだ。そしてそれは、軍事・経済・情報などすべての分野において卓越した力を持つアメリカである」。ケーガン氏は「アメリカ新世紀プロジェクト」(PNAC)の中心人物で、この政策集団の発起人には、イラク戦争の主役を担った閣僚たちがずらりと名前を連ねている。批評家・福田氏は言う「アメリカは、自らをリヴァイアサンだと任じ、国際法も国連も無視して、圧倒的な武力で理不尽に敵を叩き潰してみせた」。

・アメリカは、その比類のない富と強さによって今の世界を動かす巨大な力である。正に現代の「レビアタン」であり、「大淫婦」にも似ていないことはない。だから、アメリカは秘められた意味を悟らなければならないだろう。このような巨大な力は、本当の意味で歴史を決定することは出来ない。「レビアタン」は被造物の中で最も巨大で強力な存在だが、裁きの日に、「主は、厳しく、大きく、強い剣をもって逃げる蛇レビアタンを罰する」(イザヤ27:1)と言われている。また、「小羊は主の主、王の王だから、彼らに打ち勝つ」。これこそ、歴史の秘められた意味であろう。

・裁きを自分の手で行おうとする者は裁かれる。2001.9.11のテロ事件で3千人が殺され、報復として、アメリカはアフガン・イラクを攻撃したが、終わってみるとアメリカ軍死者は両戦争で7千人を超え、後遺障害を負った者は数十万人を超えた。何故、御言葉に聞けないのか。

-マタイ26:52「イエスは言われた『剣を鞘に納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる』」。

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