１．あなたたちは迫害されるだろう
・イエスは世を去るにあたり、弟子たちに『あなた方は世から迫害を受ける。その時、あなたを迫害する者が、そのことを通して、自分達は神に奉仕していると思う時が来る』と言われた。
−ヨハネ16:2 「人々はあなたがたを会堂から追放するだろう。しかも、あなたがたを殺す者が皆、自分は神に奉仕していると考える時が来る。」
・ヨハネの教会において、信徒は異端として会堂から追放された。会堂追放は社会からの村八分を意味した。
−ヨハネ9:22「両親がこう言ったのは、ユダヤ人たちを恐れていたからである。ユダヤ人たちは既に、イエスをメシアであると公に言い表す者がいれば、会堂から追放すると決めていたのである。」
・人は自分と信仰が異なる者を『神の名のゆえに』殺すことさえする（それはユダヤ教だけでなくキリスト教にも起こった）。しかし、彼らがそうするのは、本当の父を知らないからだ。
−ヨハネ16:3-4「彼らがこういうことをするのは、父をも私をも知らないからである。しかし、これらのことを話したのは、その時が来たときに、私が語ったということをあなたがたに思い出させるためである。」
・愛とは他者を殺すことではなく、他者のために自分の命を投げ出すことだ。だから迫害されても恐れるな。神はあなた方と共におられのだ。
−マタイ5:44-45「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。あなたがたの天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。」
・イエスはご自分の死と弟子たちの別離を、父のもとに帰る栄光の時と見ておられるが、弟子たちは違う。彼らは不安と恐れと悲しみに打ちひしがれていた。
―ヨハネ116：5-6「今私は、私をお遣わしになった方のもとに行こうとしているが、あなたがたはだれも『どこへ行くのか』と尋ねない。むしろ、私がこれらのことを話したので、あなたがたの心は悲しみで満たされている。」
２.しかし、聖霊が助けて下さる
・『私がいなくなるのは、良いことなのだ。聖霊が与えられるからだ』とイエスは言われる。
−ヨハネ16:7「私が去って行くのは、あなたがたのためになる。私が去って行かなければ、弁護者はあなたがたのところに来ないからである。私が行けば、弁護者（英訳＝カウンセラー）をあなたがたのところに送る。」
・私たちが何かに頼っている間は、聖霊は来ない。私たちが病気になったり、事業に失敗したり、友達に裏切られる時、私たちは頼る者がなくなり、神の名を呼ぶ。逆境にある時こそ、最も聖霊に近くなる。
−ヨブ記36:15「神は苦しむ者をその苦しみによって救い、彼らの耳を逆境によって開かれる。」
・聖霊が来れば、その方は、罪について、義について、裁きについて、世の誤りを明らかにする。
−ヨハネ16:8 「その方が来れば、罪について、義について、また、裁きについて、世の誤りを明らかにする。」
・世は、罪とは法律を守らない等の外形行為と思っている。しかし、本当の罪とは、自分が造られたものであるのに、自分が神になり、神の子を拒絶することだ（自分が神になるから、自分と異なる者を裁き、憎む）。
−ヨハネ16:9「 罪についてとは、彼らが私を信じないこと、」
・世は、義とは律法や道徳を守る行為、人のほめてくれるような行為だと思っている。しかし、本当の義とは、人の前ではなく、神の前に正しい行為をすることだ（義とは見返りを求めない十字架の行為なのだ）。
−ヨハネ16:10「義についてとは、私が父のもとに行き、あなたがたがもはや私を見なくなること、」
・世は、裁きとは法律に従って人を善人と悪人に分けることだと考えているが、本当の裁きは神の前で何が正しいかが論じられることだ（裁くのは神であって人ではない。だから人からの裁きを恐れるな）。
−ヨハネ16:11 「裁きについてとは、この世の支配者が断罪されることである。」
・聖霊は、あなた方に真理を明らかにする。あなた方は聖霊を通して、この世から解放されるのだ。
−ヨハネ8:31-32「イエスは、御自分を信じたユダヤ人たちに言われた。『私の言葉にとどまるならば、あなたたちは本当に私の弟子である。あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。』」
・今はまだわからないかも知れないが、わかる時が来る。だから安心して待っていなさい。
−ヨハネ16:12-13「言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。」