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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2023年4月27日祈祷会(詩編148編「主を賛美せよ、天から地まで」)

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1.天地を創造された主を賛美せよと詩人は促す

 

・148編は天上の御使いへ賛美を促すハレルヤから始まり、賛美の勧めは次第に全被造物へ及ぶ。

-148:1-2「ハレルヤ。天において主を賛美せよ。高い天で主を賛美せよ。御使いらよ、こぞって主を賛美せよ。主の万軍よ、こぞって主を賛美せよ。」

・3-4節は日や月、星、天上の水である雲にまで、主への賛美を促している。

-148:3-4「日よ、月よ、主を賛美せよ。輝く星よ、主を賛美せよ。天の上にある水よ、主を賛美せよ。」

・本篇では、主の天地創造の業が讃美されている。詩編19篇もまた創造の業が讃美されている。

-詩編19:2-7「天は神の栄光を物語り、大空は御手の業を示す。昼は昼に語り伝え、夜は夜に知識を送る。話すことも、語ることもなく、声は聞こえなくても、その響きは全地に、その言葉は世界の果てに向かう。そこに神は太陽の幕屋を設けられた。太陽は、花婿が天蓋から出るように、勇士が喜び勇んで道を走るように、天の果てを出で立ち、天の果てを目指して行く。その熱から隠れうるものはない。」

・パウロは天地万物を見た時、そこに神の存在を見ることができるのに、神を神とせず、被造物を拝む異邦人の盲目性を批判する。

-ローマ1:19-23「なぜなら、神について知りうる事柄は、彼らにも明らかだからです。神がそれを示されたのです。世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は被造物に現れており、これを通して神を知ることができます。従って、彼らには弁解の余地がありません。・・・滅びることのない神の栄光を、滅び去る人間や鳥や獣や這うものなどに似せた像と取り替えたのです」。

・神は天地を創造し、そこに秩序を与えられたと詩人は讃美する。

-148:5-6「主の御名を賛美せよ。主は命じられ、すべてのものは創造された。主はそれらを世々限りなく立て、越ええない掟を与えられた。

 

2.後半において詩人は地の被造物に讃美を促す。

 

・7-8節は地の被造物も主を賛美せよと詩人は促す。

-148:7-8「地において主を賛美せよ。海に住む竜よ、深淵よ、火よ、雹よ、雪よ、霧よ、御言葉を成し遂げる嵐よ」

・9-10節では山や木、そこに生きる動物にも、主を賛美せよと詩人は促す。

-148:9-10「山々よ、すべての丘よ、実を結ぶ木よ、杉の林よ、野の獣よ、全ての家畜よ、地を這うものよ、翼ある鳥よ」

・地上にある神の創造物への賛美は詩編65編にもみられる。

-詩編65:6-9「私たちの救いの神よ。あなたの恐るべき御業が、私たちへのふさわしい答えでありますように。遠い海、地の果てに至るまで、すべてのものがあなたに依り頼みまず。御力をもって山々を固く据え、雄々しさを身に帯びておられる方。大海のどよめき、波のどよめき、諸国の民の騒ぎを鎮める方。山々よ、すべての丘よ、実を結ぶ木よ、杉の林よ」。

・次に野や山に住む者たちへ讃美が促される。

-詩篇148:10-12「野の獣よ、すべての家畜よ、地を這うものよ、翼ある鳥よ。地上の王よ、諸国の民よ、君主よ、地上の支配者よ。若者よ、おとめよ、老人よ、幼子よ(主の御名を賛美せよ)。

・最後はすべての人々への賛美の勧めとなりハレルヤで結ばれる。

-148:13-14「主の御名は一人高く、威光は天地に満ちている。主は御自分の民の角を高く上げてくださる。それは主の慈しみに生きるすべての人の栄誉。主に近くある民、イスラエルの子らよ。ハレルヤ。」

 

3.詩篇148編の黙想

 

・本誌は創世記1章の天地創造物語を踏まえている。創世記1章は捕囚地バビロンで書かれた。最後に詩人は歌う「主は御自分の民の角を高く上げてくださる」。捕囚からの解放とエルサレムの回復が念頭に置かれているのであろう。

・「本詩が天地の全ての被造物に讃美を促す背景には、古代西アジアの神賛歌の伝統があり、それが旧約聖書に受容されたためであろう」と注解者月本昭男は述べる。しかし同時に月本は語る「本詩はしかし、自然現象や被造物を列挙して見せることに主眼を置いていない。むしろ、天界・地界の様々な事象に呼びかけて、神ヤハウェへの讃美を促すのではあり、古代西アジアの賛歌の伝統とは異なる、そこに本詩の特色がある」。

・旧約聖書続編「アザルヤの祈りと三人の若者の賛歌」はこの詩篇148編をベースにしてさらに拡張している。

-アザルヤの祈りと三人の若者の賛歌1:34-64「主の造られたすべてのものよ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ。もろもろの天よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ・・・太陽と月よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ。天の星よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ・・・夜と昼よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ。光と闇よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ・・・・稲妻と雲よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ。大地は、主を賛美し、代々に称え、崇めよ。山と丘よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ・・・海の巨大な動物と水に動くすべてのものよ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ。空のすべての鳥よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ・・・人の子らよ、主を賛美し代々に称え、崇めよ・・・僕たちよ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ。正しい人々の霊と魂よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ。清く心の謙虚な人々よ、主を賛美し、代々に称え、崇めよ」。

・アッシジのフランチェスコは、三人の若者の賛歌を基本に、「兄弟なる太陽の賛歌」を歌った。

-太陽の賛歌「いと高い、全能の、善い主よ、賛美と栄光と誉れと、すべての祝福はあなたのものです・・・

私の主よ、あなたは称えられますように、すべての、あなたの造られたものと共に、太陽は昼であり、あなたは太陽で私たちを照らされます・・・私の主よ、あなたは称えられますように。姉妹である月と星のために、あなたは、月と星を、天に明るく、貴く、美しく創られました・・・私の主よ、あなたは称えられますように、あなたへの愛のゆえに赦し、病いと苦難を堪え忍ぶ人々のために・・・その人たちは、いと高いお方よ、あなたから栄冠を受けるからです・・・私の主をほめ、称えなさい。主に感謝し、深くへりくだって、主に仕えなさい」。

・月本昭男は注解の中で述べる「現代の私たちは山や岡に向かって、神を賛美せよと呼びかける感性はすでに失われているのではないか」と。都会に住む者は、自然の造形に神を思うことは少なくなった。あまりにも自然と離れた生き方をしているからだろうか。東北震災後の大停電において、「満天の星々が宇宙を啓示することを改めて知った」と仙台天文台は報告した。

-仙台天文台震災特別番組「星よりも、遠くへ」から「東日本大震災の夜、大停電の被災地を満天の星が照らしていた。こんな星空を今まで見たことがない。予想だにしない苦難とともに被災者たちが見上げたのは、星空という名の「宇宙」だった」。

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