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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2012年7月18日(水)祈祷会(箴言1章1-7節「知恵の勧め」)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

・「箴言」は「コヘレトの言葉」「ヨブ記」と並ぶ旧約聖書中の知恵文学です。古代スラエルにおいて知恵(ホクマ−)は重視され、技術を習得したり、洞察力を持つためには、知恵は不可欠でした。そして知恵の源は人ではなく、神にあるとされていました。
−ヨブ12:13「神と共に知恵と力はあり、神と共に思慮分別もある。」
・日本語訳聖書の題名「箴言」は漢訳聖書(中国語訳)の題名を継承しています。箴言の「箴」は漢方医術の鍼術に用いる鍼(はり)を意味します。箴言は言葉のはりで人の心をチクリと刺して戒めるととらえられたのです。ヘブル語の原題「マ−シャ−ル」は(様々な教訓を具体例で説明する)を意味し、英訳「proverbs」は「ことわざと格言集」を意味します。それらと比べると「箴言」という題名は、東洋的、かつ辛辣です。
−箴言「序」1:1「イスラエルの王、ダビデの子、ソロモンの箴言。」この見出しの一行から「箴言」はソロモンの作とされています。しかし、研究によると、この書が完成したのは紀元前5世紀ころ、バビロン捕囚後と推測され、ソロモンの作では時代的には無理があると言われています。だとしても、この書の背景にソロモンの大きな影響があることは否定できません。
−箴言1:2「これは知恵と諭しをわきまえ、分別ある言葉を理解するため、諭しを受け入れて、正義と裁きと公平に目覚めるため。」
・旧約聖書中で右に出る者がないほど、ソロモンは知恵者です。しかし、そのソロモンの知恵は神からの賜物でした。ソロモンはイスラエルを治める知恵を神に願い求めました。
−列王記上3:1-15ソロモンの祈り「僕はあなたのお選びになった民の中にいますが、その民の数は多く、数えることも調べることもできないほどです。どうか、あなたの民を正しく裁き、善と悪を判断することができるように、この僕に聞き分ける心をお与えください。そうでなければ、この数多いあなたの民を裁くことが、誰にできましょう。」
・ソロモンの知恵で、よく知られているのは、子供を奪いあう遊女たちの裁判です。その裁きの見事さは、時を越え現代まで伝えられています。
−列王記上3:16-20「そのころ、遊女が二人王のもとに来て、その前に立った。一人こう言った。『王様、よろしくお願します。わたしはこの人と同じ家に住んでいて、その家で、この人のいるところでお産をしました。三日後に、この人もお産をしました。わたしたちは一緒の家にいて、ほかにだれもいず、わたしたちは二人きりでした。ある晩のこと、この人は寝ているときに赤ん坊に寄りかかったため、この人の赤ん坊が死んでしまいました。そこで夜中に起きて、わたしの眠っている間にわたしの赤ん坊を取って自分のふところに寝かせ、死んだ子をわたしのふところに寝かせたのです。』
−列王記上3:21-22「『わたしが朝起きて自分の子に乳をふくませようとしたところ、子供は死んでいるではありませんか。その朝子供をよく見ますと、わたしの産んだ子ではありませんでした。』もう一人の女が言った。『いいえ、生きているのが、わたしの子で、死んだのがあなたの子です。』さきの女が言った。『いいえ、死んだのがあなたの子で、生きているのがわたしの子です。』」
−列王記上3:23-25「二人は王の前で言い争った。王は言った。『生きているのがわたしの子で、死んだのはあなたの子だ。』と一人が言えば、もう一人は、『いいえ、死んだのはあなたの子で、生きているのがわたしの子だ。』と言う。」
―列王記上3:24-26「そして王は『剣を持って来るように』と命じた。王の前に剣が持って来られると、王は命じた。『生きている子を二つに裂き、一人に半分を、もう一人に半分を与えよ。』生きている子の母親は、その子を哀れに思うあまり、『王様、お願いです。この子を生かしたままこの人にあげてください。この子を絶対に殺さないでください。』と言った。しかし、もう一人の女は、『この子をわたしのものにも、この人のものにもしないで、裂いて分けてください』と言った。」
−列王記上3:27-28「王はそれに答えて宣言した。『この子を生かしたまま、先の女に与えよ。この子を殺してはならない。その女がこの子の母親である。』王の裁きを聞いて、イスラエルの人々は皆、王を畏れ敬うようになった。神の知恵が王のうちにあって、正しい裁きを行うのを見たからである。」
・実の母親であれば、わが子の死は望まず、かならず子供の助命を願うはずとソロモンは察知しでいました。神の知恵がソロモンのうちに働いたのです。
−箴言1:4-7「未熟な者に熟慮を教え、若者に知識と慎重さを与えるため。これに聞き従えば、賢人もなお説得力を加え、聡明な人も指導力を増すであろう。また、格言、寓話、賢人らとの言葉と謎を理解するため。主を畏れることは知恵の初め。無知な者は知恵をも諭しをも侮る。」

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