2012年12月12日祈祷会（箴言19：1-29、ソロモンの格言集10）

−箴言19：1-3「貧乏でも、完全な道を歩む人は、唇の曲った愚か者より幸いだ。知識がなければ欲しても不毛だ。あまり足を急がせると過ちを犯す。人は無知よって自分の道を滅ぼす。しかも主に対して心に憤りをもつ。」
・貧乏でもまっとうに生きる人は、ひねくれた愚か者より幸いだ。知識が無ければ意欲だけが空回りする。あわて者は大損する。人は自らの無智がもとで破滅を招いても神を恨む。
−箴言19：4-7「財産は友の数を増す。弱者は友から引き離される。嘘をつく証人は罰を免れることはない。欺きの発言をすれば逃げおおせることはない。高貴な人の好意を求める者は多い。贈り物をする人はだれでも友になる。実の兄弟も皆、貧しい人を憎む。友達ならなお、彼を遠ざかる。彼らは言っていることを実行しょうとはしない。」
・金持ちは友を増やし、貧乏人は友を失う。日本の法律では法廷で宣誓した後、偽証が発覚したら三月以上１０年以下の懲役刑に処せられる。王や貴族に贈り物をすれば、誰でも友になれる。貧乏人を差別してはいけないなどと、綺麗ごとを言うむきがあるが、貧乏人は友人や実の兄弟にまで嫌い憎まれることがある。言うことと為すことが違うではないか。
−箴言19：8-10「心を得た人は自分の魂を愛する。英知を守る人は幸いを見いだす。うそをつく証人は罰を免れることはない。欺きの発言をする者は滅びる。愚か者に快楽はふさわしくない。奴隷が君主を支配するのは、なおふさわしくない。」
・自信ある人は誇りを持ち、自分の魂を大切にしている。英知を尊重する人は幸福を発見する。愚か者の快楽は見苦しい。奴隷が国王を指図するなど、とんでもないことだ。
−箴言19：11-14「成功する人は忍耐する人。背きを赦すことは人に輝きをそえる。王の憤りは若獅子のうなり声。王の好意は青草におく露。愚かな息子は父の破滅。いさかい好きな妻は滴り続けるしずく。家と財産は先祖からの嗣業。賢い妻は主からいただくもの。」
・成功を志すなら忍耐は必要だ。裏切りさえも赦す寛容の人はとても立派だ。王の怒りは若獅子が吠えるように恐ろしい。しかし、王の温情は青草に降りた露のように柔らかく人を包む。家督や財産は祖先から受け継ぐもの。賢い妻は神からの授かりもの。
−箴言19：15-18「怠惰は人を深い眠りに落とす。怠けていれば飢える。戒めを守る人は魂を守る。自分の道を侮る者は死ぬ。弱者を憐れむ人は主に貸す人。その行いは必ず報いられる。望みのあるうちに息子を諭せ。死なせることを目指してはならない。」
・怠惰は人の感覚を鈍らせる。働かなければ食べてゆけない。戒めを守る人は自分を守る人。自分の命を粗末に扱う者は生涯を全うできない。弱者を憐れむ人は主に覚えられる。見込みがあるうちに息子を立ち直らせなさい。見殺しにしてはいけない。
−箴言19：19-21「激しく憤る者は罰を受ける。救おうとしても、あおるだけだ。勧めに聞き従い、諭しを受け入れよ。将来、知恵を得ることのできるように。人の心には多くの計らいがある。主の御旨のみが実現する。」
・激しい怒りは自らの身心をも苛む、さらに、火に油を注ぐように問題を悪化させる。将来、知恵ある者となりたければ、諭しを受け入れ、知恵を自分のものとせよ。主は人の心の中までお見通しである。主の御旨に適ったことだけが実現する。
−箴言19：22-24欲望は人に恥をもたらす。貧しい人は欺くより幸い。主を畏れれば命を得る。満ち足りて眠りにつき、災難に襲われることはない。怠け者は鉢に手を突っこむが、口にその手を返すことすらしない。」
・我欲が強ければ強いだけ、その恥は大きくなる。人を騙して生きるより、貧しくても正直に生きるほうが良い。神を敬う人はぐっすり眠れ、災難を免れ寿命を全うできる。怠け者は急いで食卓に着いても居眠りを始め、目を覚ましたときは、食卓は片付けられている。
−箴言19：25-27「不遜な者を打てば、浅はか者は熟慮を得る。聡明な人を懲らしめれば、知恵を見分ける。父に暴力を振るい、母を追い出す者は、辱めと嘲りをもたらす子。」
・知ったかぶりする者を戒め、その浅はかさを反省させよ。賢い者は叱られれば自ら誤りを正すことができる。父に暴力をふるい、母を追い出す親不孝者は社会から非難される。
−箴言19：27-29「わが子よ。諭しに聞き従うことをやめるなら、知識の言葉からたちまち迷い出るであろう。ならず者の証人は裁きを侮辱し、神に逆らう者の口は悪を呑み込む。不遜な者に対しては罰が準備され、愚か者の背には鞭が待っている。」
・わが子よ。もし、教えに聞き従わないなら、知恵なき者となるであろう。悪人の証言は裁判を侮辱し、神に従わぬ者は悪を食い物にする。思い上がっている者は報いを受ける。愚かな者はその背中を鞭で打たれる。