江戸川区南篠崎町にあるキリスト教会です

日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2009年7月9日祈祷会(イザヤ51章前半、エルサレム帰還の約束)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.帰国を決意した少数者への言葉

・バビロンからの帰国に際し、生活の現状維持を欲する反帰国派と帰郷運動に加わる理想派で共同体は割れ、召しに応じて帰国を決意した者は少数であった。預言者は彼らを「正しさを求める者」「主を尋ね求める人」と励ます。
−イザヤ51:1a「私に聞け、正しさを求める人、主を尋ね求める人よ」。
・預言者はユダヤ人の父祖アブラハムと妻サラの事例を持ち出し、アブラハムがたった一人から多くの子孫を得たように、あなた方が少数であっても、同じように祝福されて多くの子孫を得ると預言する。バビロンに引き続き留まろうという者が予想以上に多く、「少人数で祖国再興が可能なのか」と疑う声が出ていたのだろう。
−イザヤ51:1b-2「あなたたちが切り出されてきた元の岩、掘り出された岩穴に目を注げ。あなたたちの父アブラハム、あなたたちを産んだ母サラに目を注げ。私はひとりであった彼を呼び、彼を祝福して子孫を増やした」。
・アブラハムとサラはバビロニアのウルに生まれ、召命を受けてハランに移住し、そこから約束の地であるパレスチナを目指した。千年の時間の後、あなたがたも二人の出発点であるバビロンから約束の地を目指す。今は荒れ果てているシオンを、主が新しい「エデンの園」に造り替えて下さる。そこは喜びと感謝の場所になると預言者は言う。
−イザヤ51:3「主はシオンを慰め、そのすべての廃虚を慰め、荒れ野をエデンの園とし、荒れ地を主の園とされる。そこには喜びと楽しみ、感謝の歌声が響く」。
・預言者は主の言葉を続ける「律法は私から出、わが道はもろもろの民の光となる」(口語訳)と。イスラエルの行動が神の義を証しし、それを見て諸国の民も神の業をほめ、従うようになると預言される。
−イザヤ51:4-5「私の民よ、心して私に聞け。私の国よ、私に耳を向けよ。教えは私のもとから出る。私は瞬く間に私の裁きをすべての人の光として輝かす。私の正義は近く、私の救いは現れ、私の腕は諸国の民を裁く。島々は私に望みをおき、私の腕を待ち望む」。
・「天地が滅びても私の言葉は滅びない」と主は宣言される。天地は言葉によって創造された。新しい天地もまた言葉によって、再創造される。イエスも「天地は滅びるが、私の言葉は滅びない」(マタイ24:35)と宣言されている。
−イザヤ51:6「天に向かって目を上げ、下に広がる地を見渡せ。天が煙のように消え、地が衣のように朽ち、地に住む者もまた、ぶよのように死に果てても、私の救いはとこしえに続き、私の恵みの業が絶えることはない」。
・主を信頼する者にとって、人のそしりはしばらくであって恐れるに足りない。主に逆らう者(帰国に反対する者)はやがて滅びるであろうとイザヤは預言する。
−イザヤ51:7-8「私に聞け、正しさを知り、私の教えを心におく民よ。人に嘲られることを恐れるな。ののしられてもおののくな。彼らはしみに食われる衣、虫に食い尽くされる羊毛にすぎない。私の恵みの業はとこしえに続き、私の救いは代々に永らえる」。

2.創造〜出エジプト〜出バビロン

・カナンの創造神話では、光である神が闇である混沌(その象徴としての怪獣ラハブと竜)を打ち破って、天地を創造されたとする(ヨブ記26:12−13参照)。出エジプトにおいては紅海の水が分けられ、そこを脱出した民が通った。この創造と救いの業を為された方が、今新しい救いの業、出バビロンをされようとしておられると預言者は歌う。
−イザヤ51:9-10「奮い立て、奮い立て、力をまとえ、主の御腕よ。奮い立て、代々とこしえに、遠い昔の日々のように。ラハブを切り裂き、竜を貫いたのは、あなたではなかったか。海を、大いなる淵の水を、干上がらせ、深い海の底に道を開いて、贖われた人々を通らせたのは、あなたではなかったか。主に贖われた人々は帰って来て、喜びの歌をうたいながらシオンに入る。頭にとこしえの喜びをいただき、喜びと楽しみを得、嘆きと悲しみは消え去る」。
・「天地を創造し、民をエジプトから贖いだした私を信じるなら、何故人を恐れるのか。死ぬべき存在の人を」と主は言われる。「草は枯れ、花はしぼむ。主の風が吹きつけたのだ。この民は草に等しい」(40:7)の言葉が再び響く。
−イザヤ51:12-13「私、私こそ神、あなたたちを慰めるもの。なぜ、あなたは恐れるのか、死ぬべき人、草にも等しい人の子を。なぜ、あなたは自分の造り主を忘れ、天を広げ、地の基を据えられた主を忘れ、滅びに向かう者のように、苦痛を与える者の怒りを常に恐れてやまないのか。苦痛を与える者の怒りはどこにあるのか」。
・帰国反対派は様々な妨害を行って帰国派の人々を悩まし、人々の決意も揺るいでいた。彼らは身をかがめて迫害者を恐れた。その民に「恐れるな、私が共にいるではないか。全てを置いてバビロンを出よ」と主は言われる。
-イザヤ51:14-16「かがみ込んでいる者は速やかに解き放たれ、もはや死ぬことも滅びることもなく、パンの欠けることもない。私は主、あなたの神。海をかきたて、波を騒がせるもの、その御名は万軍の主。私はあなたの口に私の言葉を入れ、私の手の陰であなたを覆う。私は天を延べ、地の基を据え、シオンよ、あなたは私の民、と言う」。
・この神の言葉に従った少数者がやがて新しいユダヤ民族を形成していき、彼らの子孫は現在も生きている。

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