1.信仰告白
・約束の地に入るイスラエルに対するモーセの奨励が申命記の中核である。5章以降述べられてきた掟と法が26章で閉じられる。
-申命記26:16「今日、あなたの神、主はあなたに、これらの掟と法を行うように命じられる。あなたは心を尽くし、魂を尽くして、それを忠実に守りなさい」。
・何故掟を守るのか、主が恵みを下さった、その恵みに答えるためだ。26:5以下は最古の信仰告白と言われる。
-申命記26:5-9「私の先祖は、滅びゆく一アラム人であり、わずかな人を伴ってエジプトに下り、そこに寄留しました。しかしそこで、強くて数の多い、大いなる国民になりました。エジプト人はこの私たちを虐げ、苦しめ、重労働を課しました。私たちが先祖の神、主に助けを求めると、主は私たちの声を聞き、私たちの受けた苦しみと労苦と虐げを御覧になり、力ある御手と御腕を伸ばし、大いなる恐るべきこととしるしと奇跡をもって私たちをエジプトから導き出し、この所に導き入れて乳と蜜の流れるこの土地を与えられました」。
・「私たちが叫ぶと主は聞いて下さった」、ここに信仰の本質がある。私たちが信仰を求めるのは、問題を抱え、どうしようもなく困っているからだ。求めれば聞いて下さる。満ち足りた人は求めない故に不幸なのだ。
-ルカ6:20-25「貧しい人々は、幸いである、神の国はあなたがたのものである。今飢えている人々は、幸いである、あなたがたは満たされる。今泣いている人々は、幸いである、あなたがたは笑うようになる。・・・しかし、富んでいるあなたがたは、不幸である、あなたがたはもう慰めを受けている。今満腹している人々、あなたがたは、不幸である、あなたがたは飢えるようになる。今笑っている人々は、不幸である、あなたがたは悲しみ泣くようになる」。
・約束の地に入って最初の収穫が与えられた時、初穂は主に捧げよと言われる。主から与えられた故に主に返せ。
-申命記26:1-3「主が嗣業の土地として得させるために与えられる土地にあなたが入り、そこに住む時には、あなたの神、主が与えられる土地から取れるあらゆる地の実りの初物を取って籠に入れ、あなたの神、主がその名を置くために選ばれる場所に行きなさい。あなたは、・・・祭司のもとに行き『今日、私はあなたの神、主の御前に報告いたします。私は、主が私たちに与えると先祖たちに誓われた土地に入りました』と言いなさい」。
・今日、礼拝を捧げることが大事だと言われている。過去の救いの出来事の故に今日の収穫があり、それを主に献げる。そして将来の祝福を祈る。それを今日献げる、来週ではいけない、それが礼拝だと言われている。
-申命記26:10-11「『私は、主が与えられた地の実りの初物を、今、ここに持って参りました』。あなたはそれから、あなたの神、主の前にそれを供え、あなたの神、主の前にひれ伏し、あなたの神、主があなたとあなたの家族に与えられたすべての賜物を、レビ人およびあなたの中に住んでいる寄留者と共に喜び祝いなさい」。
2.告白に対する応答
・収穫の十分の一は貧しい人と共に食べて祝えと言われている。一人で祝うのは礼拝ではない。
-申命記26:12-13「十分の一の納期である三年目ごとに、収穫物の十分の一を全部納め終わり、レビ人、寄留者、孤児、寡婦に施し、彼らが町の中でそれを食べて満ち足りたとき、あなたの神、主の前で次のように言いなさい。『私は、聖なる献げ物を残らず家から取り出し、すべてあなたが命じられた戒めに従って、レビ人、寄留者、孤児、寡婦に施し、あなたの戒めからはずれたり、それを忘れたりしませんでした』」。
・やるべきことはやり、やるべきでないことはしていないことを主の前に示せ。そして祝福を求めよ。
-申命記26:14-15「それを喪中に食べたり、汚れているときに取り出したり、死者に供えたりしたことはありません。私の神、主の御声に聞き従い、すべてあなたが命じられたとおりに行いました。天にあるあなたの聖なる住まいから見下ろして、あなたの民イスラエルを祝福し、あなたが先祖に誓われたとおりに、私たちに授けられた地、乳と蜜の流れる土地を祝福してください」。
・礼拝の前にするべきことをしなさい。言葉だけで、行わない信仰ではいけないことはイエスも言われたことだ。
-マタイ5:23-24「あなたが祭壇に供え物を献げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい」。
・あなたは契約を守ると誓約した。それに答えて神はあなたを自分の民とされるだろうとモーセは言葉を結ぶ。
-申命記26:17-19「今日、あなたは誓約した『主を自分の神とし、その道に従って歩み、掟と戒めと法を守り、御声に聞き従います』と。主もまた、今日、あなたに誓約された『・・・造ったあらゆる国民にはるかにまさるものとし、あなたに賛美と名声と誉れを与え、既に約束したとおり、あなたをあなたの神、主の聖なる民にする』」。