1.偵察隊の派遣
・民は約束の地の入り口にあたるカデシ・バルネアまで進んだ。モーセは12人を偵察隊として派遣し、各人に命じた「どのような人々が住んでいるのか、彼らの防衛力や装備はどうか、土地は耕作や居住に向いているのか、どのような果物が実っているのか」。侵攻の準備のための偵察であった。
−民数記13:17-20「ネゲブに上り、更に山を登って行き、その土地がどんな所か調べて来なさい。そこの住民が強いか弱いか、人数が多いか少ないか、彼らの住む土地が良いか悪いか、彼らの住む町がどんな様子か、天幕を張っているのか城壁があるのか、土地はどうか、肥えているかやせているか、木が茂っているか否かを。あなたたちは雄々しく行き、その土地の果物を取って来なさい」。
・40日後、彼らは帰って来て、報告した。その地が豊かであることは一致していた。
−民数記13:25-27「四十日の後、彼らは土地の偵察から帰って来た。パランの荒れ野のカデシュにいるモーセ、アロンおよびイスラエルの人々の共同体全体のもとに来ると、彼らと共同体全体に報告をし、その土地の果物を見せた。彼らはモーセに説明して言った『私たちは、あなたが遣わされた地方に行って来ました。そこは乳と蜜の流れる所でした。これがそこの果物です』」。
・しかしまた、強そうな民族が、城塞を作って住んでいる、相手は手ごわいこともまた、一致して報告された。
−民数記13:28-29「その土地の住民は強く、町という町は城壁に囲まれ、大層大きく、しかもアナク人の子孫さえ見かけました。ネゲブ地方にはアマレク人、山地にはヘト人、エブス人、アモリ人、海岸地方およびヨルダン沿岸地方にはカナン人が住んでいます」
・報告を基にした情勢判断ははっきりと二つに分かれた。民は相手が強いことを聞かされ、動揺する。しかしカレブは言う「主が与えると言われるのだから、攻め上って行きましょう」。
−民数記「断然上って行くべきです。そこを占領しましょう。必ず勝てます」。
・他の報告者達は恐れて言った「彼らは我々より強い。攻めるのは無理だ」。
−民数記13:31-33「彼と一緒に行った者たちは反対し『いや、あの民に向かって上って行くのは不可能だ。彼らは我々よりも強い』と言い、イスラエルの人々の間に、偵察して来た土地について悪い情報を流した。『我々が偵察して来た土地は、そこに住み着こうとする者を食い尽くすような土地だ。我々が見た民は皆、巨人だった。そこで我々が見たのは、ネフィリムなのだ。アナク人はネフィリムの出なのだ。我々は、自分がいなごのように小さく見えたし、彼らの目にもそう見えたにちがいない』」。
2.信仰と不信仰を分けるもの
・同じ事実認識をしても、人々の判断は分かれる。神を信頼しない時、現実は絶望的になる。5000人の群集を前に、イエスの弟子たちは言った「パンは五つあるが、こんなに大勢では何の役にも立たない」。
−ヨハネ6:8-9「弟子の一人で、シモン・ペトロの兄弟アンデレが、イエスに言った。『ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう』」。
・絶望的な現実を見るとき、私たちは怖気づく。しかし主は私たちに言われる。「信じて行ってみよ、その時あなたは奇跡を見る」。
−マラキ3:10「十分の一の献げ物をすべて倉に運び、私の家に食物があるようにせよ。これによって、私を試してみよと万軍の主は言われる。必ず、私はあなたたちのために、天の窓を開き、祝福を限りなく注ぐであろう」。
・この神の言葉に信頼し続ける。信仰とはそういうものだ。
−ローマ8:31-32「もし神が私たちの味方であるならば、誰が私たちに敵対できますか。私たち凡てのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒に全てのものを私たちに賜らないはずがありましょうか。」
・私たちはこの神に信を置かなければいけない。そうしないと、私たちの全ては崩れ去るだろう。
−民数記14:7-9「我々が偵察して来た土地は、とてもすばらしい土地だった。もし、我々が主の御心に適うなら、主は我々をあの土地に導き入れ、あの乳と蜜の流れる土地を与えてくださるであろう。ただ、主に背いてはならない。あなたたちは、そこの住民を恐れてはならない。彼らは我々の餌食にすぎない。彼らを守るものは離れ去り、主が我々と共におられる。彼らを恐れてはならない。」
・教会形成もこれと同じだ。自分の不信仰を知りながら、ためらいつつも従っていくのだ。
−マルコ9:23-24「イエスは言われた。『できればと言うか。信じる者には何でもできる』。その子の父親はすぐに叫んだ。『信じます。信仰のない私をお助けください』」。