皆さん、おはようございます。今日ご一緒に味わう聖書箇所は、ルカによる福音書1章26~38節「『いと高き方の力』に包まれて」です。副題として「希望に満ちた信仰への招き」を掲げています。
この時間、ぜひ心を開き、神の言葉に耳を傾けてみましょう。
まず、皆さんに問いかけたいことがあります。「皆さんは突然の変化や困難に直面したとき、どのように感じ、どんな選択をしてきたでしょうか?」
日々の生活の中で、予想もしなかった出来事や決断を迫られることがあると思います。その時、何を頼りに、どんな思いで歩みを選ばれたでしょうか。
今日の聖書の物語に自分自身を重ねながら、神の力が私たちにどのように働くのか、共に考えてみたいと思います。
ここで、私が大切にしている判断基準について触れておきたいと思います。
私自身、どんな状況や選択に直面したときも、「自分の判断を、孫に胸を張って説明できるか」「孫がその選択を見て、おかしい・変だと思わないか」「孫が悲しまないか」という視点を忘れないようにしています。このような基準を持ちながら、自身の歩みを振り返ってみてもいます。
この基準は、皆さんの日々の選択や、困難な場面での判断にも役立つものかどうかわかりませんが、自分自身だけでなく、次世代にも誇れる選択を心がけることが、誠実な歩みにつながるものと信じています。
ただひとつ問題があります。私自身が小学校1年生の純真な心と目で見ることがなかなかできないという事です。
天使ガブリエルとマリアの出会い
聖書に記されるこの場面は、天使ガブリエルがナザレのマリアに現れ、神の偉大な計画を告げる場面です。「六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。」(1:26)
マリアは、ごく普通の日常を送る女性であったと思われます。そんな彼女に、突然の使命と変化が訪れます。
現代に生きる私たちも、例えば転職や異動、家族の病気、予期せぬトラブルなど【日常が一変する瞬間を経験する】ことがあるのではないでしょうか。
「皆さんは、思いもよらない知らせや新たな責任を与えられたとき、どんな気持ちになり、どのような反応をされたのでしょうか?」
ガブリエルの「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」(1:28)という言葉は、マリアだけでなく、現代を生きる私たちにも響きます。
この言葉を、職場や家庭で突然大きな役割を任された時、自分に向けられているとしたら、どう受け止めるでしょうか。
マリアの葛藤と信仰の応答
「マリアは天使に言った。『どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。』」(1:34)
マリアも突然の使命に戸惑い、不安や常識との葛藤、社会的リスクを感じました。これは、私たちが予期しない出来事や大きな決断に直面したときの心情に通じます。
例えば、仕事で新しいプロジェクトの責任を任された時、家族の問題で自分の考えや決断が求められた時、「自分に務まるのだろうか」「失敗したらどうしよう」と不安になることがあると思います。
天使は「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。」(1:35)と約束し、マリアは「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」(1:38)と応答しました。
このみ言葉は、私たちの日常にどう響くでしょうか。迷いや不安があっても、神の約束に信頼し「導きに身を委ねる」という姿勢を持つことで、困難の中にも希望が生まれるのだと教えてくれます。
「皆さんは、理解を超えた状況の中で、何を頼りに一歩を踏み出したことがありますでしょうか?」
神の力に包まれる約束
「神にできないことは何一つない。」(1:37)この約束は、マリアだけでなく、私たちすべてに与えられています。
例えば、職場で突然の人事異動があり、慣れない環境で不安を感じている時、家族の介護や子育てで悩みを抱えている時、【神の力が私たちを優しく包み、導いてくださると信じる】ことで、乗り越える力と希望が与えられます。
このみ言葉は、皆さんの今の状況にどのように響くでしょうか。日常の中で「もう無理かもしれない」と感じる瞬間があっても、神の約束を握ることで、新しい使命や勇気が生まれます。
「皆さんは、困難や不安の中で支えられた経験はありますでしょうか?」
ヨセフの信仰と行動
マリアの婚約者ヨセフは、マタイによる福音書1章18~25節で「正しい人」として、マリアとその子イエスを守る決断をしました。現代の私たちも、家庭や職場で難しい決断を迫られることがあります。例えば、家族の事情で重要な選択をする時や、職場で誰かを守るために勇気を出す場面です。ヨセフは、自分の理解を超える状況の中、静かに神の導きを受け入れ、家族を守りました。
「皆さんは、愛と責任をもって大切な人を守るために、どんな決断をしたことがありますか?」
信仰は、ただ心の中の思いだけでなく、実際の行動として現れるべきだとヨセフの姿勢は教えてくれます。
このみ言葉は、現代の私たちにどんな示唆を与えてくれるでしょうか。
弱き者への配慮と信仰の行い
聖書は、弱き者や小さき者への配慮と行動の大切さを繰り返し教えています。マタイ25:40は、「最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。」ヤコブ2:15-17では、「信仰は具体的な行動を伴うべき」と記されています。
現代社会にも、孤独や困難の中にいる方々、支援を必要とする人がたくさんいます。例えば、職場で悩みを抱えている同僚や、地域で孤立している方々に、声をかけたり手を差し伸べたりすることが、信仰の実践になると思います。
「皆さんの周りに、助けを必要としている人はいませんか?どんな小さな気遣いや行動ができるでしょうか?」
このみ言葉は、私たちの日常にどう響くでしょうか。神の愛を受ける者として、どんな小さな善意や思いやりも、神の御心に応える歩みであることを心に留めたいものです。
招詞:イザヤ書・他聖句との響き合い
招詞にイザヤ書43章2節を選びました。皆さんとご一緒にお読みしたいと思います。「水の中を通るときも、わたしはあなたと共にいる。大河の中を通っても、あなたは押し流されない。火の中を歩いても、焼かれず/炎はあなたに燃えつかない。」ありがとうございます。
このみ言葉は、困難や試練の中でも、神が常に共に歩んでくださるという約束です。
「皆さんは、人生の嵐の中で神の臨在を感じたことがありますか?」マリアの応答にも、「神が共にいてくださる」という約束と「いと高き方の力に包まれる」という体験が響き合います。
日常の不安や試練の中でも、神の力が静かに、しかし確かに働いていることを覚えましょう。
「このmみ言葉は、私たちの生活にどんな希望をもたらしてくれるでしょうか。」
信仰と希望への招き
今日の礼拝の中で、ぜひご自身の弱さや不安を神に委ねてみましょう。マリアのように「お言葉どおり、この身に成りますように。」と祈る心を持つことで、神の愛と導きを信じ、新しい希望と使命に向かって歩み出すことができます。
「皆さんは、これからの一週間、どんな場面で神の導きを求めたいですか?どんな新しい一歩を踏み出したいと感じているでしょうか?」
神が共にいてくださるという確かな約束を胸に、日々の生活へと歩み出しましょう。マリアやヨセフのように、信仰と希望をもってそれぞれの場所で新たな使命に応えていきましょう。
小さな善意や思いやりを大切にし、困難や不安の中でも神の力に守られて一歩ずつ進んでいきたいものです。今日与えられた主の言葉が、これからの日々を照らし、私たち一人ひとりの歩みを祝福してくださいますよう願い、共に感謝と希望のうちに新たな一週間を始めましょう。
祈り
お祈りします。
愛する真の命の神様、
今日、私たちに与えてくださった御言葉に心から感謝します。
マリアやヨセフの信仰と、弱き者、小さき者へのあなたの深い配慮に学び、私たちもその愛と憐れみをもって歩む者としてください。
困難や不安の中にあっても、イザヤ書の約束どおり、あなたが共におられることを信じ、希望と勇気をもって新たな一歩を踏み出すことができますように。
主よ、どうか私たち一人ひとりに、いと高き方の力と導きを豊かに注いでください。
日々の生活の中で、あなたの愛を証しし、周りの人々に思いやりと優しさをもって仕えることができますように。
全てを主の御手にゆだね、イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。