1.指導者の重荷を担い合いなさい
・ガラテヤ教会の指導者たちは、自分たちは「霊に導かれている」と誇りながら、実際は、教会を間違った方向に導こうとしていた。そして教会内の反対者と反目しあっていた。
-ガラテヤ5:15「互いにかみ合い、共食いしているのなら、互いに滅ぼされないように注意しなさい」。
・指導者が間違った方向に行こうとしている時、教会員は彼らを正す義務がある。パウロは、柔和な心で彼らを正しい道に立ち返らせなさい、責めたり、裁いてはいけないと勧める。しかし、同時に誘惑されてはいけない。
-ガラテヤ6:1-2「兄弟たち、万一だれかが不注意にも何かの罪に陥ったなら、“霊”に導かれて生きているあなたがたは、そういう人を柔和な心で正しい道に立ち帰らせなさい。あなた自身も誘惑されないように、自分に気をつけなさい。互いに重荷を担いなさい。そのようにしてこそ、キリストの律法を全うすることになるのです」。
・霊的賜物をいただいていると誇る指導者たちは自分を優れた者とし、教会員を見下していた。パウロは、神の前では、人の優劣は何の意味も持たない。賜物は誇るためではなく、仕えるために神から与えられたのだと諭す。
-ガラテヤ6:3-5「実際には何者でもないのに、自分をひとかどの者だと思う人がいるなら、その人は自分自身を欺いています。各自で、自分の行いを吟味してみなさい。そうすれば、自分に対してだけは誇れるとしても、他人に対しては誇ることができないでしょう。めいめいが、自分の重荷を担うべきです」。
・ガラテヤの指導者たちは自分たちを優れた者とし、福音を伝える教師たちに十分な支援をしなかった。教師を教師として立て、必要な支援を行いなさい。それが霊に蒔く行為だとパウロは勧める。
-ガラテヤ6:6-7「御言葉を教えてもらう人は、教えてくれる人と持ち物をすべて分かち合いなさい。・・・神は、人から侮られることはありません。人は、自分の蒔いたものを、また刈り取ることになるのです」。
・人は自分の蒔いたものを刈り取る。善であれ悪であれ、行いに応じて報いを受ける。良いことをすれば神は報いてくださる。善を行うには忍耐が必要だが、時が来れば必ず与えられる。信じてやるべきことを行いなさい。
-ガラテヤ6:8-10「自分の肉に蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、霊に蒔く者は、霊から永遠の命を刈り取ります。 たゆまず善を行いましょう。飽きずに励んでいれば、時が来て、実を刈り取ることになります。ですから、今、時のある間に、すべての人に対して、特に信仰によって家族になった人々に対して、善を行いましょう」。
2.割礼を受けることは十字架を否定することだ。
・あなたがたに割礼を勧める者は、ユダヤ教徒やローマからの迫害を免れるために、そうしようとしているのだ(当時の教会は地域のユダヤ人から迫害され、同時に帝国からは非公認宗教者として迫害されていた)。
-ガラテヤ6:12-13「肉において人からよく思われたがっている者たちが、ただキリストの十字架のゆえに迫害されたくないばかりに、あなたがたに無理やり割礼を受けさせようとしています。割礼を受けている者自身、実は律法を守っていませんが、あなたがたの肉について誇りたいために、あなたがたにも割礼を望んでいます」。
・パウロの反対者たちは、自分たちの行為がキリストの福音を踏みにじっているとは思いもしなかった。しかし迫害を避けるためのユダヤ教や帝国との妥協が、肉の思いとなり、十字架を否定する行為になることを知るべきだ。
-ガラテヤ5:11「この私が、今なお割礼を宣べ伝えているとするならば、今なお迫害を受けているのは、なぜですか。そのようなことを宣べ伝えれば、十字架のつまずきもなくなっていたことでしょう」。
・私たちは割礼のような外面的な行為で救われるのではなく、十字架で救われるのだ。キリストの十字架によって私たちも共に死んだのだ。割礼があるかどうかでなく、死んで新しくされたかが大事なのだ。
-ガラテヤ6:14-15「この私には、私たちの主イエス・キリストの十字架のほかに、誇るものが決してあってはなりません。この十字架によって、世は私に対し、私は世に対してはりつけにされているのです。割礼の有無は問題ではなく、大切なのは、新しく創造されることです」。
・私が迫害によって受けた傷こそ、イエスの焼印だ。イエスの焼印を身にまとう者がキリストに背いて、ユダヤ教や帝国と妥協することは出来ない。あなたがたもわかってほしい。
-ガラテヤ6:17「これからは、だれも私を煩わさないでほしい。私は、イエスの焼き印を身に受けているのです。
・私たちはキリストのために苦しむことも恵みとして賜っているのだ。
-ピリピ1:29-30「あなたがたには、キリストを信じることだけでなく、キリストのために苦しむことも、恵みとして与えられているのです。あなたがたは、私の戦いをかつて見、今またそれについて聞いています。その同じ戦いをあなたがたは戦っているのです」。