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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2007年9月26日祈祷会(列王記上4章、知恵はあったが愛が無かったソロモン)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.ソロモンの知恵と繁栄

・口語訳・列王記上4章は1-34まであり、新共同訳5:14までを含む。依拠する原典の違いである。ここでは5:14までを含む範囲で4章を考える。4章始めにソロモンの閣僚名簿がある。ソロモン王権樹立を導いたのは、預言者ナタン、祭司ツァドク、軍司令ベナヤであり、彼らおよび子たちが要職を占める。現代と同じく、功績に報いる組閣である。
―?列王記4:1-6「ソロモン王は全イスラエルの王となった。その高官たちは次のとおりである。ツァドクの子アザルヤ、祭司。シシャの二人の子エリホレフとアヒヤ、書記官。アヒルドの子ヨシャファト、補佐官。ヨヤダの子ベナヤ、軍の司令官。ツァドクとアビアタル、祭司。ナタンの子アザルヤ、知事の監督。ナタンの子ザブド、王の友で、祭司。アヒシャル、宮廷長。アブダの子アドニラム、労役の監督」。
・ソロモンの時代に国は繁栄の頂点に立った。民は増え、領土は拡大した。
―?列王記4:20-5:5「ユダとイスラエルの人々は海辺の砂のように数が多かった。彼らは飲み食いして楽しんでいた。・・・ソロモンの在世中、ユダとイスラエルの人々は、ダンからベエル・シェバに至るまで、どこでもそれぞれ自分のぶどうの木の下、いちじくの木の下で安らかに暮らした」。
・アブラハムへの約束が成就した。アブラハムは、生前の子はイサクだけであり、土地は妻サラを葬るだけの地所しか所有しなかった。500年の時を経て、彼の子孫たちは天の星のように増え、見渡す限りの土地が領土となった。
―創世記15:18-21「あなたの子孫にこの土地を与える。エジプトの川から大河ユーフラテスに至るまで、カイン人、ケナズ人、カドモニ人、ヘト人・・・アモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人の土地を与える」。
―創世記22:17-18「あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。あなたの子孫は敵の城門を勝ち取る。地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る」。
・ソロモンは知恵に満ち、その名声は諸国にも伝えられ、彼の言葉は書き記された。
―?列王記5:9-12「神はソロモンに非常に豊かな知恵と洞察力と海辺の砂浜のような広い心をお授けになった。ソロモンの知恵は東方のどの人の知恵にも、エジプトのいかなる知恵にもまさった。・・・その名は周りのすべての国々に知れ渡った。彼の語った格言は三千、歌は千五首に達した」。
・聖書では箴言、伝道の書、雅歌がソロモンの作ないしはソロモンの言葉を伝えるものとして残されている。
―箴言1:1-2「イスラエルの王、ダビデの子、ソロモンの箴言。知恵と諭しをわきまえ分別ある言葉を理解するため」
―伝道1:1-2「エルサレムの王、ダビデの子、コヘレトの言葉。・・・なんという空しさ・・・すべては空しい」。

2.その栄華は重税と強制労働に支えられていた

・しかし、その栄華は重税と強制労働に支えられていた。ソロモンは民に過大な税と賦役を命じた。労役監督アドニラムあるいは彼の子は、後に民衆に恨まれ、殺されている(12:18)。12の行政区が定められ、それぞれが税負担を行うように命じられた。財政基盤確立のための行政区の変更で、従来の12部族の領地を再編成している。
―?列王記4:7「ソロモンはイスラエル全国に十二人の知事を置いた。彼らは、王と王室の食糧を調達した。すなわち、知事は各自毎年一か月分の食糧を調達することになっていた」。
・12の領地にユダ族の名はない。おそらく税負担が免除されていた。その不公正が後の王国分裂の原因となった。
―?列王記12:16「イスラエルのすべての人々は、王が耳を貸さないのを見て、王に言葉を返した『ダビデの家に我々の受け継ぐ分が少しでもあろうか。エッサイの子と共にする嗣業はない。イスラエルよ、自分の天幕に帰れ。ダビデよ、今後自分の家のことは自分で見るが良い』。こうして、イスラエルの人々は自分の天幕に帰って行った」。
・ソロモンは軍備を固め、騎兵1万2千、馬4千、戦車1400を持った(?歴代誌9:25)。また、周辺諸国との融和のためエジプト王や、モアブ・エドム・シドンとの縁戚関係を促進した。その結果、国に異教礼拝が浸透し、国は乱れた。
―?列王記11:1-2「ソロモン王はファラオの娘のほかにもモアブ人、アンモン人、エドム人、シドン人、ヘト人など多くの外国の女を愛した・・・主がかつて『彼らをあなたたちの中に入れてはならない。彼らは必ずあなたたちの心を迷わせ、彼らの神々に向かわせる』と仰せになったが、ソロモンは彼女たちを愛してそのとりことなった」。
・ソロモンの栄華は一代で終わり、死後に王国は分裂する。ソロモンが民に仕えるのではなく、民を貪ったからだ。ソロモンは知恵があったが愛が無かった。そこにこそ、ソロモンの治世の問題がある。
―?列王記12:4「あなたの父上は私たちに苛酷な軛を負わせました。今、あなたの父上が私たちに課した苛酷な労働、重い軛を軽くしてください。そうすれば、私たちはあなたにお仕えいたします」。
・自分のために生きるのか、他者のために生きるのか、人生の分岐点である。ソロモンは自分のために生きた。
―マタイ10:39「自分の命を得ようとする者はそれを失い、私のために命を失う者は、かえってそれを得るのである」。

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