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日本バプテスト連盟 篠崎キリスト教会

2006年7月26日祈祷会(士師記9章、ギデオンの子アビメレクの罪)

投稿日:2019年8月21日 更新日:

1.アビメレクの罪

・イスラエルをミディアンから救ったギデオンは、王になってほしいという民の要請を断る。その行為は表面上は謙遜であるが、事実上彼は王の生活を行い、生まれた子にアビメレク(父は王)と名づける。
―士師記8:29-31「ヨアシュの子エルバアルは自分の家に帰って住んだ。ギデオンには多くの妻がいたので、その腰から出た息子は七十人を数えた。シケムにいた側女も一人の息子を産み、彼はその子をアビメレクと名付けた」。
・そのギデオンの高慢が罪を生む。ギデオンが死ぬと子のアビメレクは母方のシケムに行き、「王として立つので支援して欲しい」と要請し、シケムの一族はそれを受け入れる。
―士師記9:1-3「エルバアルの子アビメレクはシケムに来て、母方のおじたちに会い、彼らと母の家族が属する一族全員とにこう言った『シケムの全ての首長にこう言い聞かせてください。あなたたちにとって、エルバアルの息子七十人全部に治められるのと、一人の息子に治められるのと、どちらが得か。但し私が、あなたたちの骨であり肉だということを心に留めよ』。母方のおじたちは、彼に代わってこれらの言葉をことごとくシケムのすべての首長に告げた。彼らは『これは我々の身内だ』と思い、その心はアビメレクに傾いた」。
・ギデオンは王になることは神の主権を侵すことだと拒否した。息子のアビメレクは王になるために兄弟を殺す。しかし、罪の根源は父ギデオンにある。
―士師記9:4-5「彼らがバアル・ベリトの神殿から銀七十をとってアビメレクに渡すと、彼はそれで命知らずのならず者を数名雇い入れ、自分に従わせた。彼はオフラにある父の家に来て、自分の兄弟であるエルバアルの子七十人を一つの石の上で殺した。末の子ヨタムだけは身を隠して生き延びた」。
・彼を支援したのはカナン人であるシケム族、資金は偶像神の神殿から出た。彼はその資金で親衛隊を雇い、兄弟を殺して王位につく。彼の生き方は「自分で正しいと思うことをする」、彼はレメクの末裔である。
―創世記4:23-24「レメクは妻に言った『アダとツィラよ、わが声を聞け。レメクの妻たちよ、わが言葉に耳を傾けよ。私は傷の報いに男を殺し、打ち傷の報いに若者を殺す。カインのための復讐が七倍なら、レメクのためには七十七倍』」。
・王とは神の委託を受けて民を統治するものであり、彼は最初から王の資格を欠いていた。神の召命を受けずに自分の力でなった王位は、神により剥奪される。
―士師記9:23-24「神はアビメレクとシケムの首長の間に、険悪な空気を送り込まれたので、シケムの首長たちはアビメレクを裏切ることになった。こうしてエルバアルの七十人の息子に対する不法がそのままにされず、七十人を殺した兄弟アビメレクと、それに手を貸したシケムの首長たちの上に、血の報復が果たされることになる」。

2.アビメレクの最後

・アビメレクは反抗するシケム族を攻め滅ぼす。シケムで、ミグダル・シケムで、多くの民が死ぬ。
―士師記9:45-49「アビメレクは、その日一日中、その町と戦い、これを制圧し、町にいた民を殺し、町を破壊し、塩をまいた。・・・ミグダル・シケムの人々、男女合わせて約千人が皆、こうして死んだ」。
・別のシケム族の町テベツを攻めた時、女の投げた碾き臼が彼の頭を直撃し、彼は死んだ。
―士師記9:52-53「アビメレクはその塔のところまで来て、これを攻撃した。塔の入り口に近づき、火を放とうとしたとき、一人の女がアビメレクの頭を目がけて、挽き臼の上石を放ち、頭蓋骨を砕いた」。
・この物語は、歴史は誰が支配しておられるのか、人間か神かを問いかける。歴史の主体が人であればそこは弱肉強食の力の世界になる。歴史の主体が神であれば、そこにおいては委託と正しさが求められる。
―申命記8:17-18「あなたは『自分の力と手の働きで、この富を築いた』などと考えてはならない。むしろ、あなたの神、主を思い起こしなさい。富を築く力をあなたに与えられたのは主であり、主が先祖に誓われた契約を果たして、今日のようにしてくださったのである」。
・支配者が悪を行い始めた時、私たちはどうするか。士師記は委託されない者の支配は必ず終わることを告げる。
―ローマ12:19-21「愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。『復讐は私のすること、私が報復すると主は言われると書いてあります』。『あなたの敵が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる』。悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい」。
・人は自らまいたものを刈り取る。そこに神の正義がある。それに委ねよ。
―ガラテヤ6:7「思い違いをしてはいけません。神は、人から侮られることはありません。人は、自分の蒔いたものを、また刈り取ることになるのです」。

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