1.コラ、ダタン、アビラムの反乱
・レビ人であるコラは、自分が祭司ではないことに不満を持ち、モーセとアロンに反逆した。彼は言う「何故あなたたちだけが祭司なのか。全員が聖なる民とされたではないか」。表面的には聖職者に対する万人祭司運動であるが、実質はいとこのアロンが祭司で、自分は祭司でないことに対する不満、妬みであった。
‐民数記16:1-3「レビの子ケハトの孫でイツハルの子であるコラは、・・・集会の召集者である共同体の指導者、二百五十名の名のあるイスラエルの人々を仲間に引き入れ、モーセに反逆した。彼らは徒党を組み、モーセとアロンに逆らって言った『あなたたちは分を越えている。共同体全体、彼ら全員が聖なる者であって、主がその中におられるのに、なぜ、あなたたちは主の会衆の上に立とうとするのか』」。
・モーセは「あなたはレビ人として聖別されながら、それを不足とするのか。神の召命をどう考えるのか」と迫るが、コラは聞かない。同じ一族なのに自分が下級祭司であることに不満なのだ。
−民数記16:8-10「レビの子らよ、聞きなさい。イスラエルの神はあなたたちをイスラエルの共同体から取り分けられた者として御自身のそばに置き、主の幕屋の仕事をし、共同体の前に立って彼らに仕えさせられる。あなたたちはそれを不足とするのか。主は、あなたとあなたの兄弟であるレビの子らをすべて御自身のそばに近づけられたのだ。その上、あなたたちは祭司職をも要求するのか。」
・この反乱の動きにルベン一族のダタンとアビラムも同調した。彼らも、自分達の祖ルベンはヤコブの長子であるのに、ユダ族の風下に立ち、全体の指導がモーセにあることに不満を持っていた。
−民数記16:12-14「モーセは人をやって、エリアブの子であるダタンとアビラムを呼び寄せようとしたが、彼らは言った『我々は行かない。あなたは我々を乳と蜜の流れる土地から導き上って、この荒れ野で死なせるだけでは不足なのか。我々の上に君臨したいのか。あなたは我々を乳と蜜の流れる土地に導き入れもせず、畑もぶどう畑も我々の嗣業としてくれない。あなたはこの人々の目をえぐり出すつもりなのか。我々は行かない』」。
・この反乱は一部の者だけの動きではない。共同体全体が、約束の地に入れなかったことをモーセのせいにして、彼を恨んでいた。共同体の大半は反モーセだった。
−民数記16:19「コラは共同体全体を集め、臨在の幕屋の入り口でモーセとアロンに相対した。」
2.反乱に対する神の審判
・神はこの反乱に介入され、最初は共同体全員を滅ぼすと言われたが、モーセのとりなしで思い返される。
−民数記16:20-23「主はモーセとアロンに仰せになった『この共同体と分かれて立ちなさい。私は直ちに彼らを滅ぼす』。彼らはひれ伏して言った『神よ、すべて肉なるものに霊を与えられる神よ。あなたは、一人が罪を犯すと、共同体全体に怒りを下されるのですか』。主はモーセに仰せになった『コラ、ダタン、アビラムの住まいの周りから離れるよう、共同体に告げなさい』」。
・地が裂け、ダタンとアビラムの一族は、生きたまま陰府に落とされた。
−民数記16:27-33「 彼らはコラ、ダタン、アビラムの住まいから離れた。ダタンとアビラムは、妻子、幼児と一緒に出て来て、天幕の入り口に立った。・・・彼らの足もとの大地が裂けた。地は口を開き、彼らとコラの仲間たち、その持ち物一切を、家もろとも呑み込んだ。彼らと彼らに属するものはすべて、生きたまま、陰府へ落ち、地がそれを覆った。彼らはこうして、会衆の間から滅び去った」。
・また、彼らに従った250人も、主の火に焼かれて死んだ
−民数記16:35「火が主のもとから出て、香をささげた二百五十人を焼き尽くした」。
・詩篇106編はこの反乱は主に対する反逆であったため、主は彼らを滅ぼされたと記す。
−詩篇106:16-18「彼らは宿営でモーセをねたみ、主の聖なる人アロンをねたんだ。地は口を開けてダタンを呑み込み、アビラムの仲間を覆った。火が彼らの仲間に向かって燃え上がり、炎が神に逆らう者を焼き尽くした」。
・人に与えられた賜物は異なる。それは神の選びであり、私たちはただ自分に与えられた賜物を生かせば良い。バプテスマのヨハネの生き方は、私たちにそれを示す。
−ヨハネ3:27-30「ヨハネは答えて言った『天から与えられなければ、人は何も受けることができない。私は自分はメシアではないと言い、自分はあの方の前に遣わされた者だと言ったが、そのことについては、あなたたち自身が証ししてくれる。花嫁を迎えるのは花婿だ。花婿の介添え人はそばに立って耳を傾け、花婿の声が聞こえると大いに喜ぶ。だから、私は喜びで満たされている。あの方は栄え、私は衰えねばならない。」