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トップ  >  マタイによる福音書  >  2003年7月30日  マタイ26:57-75  ペテロの否認
1.イエスの裁判

・捕らえられたイエスは大祭司の屋敷に連行され、そこで議会(サンヘドリン)の裁判を受けた。
―マタイ26:57「人々はイエスを捕らえると、大祭司カイアファのところへ連れて行った。そこには、律法学者たちや長老たちが集まっていた。」
・祭司長たちは最初からイエスを死刑にするつもりで不利な証言を集めようとしたが、なかなか集まらなかった。
―マタイ26:59-61「祭司長たちと最高法院の全員は、死刑にしようとしてイエスにとって不利な偽証を求めた。偽証人は何人も現れたが、証拠は得られなかった。最後に二人の者が来て『この男は神の神殿を打ち倒し、三日あれば建てることができると言いました』と告げた。」
・いらだった大祭司は「お前はメシアなのか」と直接聞き、イエスの答えを聞いて、イエスを断罪する。
―マタイ26:63-66「大祭司は言った。『生ける神に誓って我々に答えよ。お前は神の子、メシアなのか。』イエスは言われた。『・・・あなたたちはやがて、/人の子が全能の神の右に座り、/天の雲に乗って来るのを見る。』そこで、大祭司は服を引き裂きながら言った。『神を冒涜した。これでもまだ証人が必要だろうか。諸君は今、冒涜の言葉を聞いた。どう思うか。』人々は、『死刑にすべきだ』と答えた。」
・最初から結論は決まっていた。後代の人々はこのイエスの裁判にイザヤの預言の成就を見た。
―イザヤ53:7-8「苦役を課せられてかがみ込み、彼は口を開かなかった。屠り場に引かれる小羊のように、毛を切る者の前に物を言わない羊のように、彼は口を開かなかった。捕らえられ、裁きを受けて、彼は命を取られた。」

2.ペテロの否認

・ペテロはイエスの後を追って大祭司の中庭まで来た。そこにいた女中が彼を見て告発した時に、ペテロは即座に否認する。
―マタイ26:69-70「ペトロは外にいて中庭に座っていた。そこへ一人の女中が近寄って来て『あなたもガリラヤのイエスと一緒にいた』と言った。ペトロは皆の前でそれを打ち消して『何のことを言っているのか、私には分からない』と言った。」
・ペテロは平穏無事な時には「あなたこそメシアだ」と告白する。しかし、危機の時には「そのような人は知らない」と否認する。どんなに大言壮語をしても人はいざとなれば他者を裏切る。それが人の真実=原罪だ。
―マタイ26:35「ペトロは『たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません』と言った。弟子たちも皆、同じように言った。」
・二度目の問いにも、三度目の問いにも、ペテロは否認する。一度崩れた勇気はもう取り戻せない。剣と棒を持った追っ手に対しては、ペテロは剣で立ち向かえた。しかし、今女中の言葉にペテロはもろくも崩れる。「戦場での勇気は、日常での勇気よりやさしい」とある人は言う。ペテロは外に出て泣いた。
―マタイ26:75「ペトロは『鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう』と言われたイエスの言葉を思い出した。そして外に出て、激しく泣いた。」
・ペテロは信仰を失くした。私たちも自己に寄り頼む信仰を失くさないと神に出会えない。ぺテロが自分の弱さに泣いた時、ペテロの救いが始まる。この否認はペテロにとって必要なバプテスマだ。
―ルカ22:31-32「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」
・ペテロは傍観者であることを女中に指摘されて崩れた。私たちも傍観者であることを止め、当事者にさせられたとき、神の言葉が聞こえてくる。
―ヨブ36:15-19「神は貧しい人をその貧苦を通して救い出し/苦悩の中で耳を開いてくださる。・・・苦難を経なければ、どんなに叫んでも/力を尽くしても、それは役に立たない。」(口語訳)
・人はある時低められることが必要だ。その経験(十字架)を経なければ、イエスの十字架が救いにならない。
―哀歌3:28-33「軛を負わされたなら/黙して、独り座っているがよい。塵に口をつけよ、望みが見いだせるかもしれない。打つ者に頬を向けよ/十分に懲らしめを味わえ。主は、決して/あなたをいつまでも捨て置かれはしない。主の慈しみは深く/懲らしめても、また憐れんでくださる。人の子らを苦しめ悩ますことがあっても/それが御心なのではない。」
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