すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

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出エジプト記の学び(二巡目)では25章〜31章を省略する。25〜31章は幕屋に関する神の指示が記され、35〜40章は実際に指示どおり造られたという報告の記述である。私たちは旧約の民の歴史として出エジプト記を読むため、24章の次には32章〜34章を読んでいき、その後は民数記・申命記と読んでいく。
*出エジプト記の学び(一巡目)には省略した箇所の学びもあるので参照してほしい。

1.金の子牛の製作

・モーセは律法を受けるためにシナイ山に登り、40日40夜を過ごした。山の下では、モーセが帰らないことに民は不安を持ち始め、アロンに「見える神」を造ってほしいと要望する。
−出エジプト記32:1「モーセが山からなかなか下りて来ないのを見て、民がアロンのもとに集まって来て『さあ、我々に先立って進む神々を造ってください。エジプトの国から我々を導き上った人、あのモーセがどうなってしまったのか分からないからです』と言った」
・指導者の不在で人々は不安になった。だから彼らは「見える神」を求めた。アロンは彼らを説得しようともせず、民に迎合して、進んで偶像を造った。
−出エジプト記32:2-4「アロンは彼らに言った。『あなたたちの妻、息子、娘らが着けている金の耳輪をはずし、私のところに持って来なさい。』 民は全員、着けていた金の耳輪をはずし、アロンのところに持って来た。彼はそれを受け取ると、のみで型を作り、若い雄牛の鋳像を造った。すると彼らは『イスラエルよ、これこそあなたをエジプトの国から導き上ったあなたの神々だ』と言った。」
・祭司アロンは人々の要望を受けて、偶像を造った。民は金の子牛像の前で祭儀を行った。
−出エジプト記32:5-6「アロンはこれを見て、その前に祭壇を築き、「明日、主の祭りを行う」と宣言した。彼らは次の朝早く起き、焼き尽くす献げ物をささげ、和解の献げ物を供えた。民は座って飲み食いし、立っては戯れた。」
・教会が人々の要望を中心にして運営される時、教会もまた偶像礼拝に陥る。偶像礼拝とは像を拝むことではなく、自分たちに都合の良い神を拝むことだ。ユダ王国から分離した北王国の創設者ヤロブアムは、民がエルサレム神殿に詣でることを懸念してベテルに祭壇を築き、そこに金の子牛像を納め、神像とした。
−砧鷁Φ12:26-32「ヤロブアムは心に思った『・・・この民が生贄をささげるためにエルサレムの主の神殿に上るなら、この民の心は再び彼らの主君、ユダの王レハブアムに向かい、彼らは私を殺して、ユダの王レハブアムのもとに帰ってしまうだろう。』彼は・・・金の子牛を二体造り、人々に言った『あなたたちはもはやエルサレムに上る必要はない。見よ、イスラエルよ、これがあなたをエジプトから導き上ったあなたの神である。』・・・ヤロブアムは・・・第八の月の十五日に祭りを執り行い、自ら祭壇に上った。ベテルでこのように行って、彼は自分の造った子牛にいけにえをささげ、自分の造った聖なる高台のための祭司をベテルに立てた。」
・モーセが山の上で律法を与えられている時、地上では民がその戒めを破っている。律法はその最初から破られている。人を救うのは律法ではなく、贖罪を通して与えられる心の割礼だ。だから、キリストは十字架で死ななければいけなかった。
−第二コリント3:3「あなたがたは、キリストが私たちを用いてお書きになった手紙として公にされています。墨ではなく生ける神の霊によって、石の板ではなく人の心の板に、書きつけられた手紙です。」

2.主の怒りとモーセの執り成し

・主は金の偶像を民が作って拝む出来事を見て、モーセに直ちに下山することを求められた、」
−出エジプト記32:7-8「主はモーセに仰せになった。『直ちに下山せよ。あなたがエジプトの国から導き上った民は堕落し、早くも私が命じた道からそれて、若い雄牛の鋳像を造り、それにひれ伏し、いけにえをささげて、『イスラエルよ、これこそあなたをエジプトの国から導き上った神々だ』と叫んでいる。」
・そしてモーセに「この民を滅ぼす」と宣告される。神と民の信頼関係が崩れた。
−出エジプト記32:9-10「私はこの民を見てきたが、実にかたくなな民である。今は、私を引き止めるな。私の怒りは彼らに対して燃え上がっている。私は彼らを滅ぼし尽くし、あなたを大いなる民とする。」
・しかし神は「今は、私を引き止めるな」と語られる。神の意志は決定されていない。変える余地はあるとモーセに示されたのだ。故にモーセは民のために真剣にとりなし、主は決定を変えられる。主は人の祈りに答えて、自らの意思をも変えられる存在であることをこのモーセの祈りは示す。旧約学者W.ブルッゲマンは、神に態度の変更を迫るモーセの祈りこそ、本質的な祈りだと語る。
−出エジプト記32:11-14「モーセは主なる神をなだめて言った。『主よ、どうして御自分の民に向かって怒りを燃やされるのですか。あなたが大いなる御力と強い御手をもってエジプトの国から導き出された民ではありませんか。どうしてエジプト人に「あの神は、悪意をもって彼らを山で殺し、地上から滅ぼし尽くすために導き出した」と言わせてよいでしょうか。どうか、燃える怒りをやめ、御自分の民にくだす災いを思い直して下さい。どうか、あなたの僕であるアブラハム、イサク、イスラエルを思い起こして下さい。あなたは彼らに自ら誓って、「私はあなたたちの子孫を天の星のように増やし、私が与えると約束したこの土地をことごとくあなたたちの子孫に授け、永久にそれを継がせる」と言われたではありませんか。』主は御自身の民にくだす、と告げられた災いを思い直された。」
・民は赦され、約束どおり、子孫と土地を与えられるだろう。しかし、主と民の関係は今まで通りではない。罪は罪として、その値を払わなければいけないからだ。
−出エジプト記32:34-35「私があなたに告げた所にこの民を導いて行きなさい。見よ、私の使いがあなたに先立って行く。しかし、私の裁きの日に、私は彼らをその罪のゆえに罰する。」

3.罪の清算

・モーセは山を下り、民の有様を見て怒る。
-出エジプト記32:15-19a「モーセが身を翻して山を下るとき、二枚の掟の板が彼の手にあり、板には文字が書かれていた。その両面に、表にも裏にも文字が書かれていた。その板は神御自身が作られ、筆跡も神御自身のものであり、板に彫り刻まれていた・・・宿営に近づくと、彼は若い雄牛の像と踊りを見た。」
・モーセはアロンに「これは何だ」と迫る。
-出エジプト記32:19b-24「モーセは激しく怒って、手に持っていた板を投げつけ、山のふもとで砕いた。そして、彼らが造った若い雄牛の像を取って火で焼き、それを粉々に砕いて水の上にまき散らし、イスラエルの人々に飲ませた。モーセはアロンに『この民があなたに一体何をしたというので、あなたはこの民にこんな大きな罪を犯させたのか』と言うと、アロンは言った『・・・彼らは私に、「我々に先立って進む神々を造ってください。我々をエジプトの国から導き上った人、あのモーセがどうなってしまったのか分からないからです」と言いましたので、私が彼らに、「だれでも金を持っている者は、それをはずしなさい」と言うと、彼らは私に差し出し・・・私がそれを火に投げ入れるとこの若い雄牛ができたのです。』」
・モーセは民に悔い改めを迫るが、一部の民はかたくなに拒否する。モーセは集まってきたレビ人に悔い改めない民を「殺せ」と命じる。このような粛清は現代では許容されないであろうが、非常時にはやむを得ないと記者は考えたのであろうか。
−出エジプト記32:25-28「モーセは・・・宿営の入り口に立ち『だれでも主につく者は、私のもとに集まれ』と言った。レビの子らが全員彼のもとに集まると、彼らに『・・・おのおの、剣を帯び、宿営を入り口から入り口まで行き巡って、おのおの自分の兄弟、友、隣人を殺せ』と命じた。レビの子らは、モーセの命じた通りに行った。その日、民のうちで倒れた者はおよそ三千人であった。」
・こうして神に忠実だったレビ人が祭司の職に就くことになる。
-出エジプト記32:29「モーセは言った。『おのおの自分の子や兄弟に逆らったから、今日、あなたたちは主の祭司職に任命された。あなたたちは今日、祝福を受ける。』」
・モーセは改めて山に登り、民の赦しを主に求め、必要ならば自分を殺してほしいと懇願する。
−出エジプト記32:30-32「翌日になって、モーセは民に言った。『お前たちは大きな罪を犯した。今、私は主のもとに上って行く。あるいは、お前たちの罪のために贖いができるかもしれない。』モーセは主のもとに戻って言った。『ああ、この民は大きな罪を犯し、金の神を造りました。今、もしもあなたが彼らの罪をお赦しくださるのであれば・・・。もし、それがかなわなければ、どうかこの私をあなたが書き記された書の中から消し去ってください。』」
・いつの時代においても人は自分の願いしか考えない。指導者はその民を執り成すために立てられる。
−ローマ9:3「私自身、兄弟たち、つまり肉による同胞のためならば、キリストから離され、神から見捨てられた者となってもよいとさえ思っています。」
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