すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

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1.戦いは続く

・数々のしるしにもかかわらず、ファラオは改めず、第五の災いとして家畜の疫病が与えられる。前回の災いは「ぶよ」の災いだった。この「ぶよ」(ヘブル語「キンニーム」)が新たな疫病をもたらす。ある人は「ぶよ」に媒介される炭疽熱ではないかと考える。
―出エジプト記9:1-3「主はモーセに言われた。『ファラオのもとに行って彼に告げなさい。ヘブライ人の神、主はこう言われた。私の民を去らせ、私に仕えさせよと。もしあなたが去らせるのを拒み、なおも彼らをとどめておくならば、見よ、主の手が甚だ恐ろしい疫病を野にいるあなたの家畜、馬、ろば、らくだ、牛、羊に臨ませる。』
・今回もまた災害はイスラエルに及ばず、それが神のしるしであることが示されていたのに、ファラオは悔い改めなかった。
―出エジプト記9:4-7「『・・・イスラエルの人々の家畜は一頭たりとも死ぬことはない。主はまた時を定め、明日、この地でこの事を行われる。』翌日、主はこの事を行われたので、エジプト人の家畜はすべて死んだが、イスラエルの人々の家畜は一頭も死ななかった。ファラオが人を遣わして見させたところ、イスラエルの家畜は一頭といえども死んではいなかった。それでも、ファラオの心は頑迷になり民を去らせなかった。」
・6番目の災いは腫れ物の災いだった。モーセが主の命令に従い、かまどのすすをまくと、エジプト全土の人と家畜が皮膚病にかかった。
―出エジプト記9:8-10「主はモーセとアロンに言われた。『かまどのすすを両手にいっぱい取って、モーセはそれをファラオの前で天に向かってまき散らすがよい。それはエジプト全土を覆う細かい塵となって、エジプト全土の人と家畜に降りかかり、膿の出るはれ物となるであろう。』 二人はかまどのすすを取ってファラオの前に立ち、モーセがそれを天に向かってまき散らした。すると、膿の出るはれ物が人と家畜に生じた。」
・腫れものの被害は魔術師にも及び、彼らは何も出来なくなった。彼らはモーセとの戦いから撤退する。しかし、ファラオは悔い改めなかった。
―出エジプト記9:11-12「魔術師もこのはれ物のためにモーセの前に立つことができなかった。はれ物は魔術師のみならず、エジプト人すべてに生じた。しかし、主がファラオの心をかたくなにされたので、彼は二人の言うことを聞かなかった。主がモーセに仰せになったとおりである。」

2.戦いの新しい段階

・これまでの災いは人の死を招くものではなかったが、次からは、命に関わる戦いとなる。そして神が単にイスラエルの部族神ではなく、全地を支配する神であることが示される。
―出エジプト記9:13-16「主はモーセに言われた。『明朝早く起き、ファラオの前に立って、彼に言いなさい。ヘブライ人の神、主はこう言われた。私の民を去らせ、私に仕えさせよ。今度こそ、私はあなた自身とあなたの家臣とあなたの民に、あらゆる災害をくだす。私のような神は、地上のどこにもいないことを、あなたに分からせるためである。実際、今までにも私は手を伸ばし、あなたとあなたの民を疫病で打ち、地上から絶やすこともできたのだ。しかし私は、あなたに私の力を示して私の名を全地に語り告げさせるため、あなたを生かしておいた。』」
・しかしこのたびは人の命が失われるような災いをあなた方に与えると主は宣言された。
-出エジプト記9:17「あなたはいまだに、私の民に対して高ぶり、彼らを去らせようとしない。見よ、明日の今ごろ、エジプト始まって以来、今日までかつてなかったほどの甚だ激しい雹を降らせる。」
・主は全地の神、エジプトをも支配する神であることをエジプト人が認めるまで、戦いは続く。しかし、この災いは一方的な裁きではなく、逃れる道をも備えられたものであった。主の警告に従った者は災いを逃れることが出来た。
―出エジプト記9:19-21「それゆえ、今、人を遣わして、あなたの家畜で野にいるものは皆、避難させるがよい。野に出ていて家に連れ戻されない家畜は、人と共にすべて、雹に打たれて死ぬであろうと。ファラオの家臣のうち、主の言葉を畏れた者は、自分の僕と家畜を家に避難させたが、主の言葉を心に留めなかった者は、僕と家畜を野に残しておいた。」
・この災いはエジプト全土に及び、その被害は甚大であった。
-出エジプト記9:23-26「モーセが天に向かって杖を差し伸べると、主は雷と雹を下され、稲妻が大地に向かって走った。主はエジプトの地に雹を降らせられた。雹が降り、その間を絶え間なく稲妻が走った。それは甚だ激しく、このような雹が全土に降ったことは、エジプトの国始まって以来かつてなかったほどであった。雹は、エジプト全土で野にいるすべてのもの、人も家畜も残らず打った。雹はまた、野のあらゆる草を打ち、野のすべての木を打ち砕いた。ただし、イスラエルの人々の住むゴシェンの地域には雹は降らなかった。」
・温暖なエジプトで雹が降ることはほとんどない。さすがのファラオも今回は主の力を認め、前にひれ伏した。
―出エジプト記9:27-28「ファラオは人を遣わし、モーセとアロンを呼び寄せて言った。『今度ばかりは私が間違っていた。正しいのは主であり、悪いのは私と民である。主に祈願してくれ。恐ろしい雷と雹はもうたくさんだ。あなたたちを去らせよう。これ以上ここにとどまることはない。」
・モーセは災いの終了を告げる。
-出エジプト記9:29-33「モーセは言った。『町を出たら、早速両手を広げて主に祈りましょう。雷はやみ、雹はもう降らないでしょう。あなたはこうして、大地が主のものであることを知るでしょう。しかし、あなたもあなたの家臣も、まだ主なる神を畏れるに至っていないことを、私は知っています。』・・・モーセは、ファラオのもとから退出し町を出ると、両手を広げて主に祈った。すると、雷も雹もやみ、大地に注ぐ雨もやんだ。」
・しかし、災いが去ると、ファラオの心は再びかたくなになった。
―出エジプト記9:34-35「ファラオは、雨も雹も雷もやんだのを見て、またもや過ちを重ね、彼も彼の家臣も心を頑迷にした。ファラオの心はかたくなになり、イスラエルの人々を去らせなかった。主がモーセを通して仰せになったとおりである。」

3.出エジプト記9章が示すもの

・ファラオは現実を直視することを避け、苦難が去れば元のかたくなな態度に戻る。現代の日本と同じだ。現政権は不人気な消費税増税を避け、日銀の介入により目先の株価を上げることで人々の不満をそらそうとしている。しかし、現実を見つめた時、「成長を前提にした将来」は描けない。人口減少の中で何をすべきか、NHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」はその方向性を示す。
-NHKスペシャル・縮小ニッポンの衝撃から「初めて人口が減少した日本の各地で今、実際に困難な事態が生じている。人口減少や、財政破綻に伴うインフラサービス縮小に、地方自治体は苦闘している。なかでも北海道夕張市は深刻である。10年前に財政破綻した同市は、11万人の人口が9千人にまで減少し、予算難から行政サービスの縮小(廃止)を進めている。その中で、市内唯一の高校である夕張高校では進学する生徒が減少し、廃校の危機に迫られている。夕張市では全国に呼びかけて「ふるさと納税」の寄付金を募り、高校に新たに予算をつけ、資格取得や進学を目指す子どもたちを後押しすることを決断した。新入学の学生は決意の中で語る「いつまでも現実を避けてばかりいないで、今何ができるかを考えたい。夕張を逃げ出さない」と。
・夕張市の「ふるさと納税額」は2013年度2千万円、2014年度9千万円、2015年度上期1億円と増加している。現実を見つめ、対処法を求めれば、道は開けることを神は知らされた。
-第一コリント10:13「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。」
・神は私たちに自由意志を与えた。私たちは神を拒絶する自由も与えられている。ファラオという言葉には「門」という意味があり、ファラオは神の世界と人間の世界をつなぐ門であり、現人神であると考えられた。そのファラオが屈服するまでには更なる災いが必要であった。それが12章以下に記されているファラオの子の死である。
-出エジプト記12:29-30「真夜中になって、主はエジプトの国ですべての初子を撃たれた。王座に座しているファラオの初子から牢屋につながれている捕虜の初子まで、また家畜の初子もことごとく撃たれたので、ファラオと家臣、またすべてのエジプト人は夜中に起き上がった。死人が出なかった家は一軒もなかったので、大いなる叫びがエジプト中に起こった。」
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